特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】10年前、超高級携帯電話ブランド「VERTU」のフェラーリコラボモデル「Ascent Ferrari GT」が発売、価格は110万円

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 今から10年前の2010年11月5日、Vertuは超高級携帯電話ブランド「VERTU」とフェラーリのコラボモデル「Ascent Ferrari GT」を発売しました。世界で2011台限定で、日本での価格は110万円。

「Ascent Ferrari GT」

 VERTUは、ノキアによって設立された超高級携帯電話ブランド。本革や貴金属、ダイヤモンドなどの宝石をあしらったハンドメイドの端末を、海外で数百万円以上の価格で販売することでよく知られていました。2009年には銀座に旗艦店をオープンし、日本市場への参入を果たしましたが、その後わずか2年で撤退してしまいました。なお、国内ではNTTドコモのネットワークを借り受け、MVNOとしてサービスを展開していました。

 「Ascent Ferrari GT」は、フェラーリの458イタリアに搭載されているV8エンジンをモチーフにしたW-CDMA/GSM対応の携帯電話端末。サイドパネルには8気筒のエンジンを表現したデザインを採用し、458イタリアのカムカバー(エンジン上部のヘッドカバー)と同じフェラーリロゴと、赤いストライプが施されています。チタン製のボディは物理蒸着法(PVD)でマットブラックに仕上げられました。

 32GBのストレージと、AF対応500万画素カメラを備え、カメラのレンズはサファイヤクリスタルで保護されていました。また、VERTUのコンシェルジュサービスにも対応していました。

 その後、ノキアは2012年にVertuを売却し、以降は所有者が転々としながら経営状況も悪化していきました。2017年にVertuは経営破綻し、世界各地の店舗は閉鎖されましたが、中国では総代理店によって新体制での事業が継続されていました。

 こうしてVERTUブランドはひっそりと生き延びており、2018年にはスマートフォンの新機種「Aster P」を発売し、2019年にはベトナムにも小売店を開設し、国際展開を再開しています。