トピック
もしかしてこれで十分なのでは? 1万円ちょっとのスマートウォッチ「realme Watch S」
血中酸素濃度測定にも対応。常に身に付けていたい軽快でカジュアルな1本
2021年9月13日 12:36
スマートウォッチと言えば、スポーツなどのアクティビティを記録できる機能を標準的に備えた、「日常的にスポーツをする人向け」あるいは「健康意識の高い人向け」というイメージの強いガジェットだったかもしれない。ところがここへきて、そうした見方にも変化が表れてきているように思う。
おそらく多くの人が、外出を控えたり在宅勤務が続いていたりすることで運動不足を自覚しているだろうし、感染症対策のために体調管理の重要性も認識するようになったはず。そんな理由から 「適切に健康を維持していきたい」と考えたときに、最も気軽に使えるサポートアイテム として、まさにスマートウォッチに注目が集まっているのだ。
ただ、スマートウォッチの選択肢はあまりにも多い。健康維持が目的となると、長く付き合っていくことになるだけに「買い物に失敗したくない」という気持ちも生まれてしまう。一体どれを選べばいいの……と迷っている人にぜひチェックしてほしいのが、今回紹介する「realme Watch S」だ。
軽く、薄く、強い。シンプルなデザインと安心感ある耐久性
最初に結論を言ってしまうと「健康維持を目的としたライフログ用には、これで十分だな」というのが、筆者がrealme Watch Sを実際に2週間以上使ってみた感想だ。
機能面でも言いたいことはたくさんあるけれど、それよりもまず印象に残るのが、手首に装着して初めに感じた「軽さ」。バンド部を含めた重量が、わずか約48g(実測は48.9g)という物理的な軽さに加えて、約12mmという薄さで飛び出しが少なく腕にフィットしやすいのが、軽快感をより高めている。
直径約47mmのケースサイズは、数値ほどには大きく感じない。22mm幅の柔らかなシリコンバンドを採用し、余計な装飾のないモノトーンデザインは、見た目の軽さにもつながっている。使う人を選ばないという意味でも、このシンプルさはうれしいところ。
ディスプレイは1.3型、解像度360×360ドットのタッチ対応で、ドット感の目立たない精細な画面。手首の動きをセンサーで検知して、自動で画面点灯する仕組みになっている(自動点灯をオフにすることも可能)。サイドに2つあるボタンは機能ショートカットやキャンセルキーとして使うものだ。この操作性やインターフェイスのわかりやすさ、高精細画面による視認性の高さも、realme Watch Sの特徴と言える。
そんな軽量・薄型でありながら、防水・防じん性能はIP68に準拠している。完全な防じん性能をもち、メーカーによれば水面下1.5メートルまでの使用が可能という耐久性で、ホコリっぽい場所でも、雨天でも、スポーツで汗をかいても問題なく、丸ごと水洗いするのもOKだから、使う場所も選ばない。
心拍、血中酸素濃度、睡眠、アクティビティを全部記録
機能面でポイントとなるのは、やはり心拍の24時間常時計測(5分間隔以上)と、血中酸素濃度(SpO2)の計測が可能なところ。心拍についてはrealme Watch S本体の画面で直近24時間の推移を見ることができ、さらに専用アプリ「realme Link」と連携することで、過去の長期間の履歴を確認可能だ。異常な心拍を検知したときは本体側でアラート表示もされるようになっている。
血中酸素濃度は手動計測となる。医療用ではなく、あくまでも健康管理の参考に用いるためのものではあるけれど、計測値としてはかなり正確に示してくれる印象だ。これら心拍の常時計測や血中酸素濃度の計測は、スマートウォッチでは今や珍しくない機能とはいえ、1万円ちょっとの機種でしっかり使えるのはありがたい。
さらに睡眠トラッカーの機能も備えている。就寝中にもrealme Watch Sを身に付けていることで自動で分析され、浅い眠りや深い眠り、レム睡眠などの継続時間がわかり、睡眠の質を把握できる。心拍と血中酸素濃度と合わせて、こうした分析機能は体調の変化に気付くきっかけにもなるので、やはり常時身に付けておきたくなる。
アクティビティの記録にももちろん対応している。モードは、屋内・屋外のランニングとサイクリング、ウォーキング、ウェートトレーニング、卓球、ヨガなど16種類。アクティビティの継続時間や平均心拍数、移動距離、消費カロリーといった項目をリアルタイム表示しながら記録し、こちらもアプリ上に履歴として残していける。
ちなみにアクティビティという括りには入っていないが、「瞑想」の機能が独立して用意されているのも面白いところ。適度に行うことでリラックス効果やストレス解消の効果があるとされているこの瞑想を、気軽に日々の生活ルーチンとして取り入れることで、在宅勤務で溜まりやすい鬱憤みたいなものを消し去ることができそう。仕事の効率にも好影響があるかも!?
