iPhone駆け込み寺
iPad買うなら、どのApple Pencilを選ぶべき? USB-C対応版登場であらためて考える
2023年11月11日 06:00
11月2日、アップルの新製品として「Apple Pencil(USB-C)」が発売された。これまでの第1世代、第2世代も引き続き購入できるなかで、USB-C対応版も登場し、もしかしたらどれをどう選べばいいか迷う人もいるかもしれない。
今回は、実際の製品を手にしながら、その違いをあらためて確認してみたい。筆者の手元にある第2世代との違いもあわせて紹介しよう。
価格が違う
これから買うという人にとって、一番の大きな違いはやっぱり「価格」。
最新モデルとなる「Apple Pencil(USB-C)」だが、その価格は3モデルのなかで最も安い1万2880円。次いで、第1世代(1万4880円)、第2世代(1万9880円)となる。
Apple Pencilのモデル | 第2世代 | USB-C | 第1世代 |
価格 | 19,880円 | 12,880円 | 14,880円 |
割賦(12回) | 1,656円 | 1,073円 | 1,240円 |
もちろん価格だけではなく、それぞれに備わっている機能も異なる。
となると、「自分はApple Pencilでどんなことがしたいんだろうな」と買う前に想像しておけば、価格に見合ったモデルを選びやすくなる。
たとえば、どんなふうに使うかわからないけど、とにかくなんでもできるようにしたい、ということであれば「Apple Pencil(第2世代)」を選ぶ人もいるだろう。ただ、機能の違いを知っておけば、最新版の「Apple Pencil(USB-C)でいい」という人もいるはずだ。
機能の違いを見てみよう
まずは、機能を一覧でまとめてみた。いずれも、モデルを選ぶ上で重要な要素ばかりだ。
Apple Pencilのモデル | 第2世代 | USB-C | 第1世代 |
ピクセルレベルの精度 | ◯ | ◯ | ◯ |
低レイテンシー | ◯ | ◯ | ◯ |
傾き検知 | ◯ | ◯ | ◯ |
筆圧検知 | ◯ | - | ◯ |
マグネット取り付け | ◯ | ◯ | - |
ワイヤレスペアリング・充電 | ◯ | - | - |
ポイント機能(iPad Pro) | ◯ | ◯ | - |
ダブルタップによるツール切替 | ◯ | - | - |
無料の刻印サービス | ◯ | - | - |
共通しているのは「ピクセルレベルの精度」「低レイテンシー」「傾きを感知するセンサー」の3つ。つまり、何かしら「書く/描く」という行為の基本的な部分は、どのモデルであっても、Apple Pencilらしいストレスのない体験を味わえる。サッとペン先を走らせて書くという点では、どれを選んでも大丈夫だ。
圧力検知で変わる選び方
もっとも機能が少ない、というかたちで案内されているのは「第1世代」だが、USB-Cとの違いは「圧力検知」だ。「圧力検知」は第1世代と第2世代でサポートされている。
筆圧をディスプレイ内に描かれる線に反映させるかどうか、こだわる人ならば、ここは「圧力検知対応」を重視してもいいかもしれないが、メモを描くだけなら、たとえば標準でプリセットされている「メモ」アプリでは、さほど大きな違いを感じられない。
シンプルに「メモ書き程度」なら、「Apple Pencil(USB-C)」で事足りるだろう。
ちょっとした使い勝手を向上させるポイント
書く・描くという基本は同じながら、圧力検知で違いがある、という3モデルだが、違いはほかにもある。
たとえば「マグネット取り付け」は、Apple Pencil(第2世代)とApple Pencil(USB-C)にあるが、第1世代にはない。
毎日必ず使うという人ならば、あまり気にならないかもしれないが、たまに使うなんて人にとっては「iPad」にくっつけておけるというのは、地味に嬉しいポイント。個人的には、紛失するリスクも多少なりとも減らせる部分だと感じている。
また、ワイヤレスでの充電・ペアリングや、ダブルタップでのツール切り替えは、第2世代だけでサポートされている。
それらは、日々、Apple Pencilを使う上でちょっとしたことかもしれないが、ストレスの軽重に関わる部分だ。ダブルタップでのツール切り替えは、イラストツールの切り替えだけではなく、メモ書きでもペンと消しゴムの切り替えといった場面では便利だ。
余談じみた話だが、Apple Pencil(USB-C)のデザインは、第2世代と比べ、その長さは1.5cmほどUSB-C版のほうが短い。ただ、手にしたところ、メモ書き中心の筆者の場合、さほど気になることはなかった。
