特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】10月1日は世界初の3Gサービス「FOMA」が正式サービスを開始した日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 今から19年前の2001年10月1日、NTTドコモは第3世代携帯電話サービス「FOMA」の正式サービスを開始しました。正式サービス開始時のエリアは都心から半経約30kmの範囲が対象でした。

サービス開始時の対応端末「FOMA N2001」「FOMA 2101V」「FOMA P2401」

 ドコモでは、FOMAの正式サービス開始に先立って2001年5月30日より4500人の公募モニターを対象に試験サービスを行っていました。

 通信方式はこれまで採用されていたPDC方式と異なり、FOMAは世界初となるW-CDMA方式を採用。ネットワークや端末をすべて最初から作り上げる必要もあったことから、試験サービスではネットワークにつながらなかったり、通話中に切れたりといった問題に苦戦していたようです。

 その後、正式サービス開始までの数カ月で、端末やネットワークの品質や安定性を確保し、ほとんどの問題を解決して予定通り正式サービスが開始されました。

 正式サービス開始時点の料金体系は、月額基本使用料が3900円(無料通信分700円含む)、4900円(無料通信分2000円含む)、6700円(無料通信分4000円含む)、1万円(無料通信分7300円含む)、1万5000円(無料通信分1万1600円含む)の「FOMAプラン」5種と、データ専用プランとして、月額基本使用料が2200円(無料通信分なし)の「FOMAデータプラン22」が用意されていました。

 パケット通信料は、基本料金に加えて3種類のパケットパックも選択でき、自分の利用するデータ量に応じて月額2000円(1パケット0.10円)、月額4000円(1パケット0.05円)、月額8000円(1パケット0.02円)または「パケットパックなし(1パケット0.2円)」から自由に選択できるようになりました。今では、複数のプランが選択できるというのは当たり前のように感じられますが、iモードは当初、パケット通信料が1パケット0.3円で一律だったため、FOMAでは複数のプランが用意されたことも特徴のひとつでした。

 ちなみに、サービス開始後は対象エリアを順調に拡大していき、2004年3月には人口カバー率99%を、2007年3月には人口カバー率100%を達成しています。通信方式やネットワーク、サービスのすべてが新しく、苦戦も多い中で作り上げただけあり、FOMAは今では当たり前の「どこでもつながる」携帯電話サービスとして成功したものといえるのではないでしょうか。「FOMA」と、フィーチャーフォン向けの通信サービス「iモード」は、2026年3月31日にサービスを終了することがすでに発表されており、その歴史ももうすぐ幕を下ろすことになる予定となっています。