レビュー
終了するドコモ「d払い(iD)」はどんなサービスだった? iDやd払いとどう違う?
2024年4月5日 00:00
NTTドコモのキャッシュレス決済サービス「d払い」のサービスのうち、「d払い(iD)」が順次終了する。4月以降、有効期限が更新されなくなるため、少なくとも有効期限を過ぎると利用できなくなる。
一方で、同じ「d払い」のカテゴリーの中で、同じiDの仕組みを使った決済「d払いタッチ」が1月から始まっている。店頭の支払い方法も「iDで」の宣言で行うもので、「d払い」なのに「iD」という文言が入っていたり、今度は「タッチ」が出てきたりするなど、クレジットブランドの「iD」や、スマホ決済の「d払い」、あるいは登場したての「d払いタッチ」の方が終了してしまうと思っている方がいるかもしれない。
「d払い(iD)」とは
「d払い(iD)」は、2019年に「dカード mini」から改称されたサービスで、「dカード mini」時代は、名前の通りドコモのクレジットカード「dカード」の一種のように扱われていた。仕組みとしては、後述するようにクレジットカードそのものではなく「携帯電話料金との合算払い」でありながら、iD対応の店舗で”かざして支払える”というものだった。
「d払い(iD)」では、スマートフォンやフィーチャーフォンのおサイフケータイ機能を利用し、iD決済すると、ユーザーの携帯料金とあわせて支払う形で決済できる。ドコモユーザー以外は利用できない。また、現在はAndroidスマートフォンの対応機種でのみ利用できる。
「d払い(iD)」への変更時は、第2段階で実施する内容として「ウォレット残高による支払い、iOSへの対応」を実施すると案内していたが、これらは未対応のまま、「d払いタッチ」がスタートし、今回の終了に至っている。
「iD」はドコモのクレジットブランド
「d払い(iD)」の「iD(アイディー)」は、2005年に誕生したドコモのクレジットブランドだ。
いわゆるクレジットカードは、カードを発行するイシュア(発行事業者)、加盟店を開拓管理するアクワイアラと呼ばれる企業があり、さらにブランドと呼ばれる存在があり、クレジットブランドとしてはVISAやJCBといった存在もある。
今回、「d払い(iD)」というサービスは終了していくことになるが、iDはまったく別であり、今後もiDは存在していく。
「d払い(iD)」と「d払いタッチ」の違い
利用できるユーザー
「d払い(iD)」では、ドコモの電話料金との合算払いのみだったため、ドコモユーザー以外は利用できなかった。
「d払いタッチ」は、d払いの支払い方法で決済できるため、d払いユーザーであれば利用できる。
支払い方法
「d払い(iD)」では、先述の通り「iD」の加盟店で「iDで支払います」と”iD宣言”すると支払える。
決済した料金の支払い方法は、ドコモの電話料金との合算払いのみ対応している。
「d払いタッチ」でも同様に、「iD」加盟店で「iD宣言」すると利用できる。これに加え、d払いアプリ上で発行できる「d払いバーチャルカード」を使えば、オンライン上のVisa加盟店で利用できる。iPhoneの場合は、Apple Pay上にカードを登録すればVisa加盟店でのタッチ決済も利用できる。
決済料金の支払いは、電話料金合算払いに加え、d払い残高やdカードから支払うことができる。dポイントも利用できる。なお、dカード以外のクレジットカードは利用できない。
対応機種
「d払い(iD)」は、Androidスマートフォンのみ対応。
「d払いタッチ」は、Androidスマートフォンに加えiPhoneでも利用できる。また、Google PayやApple Payにも対応している。
なお、どちらもおサイフケータイ(FeliCa)機能の搭載が必要。
dポイントの利用可否
「d払い(iD)」は、dポイントの使用はできないが、決済利用で利用額の0.5%分(200円ごとに1ポイント)積算される。
「d払いタッチ」では、dポイントを使用して決済できる。決済利用では、dポイント利用分を除く利用額の0.5%(200円ごとに1ポイント)積算される。dカード利用時は、+0.5%の合計1%(200円ごとに1ポイント)積算される。
「d払いタッチ」への移行を案内
先述の通り、ドコモは「d払い(iD)」カード情報の有効期限更新を3月で終了し、有効期限満了で利用できなくなる。同社では、「d払いタッチ」への移行を案内している。
有効期限満了前に利用を終了する場合は、カード情報を設定した際のSIMカード(UIMカード)を差し込んだうえ、iDアプリから解約できる。解約の際は、ネットワーク暗証番号が必要となる。