レビュー

終了するドコモ「d払い(iD)」はどんなサービスだった? iDやd払いとどう違う?

 NTTドコモのキャッシュレス決済サービス「d払い」のサービスのうち、「d払い(iD)」が順次終了する。4月以降、有効期限が更新されなくなるため、少なくとも有効期限を過ぎると利用できなくなる。

 一方で、同じ「d払い」のカテゴリーの中で、同じiDの仕組みを使った決済「d払いタッチ」が1月から始まっている。店頭の支払い方法も「iDで」の宣言で行うもので、「d払い」なのに「iD」という文言が入っていたり、今度は「タッチ」が出てきたりするなど、クレジットブランドの「iD」や、スマホ決済の「d払い」、あるいは登場したての「d払いタッチ」の方が終了してしまうと思っている方がいるかもしれない。

「d払い(iD)」とは

 「d払い(iD)」は、2019年に「dカード mini」から改称されたサービスで、「dカード mini」時代は、名前の通りドコモのクレジットカード「dカード」の一種のように扱われていた。仕組みとしては、後述するようにクレジットカードそのものではなく「携帯電話料金との合算払い」でありながら、iD対応の店舗で”かざして支払える”というものだった。

 「d払い(iD)」では、スマートフォンやフィーチャーフォンのおサイフケータイ機能を利用し、iD決済すると、ユーザーの携帯料金とあわせて支払う形で決済できる。ドコモユーザー以外は利用できない。また、現在はAndroidスマートフォンの対応機種でのみ利用できる。

 「d払い(iD)」への変更時は、第2段階で実施する内容として「ウォレット残高による支払い、iOSへの対応」を実施すると案内していたが、これらは未対応のまま、「d払いタッチ」がスタートし、今回の終了に至っている。

「iD」はドコモのクレジットブランド

 「d払い(iD)」の「iD(アイディー)」は、2005年に誕生したドコモのクレジットブランドだ。

 いわゆるクレジットカードは、カードを発行するイシュア(発行事業者)、加盟店を開拓管理するアクワイアラと呼ばれる企業があり、さらにブランドと呼ばれる存在があり、クレジットブランドとしてはVISAやJCBといった存在もある。

 今回、「d払い(iD)」というサービスは終了していくことになるが、iDはまったく別であり、今後もiDは存在していく。

「d払い(iD)」と「d払いタッチ」の違い

利用できるユーザー

 「d払い(iD)」では、ドコモの電話料金との合算払いのみだったため、ドコモユーザー以外は利用できなかった。

 「d払いタッチ」は、d払いの支払い方法で決済できるため、d払いユーザーであれば利用できる。

支払い方法

 「d払い(iD)」では、先述の通り「iD」の加盟店で「iDで支払います」と”iD宣言”すると支払える。

 決済した料金の支払い方法は、ドコモの電話料金との合算払いのみ対応している。

 「d払いタッチ」でも同様に、「iD」加盟店で「iD宣言」すると利用できる。これに加え、d払いアプリ上で発行できる「d払いバーチャルカード」を使えば、オンライン上のVisa加盟店で利用できる。iPhoneの場合は、Apple Pay上にカードを登録すればVisa加盟店でのタッチ決済も利用できる。

 決済料金の支払いは、電話料金合算払いに加え、d払い残高やdカードから支払うことができる。dポイントも利用できる。なお、dカード以外のクレジットカードは利用できない。

対応機種

 「d払い(iD)」は、Androidスマートフォンのみ対応。

 「d払いタッチ」は、Androidスマートフォンに加えiPhoneでも利用できる。また、Google PayやApple Payにも対応している。

 なお、どちらもおサイフケータイ(FeliCa)機能の搭載が必要。

dポイントの利用可否

 「d払い(iD)」は、dポイントの使用はできないが、決済利用で利用額の0.5%分(200円ごとに1ポイント)積算される。

 「d払いタッチ」では、dポイントを使用して決済できる。決済利用では、dポイント利用分を除く利用額の0.5%(200円ごとに1ポイント)積算される。dカード利用時は、+0.5%の合計1%(200円ごとに1ポイント)積算される。

月間の利用限度額

 「d払い(iD)」の利用限度額は、5000円、1万円、3万円の3段階で設定される。限度額内であれば、ユーザー自身で1000円単位の上限設定ができる。

 「d払いタッチ」の利用限度額は、決済料金の支払い方法により異なる。

 携帯料金合算払いの場合、20歳未満のユーザーは最大1万円まで、20歳以上のユーザーは最大10万円までの金額で設定される。

 d払い残高からの支払いの場合、残高分まで利用できる。残高の受け入れ限度額は100万円。

 dカードからの決済時は、dカードの利用限度額に準じる。

「d払いタッチ」への移行を案内

 先述の通り、ドコモは「d払い(iD)」カード情報の有効期限更新を3月で終了し、有効期限満了で利用できなくなる。同社では、「d払いタッチ」への移行を案内している。

 有効期限満了前に利用を終了する場合は、カード情報を設定した際のSIMカード(UIMカード)を差し込んだうえ、iDアプリから解約できる。解約の際は、ネットワーク暗証番号が必要となる。