対応機種もチェック
3つのApple Pencilは、実は少しずつ対応製品が異なる。やや乱暴なくくりだが、「古いiPadは第1世代のApple Pencil」で、新しいiPadは第2世代かUSB-C版のApple Pencilと言える。
そのなかでも、知っておきたいのは「iPad(第10世代)」との組み合わせ。利用できるのは第1世代とUSB-CのApple Pencilになるのだが、2022年秋に登場した「iPad(第10世代)」は、それまでの“無印iPad”シリーズで初めてUSB-Cに対応したモデルでもある。
第9世代まではLightning端子だったため、Apple Pencil(第1世代)を利用する際、同じLightning端子同士ということで、充電なども(直接、端子に接続するといったかたちだが)気にせずにおけたが、第1世代のApple Pencilと第10世代のiPadは充電端子が異なるため、「USB-C - Apple Pencilアダプタ」が必要ということになっていた。
それが「Apple Pencil(USB-C)」と「iPad(第10世代)」という組み合わせであれば、ほかのアクセサリーを買うことなく利用できるというわけだ。
Apple Pencilのモデル | 第2世代 | USB-C | 第1世代 | |
12.9インチiPad Pro | 第1世代 | ― | ― | ◯ |
第2世代 | ― | ― | ◯ | |
第3世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第4世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第5世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第6世代 | ◯ | ◯ | ― | |
11インチiPad Pro | 第1世代 | ◯ | ◯ | ― |
第2世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第3世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第4世代 | ◯ | ◯ | ― | |
10.5インチiPad Pro | ― | ― | ◯ | |
9.7インチiPad Pro | ― | ― | ◯ | |
iPad Air | 第3世代 | ― | ― | ◯ |
第4世代 | ◯ | ◯ | ― | |
第5世代 | ◯ | ◯ | ― | |
iPad mini | 第5世代 | ― | ― | ◯ |
第6世代 | ◯ | ◯ | ― | |
iPad | 第6世代 | ― | ― | ◯ |
第7世代 | ― | ― | ◯ | |
第8世代 | ― | ― | ◯ | |
第9世代 | ― | ― | ◯ | |
第10世代 | ― | ◯ | ◯ |
値段・機能・対応機種、そして「どんな使い方」か
「Apple Pencil(USB-C)」が登場したことで、ユーザーにとって、選択肢が更に広がった。
ここまで、値段や機能、対応機種についてご紹介してきたが、やっぱり「どんな使い方をするか」が、一番大切なところ。
筆者は、こうしてテキストを書いたり、ほかの人が執筆した原稿に目を通したりする立場だが、iPadとApple Pencilを使う場合はメモを取るなど、文字を書くことが圧倒的に多い。異なる業種にお勤めの方でも、似たような使い方になる方はそれなりにいらっしゃるだろう。
そんな筆者はこれまで第2世代を使ってきたが、次に買うならこれだなと感じさせたのは「Apple Pencil(USB-C)」だ。
自分だけではなく、教育アプリ・知育アプリも充実しているiPadということを考えると、価格面でも「Apple Pencil(USB-C)」は有力な選択肢。
一方で、やはりイラストなどクリエイティブにiPadを使うという人なら圧力検知の有無は重要視されるように思える。ここでも、子供に絵画を描く楽しみをiPadで、と考える人は「Apple Pencil(第2世代)」を選ぶことになりそう。
これから筆者が、ホリデーシーズンとして、これから人にプレゼント(あるいは自分へのご褒美)としてApple Pencilを買う人に出会うなら、お値段だけではなく、用途や機能の違いなどがポイントだよ、とお伝えしていきたい。