在宅でも活躍する機能の数々。バッテリー持ちは余裕の15日間以上
他にも、在宅勤務の多い今だからこそ活用できる機能がいくつも搭載されている。その1つが、アラーム機能だ。忙しいときは麺類をゆでたり、カップ麺にお湯を注ぐだけにして、昼食や夕食を簡単に済ませてしまいたいときもあるはず。あるいは、日中に少し昼寝して頭をすっきりさせたいときもあるだろう。そんな場面では、最短3ステップで設定できるアラーム機能が活躍する。
スマートフォンと連携するスマートウォッチということもあって、スマートフォンをリモートコントロールする機能もある。1つはカメラのシャッターを切るリモート撮影機能で、スマートフォンをどこかに固定して、自分の姿とともに風景を広く撮影したいようなときに使えるだろう。
もう1つは音楽再生をコントロールできる機能。曲の一時停止、前後スキップ、音量調整も可能になっており、音楽を聞きながら仕事しているとき、もしくは料理を作っているときなどに、いちいちスマートフォンを開かずに操作できるのが便利だ。
常に身に付けて、そういった各種機能を使いこなし、心拍を計測しつつ、時には血中酸素濃度を確かめて、毎日アクティビティや睡眠をトラッキングする……なんていう使い方をしていくとなると、気になるのがバッテリーもち。便利に使える機能がたくさんあったとしても、すぐにバッテリー切れになってしまっては意味がない。
しかしその点についてもrealme Watch Sは心配なさそうだ。というのも、満充電してからおよそ2週間、毎日ほとんど肌身離さず過ごしてきたが、筆者の使い方ではまだ半分近くバッテリーが残っている。毎日30分~1時間程度のアクティビティを行い、1、2日に1回スマートフォンアプリ上でデータを同期する、というような使い方だったが、その程度であれば充電なしで1カ月近くもつ可能性もある。
仕様上のバッテリー持続時間は15日間となっているけれど、メーカー側はそこそこヘビーな使い方を想定しているようだ。画面点灯が1日80回、アプリでの同期が1日5回、着信・アプリ通知が1日計120回などという感じで、そこまで頻繁に操作する人はあまりいないのではないかと思う。
ライフログとして使うにあたっては、計測できない時間帯を最小限にできるバッテリーのロングライフ性能は重要で、少なくとも15日間以上もつrealme Watch Sなら十分に満足できるレベルのはずだ。
日々の健康管理を常にしつつ、時々軽く運動もするというアナタに
1万円ちょっとというリーズナブルな価格で、ここまで日常的に、実用的に使える機能がたっぷり搭載されているのは正直言って驚き。アプリでは本体とのデータ同期が高速で、アクティビティ、睡眠、心拍、血中酸素濃度といった知りたい情報の履歴もすっきりまとまっている。
ただ、どんな用途にもマッチする、とは言えないところもある。たとえば本気でスポーツに取り組む人にとってはアクティビティ機能は物足りなく感じるかもしれない。GPSを内蔵していないことから、屋外のランニングやサイクリングで走行ルートも記録したいときは、連携しているスマートフォンも一緒に携帯しなければならない点には要注意だ。
他のフィットネスアプリ・サービスとの連携機能も、今のところはGoogle Fitのみで、基本的にはrealme Watch Sと専用アプリという枠のなかで完結させて使うのが基本となる。といっても、ここはわかりやすさ、使い勝手の良さにつながっているところでもあるのだけれど。
なので、やはり本格的なスポーツ用途というよりは、日常の身体データを滞りなく記録していくライフログ向きのアイテム。心拍・血中酸素濃度測定など、最新のスマートウォッチらしい「おいしいところ」を味わいつつ、時々はジョギングなどでカジュアルに身体を動かして健康維持したい、というような人に、realme Watch Sはちょうどいい製品なのだ。