みんなのケータイ

DSDSではないけれど……

【Tommy】

 昨年来、SIMフリースマホで対応機種が増えてきたDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)。海外に行くときなどに役立ちそうだなぁと思いつつ、筆者はまだDSDS対応機種を持っていません。従来、海外に出かけた際は、日本で使っているSIMを抜き取り、渡航先で入手したSIMに差し替えていました。日本からの電話を着信する必要がないのであれば、それで困らないのですが、SIMって小さいじゃないですか。抜いたSIMをなくしてしまわないかと、不安になったりしていました。

Tommyは背面カバーを開けた内側に、microSIMを2枚挿せる

 今使っているTommyは、DSDSには対応してませんが、2つのmicroSIMスロットを備えています。2枚のSIMを挿せるけど、3Gや4Gで通信できるのは1枚だけで、片方は2G(GSM)専用という仕様です。つまり、日本で使う場合は、2Gは使えないので、DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)になります。

 ゴールデンウィークに、シンガポール方面に遊びに行ったのですが、その際、このDSSSが、さりげなく役に立ちました。今回は、クアラルンプールを経由してシンガポールに行き、そこからインドネシアのビンタン島にも足を延ばすという行程でした。3カ国にまたがるので、効率よく使えるSIMはないかと探し、アマゾンで「SIM 2 Fly」というSIMを見つけて購入しました。タイのAISというキャリアが販売するプリペイドSIMらしく、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど、14の国・地域で使えて、その中には日本も含まれていました。「SIM 2 Fly」は開通設定後、8日間有効で、4G・3Gのデータ通信を4GBまで使える仕様。筆者は1400円で購入しました。

AISの「SIM 2 Fly」は、アマゾンで注文して翌日に届いた

 この「SIM 2 Fly」が便利だったのは、出発前にSIMを挿して開通設定ができること。筆者のTommyにはmineoのデータSIMを挿して使っていますが、もう1つの空いているSIMスロットに、この「SIM 2 Fly」を挿しました。SIMと一緒に届いたペラ1枚の説明書にAPNの設定手順が記されていましたが、SIMを挿すだけでAISのSIMであることを認識し、APSの設定画面で「AIS internet」という項目を選択するだけで、あっさりと設定できました。ただし、SIMの性質上、「データローミング」をONにしないと使えないので、これから使う方は、その点は注意してくださいね。ちなみに、日本国内ではソフトバンク回線につながります。普段、国内で使っているmineoのSIMは挿したままなので、なくす心配はないですし、帰国後も、SIMを入れ替えることなく、利用を再開できます。

 「SIM 2 Fly」はインドネシアでのローミングには対応していません。なので、ビンタン島に滞在した2日間だけは別途レンタルしたモバイルルーターに頼ったのですが、あとは、シンガポールでもクアラルンプールでも快適に使えて、速度もそこそこ出て、満足できました。

AISのSIMを有効にして、データローミングをオンにするだけで開通した
APNの設定画面には、AISの設定がプリセットされていた

 6日間の旅で、結局、4GBを使い切れなかったのですが、余ったデータ量を帰国後に無駄なく使えるのも経済的でいいなぁと。こういう複数国での利用に対応するSIMが増えつつあるようなので、海外でのスマホ利用はますます便利になりそうですね。現地でSIMを買うほうが安いのでしょうが、SIMを扱う店を探したりするのにも結構時間を取られますしね。

 話が横道に逸れてしまいましたが、DSDSのように2枚のSIMを同時に生かすことはできませんが、TommyのDSSSも、2枚のSIMを切り替えて使うことはできるので、今後も、それなりに役立つ場面があるかもしれませんね。