DATAで見るケータイ業界

通信事業者グループ各社の設備投資額、抑制が落ち着き横ばいへ

通信事業者・通信建設業者の両面から見た通信建設市場(1)

 MCAでは通信建設工事市場に関する調査を実施した。そこで今回から「通信事業者・通信建設業者の両面から見た通信建設市場」と題し、市場の全体像やプレイヤーの実情をお伝えする。今回は、その前段として、通信キャリアの設備投資について整理してみたい。

投資抑制が落ち着き、今後は2兆円超の横ばいで推移

 MCAが調査レポート「通信建設業者便覧 2017」にて取りまとめた、通信事業者グループ各社の設備投資額をみると、すでに投資抑制がはじまっており、2016年度は2兆2357億円となった。

 内訳はNTTグループが1兆2801億円、KDDIグループは5193億円、ソフトバンクグループが3205億円、電力系通信事業者各社は1158億円である。今後も微減傾向ながらも、投資抑制は続き、2019年度に2兆920億円まで下がるが、2019年度を除くと、2兆2000億円規模で推移する見込みである。

 国内市場における設備投資額はNTTグループが過半数を占めており、この傾向は今後も変わらず、1兆2000億円規模で推移する。KDDIグループもモバイル、固定その他を合わせ、5000億円規模で推移し、ソフトバンクグループは波があるものの、2017年度以降は3500億円超で推移するものとみられる。

 次回から、本題である通信建設工事に焦点を当てていく。

MCA 大門太郎

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」などクオリティの高いサービス提供を行う。