レビュー

auで独占販売、ASUSのChromebook新モデル「CM30 Detachable(CM3001)」レビュー

10.5インチとコンパクトサイズのChromebook「ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001)」

 ASUSから10.5インチディスプレイと着脱式のキーボードなどが付属したChromebook「ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001)」(以下CM30)が「au +1 collection」から発売される。

 auオンラインショップでの価格は6万9800円。すでに教育機関・GIGAスクールに2024年度採用モデルとして、7月に発表済みのモデルだが、一般ユーザーも気軽に購入できるChromebookとなっている。

ディスプレイとサイズ

 ディスプレイサイズは10.5インチで、解像度は1920×1080ドットの液晶パネルを採用。光沢のあるグレアタイプとなっており、若干映り込みが気になる。

 本体サイズは背面のスタンド付きカバーとデタッチャブルキーボードを外した状態では、約259.5(W)×169.2(D)×8.95(H)mmで重量は約614g。

スタンド付き背面カバーとキーボードを装着した状態
背面カバーとキーボードを外せば約614gなので、手持ちでタブレットとして使っても疲れない
背面カバーは真ん中で折れるようになっており、スタンドとして使える
動画を見る際に自立させられるのは便利

 両方とも装着した状態では約267.76(W)×177.5(D)×14.65(H)mmで、重量は約868gとなっており、キーボードを装着した状態でも1kgを切る重さ。10.5インチサイズということもあり、ノートPCとしては非常にコンパクトなため、カバンなどに入れやすく、持ち運びやすい。

背面カバーとキーボードを装着した状態だと、厚さは約14.65(H)mm

サクサク作業できる

 プロセッサーにはMediaTek製のKompanio 520を採用し、メモリーは4GB(LPDDR4X-3600)、内蔵ストレージは64GB(eMMC)。

 使用した感じでは、ウェブサイトの閲覧や、テキストの編集といった作業は特にモッサリとした印象は受けず、サクサクと作業ができた。またYouTubeの動画再生も問題なく行えたので、ライトなビジネス向けや、メディアビューワーのタブレットといった利用シーンにピッタリだ。

アウトカメラは約503万画素
インカメラもアウトカメラと同じく約503万画素

 本体内蔵のバッテリーは約38Wh(3.7V電圧での換算で約10270mAh)。Wi-Fi接続でYouTubeの4K動画を連続再生したところ、約4時間40分の駆動時間だった。本体の輝度を最大にした状態でテストしており、液晶ディスプレイなので、バックパネルの消費電力が影響している可能性が高く、長時間充電なしで使うなら、輝度の調整などが必要そうだ。

付属の充電器は45Wの出力。プラグが折りたたみ式ではないのが残念

 前述のようにスタンド付きカバーとデタッチャブルキーボードが付属している。それぞれマグネットで本体にくっつくため、取り外しやすい。クラムシェルスタイルで作業をしたり、キーボードを取り外し背面のスタンドカバーで自立させ動画を見たり、カバーとキーボードを外して手持ちの状態でタブレットとして電子書籍を読んだりと、さまざまな使い方ができる。

キーボードは引っ張れば簡単に取り外せる
背面カバーもマグネットで貼り付いており、使っていて簡単に外れることはないが、取り外しはしやすい

タッチ操作できるディスプレイ、ペンも取り出しやすく

 ディスプレイはタッチパネルのため指で触って操作できるほか、本体にはスタイラスペンも内蔵している。本体から取り出す際には、プッシュ式のボタンになっているので簡単に取り出せる。

ディスプレイはタッチ操作に対応

 実は、筆者は前モデルの「ASUS Chromebook Detachable CM3 (CM3000)」を所有している。このモデルもスタイラスペンを内蔵しているが、爪で引っかけて取り出すタイプで、かなり取り出しや収納が堅く不評だったが、新モデルは改良されているのはうれしいポイントだ。

本体にスタイラスペンを装備
本体上部の縁にある黒い部分を押すとスタイラスペンが出てくるシステム

 スタイラスは4096の筆圧レベルに対応し、傾き検知は最大55度と高精細。実際に使ってみると非常に書き心地がよい仕上がりになっている。

 ちなみに、本体にセットするとスタイラスペンの充電が自動で行われるので、使用する際に充電する必要はほぼない。万が一、スタイラスペンの充電がなくなっても、15秒の充電で約45分使用できるのですぐに使える。

ペンを取り出すと、専用のメニューが表示される
書き心地は実際の紙とペンにかなり近いレベル

キーボードやインターフェイスの使い心地

 付属のキーボードはディスプレイカバーを兼ねている。10インチクラスということで、若干厳しいレイアウトにはなっているものの、キーストロークは1.5mmあり、この手のキーボードとしてはタイピングしやすい。

付属のデタッチャブルキーボード

 こういったデタッチャブルタイプのキーボードは別売というケースも多いが、CM30は製品同梱なので、追加購入する必要が無いのはありがたい。

キーストロークは1.5mmでタイピングしやすい
タッチパッドも作業しやすい十分な広さがある

 電源ボタンや音量ボタン、充電用のUSB Type-Cといったインターフェイス類は、本体左側面に配置。Type-C端子は映像出力にも対応(最大1920×1080ドット)しているので、対応するディスプレイがあれば、自宅では大きな画面に出力して使用したり、プロジェクターにつなげてプレゼンするといった使い方もできる。

本体右側面
本体左側面には、左からSIMスロット、電源ボタン、音量ボタン、イヤホンジャック、Type-Cを装備

LTE対応

 本製品最大の特徴と言えるのが、SIMスロットを搭載し、単体でモバイル通信が可能なこと。SIMスロットも本体左側面にあり、サイズはnanoSIM。またeSIMにも対応している。ただし5Gには残念ながら非対応でLTEまで。LTEの対応バンドはB1/B3/B8/B18/B19/B26/B28/B39/B41/B42だ。

単体でLTEでのモバイル通信が可能

Androidスマホとの連携も

 同じGoogle製のOSということもあり、ChromebookはAndroidスマートフォンとの連携機能が秀逸。

スマートフォンハブで、Androidスマートフォンとの連携が可能

 スマートフォンハブの設定で、Androidスマートフォンと連携させると、Chromebook上にスマートフォンの通知が表示されたり、そのメッセージへ返信が可能。スマートフォンで撮影した写真の取り込みも行える。

 さらにCM30では、ChromeOS 115からサポートしている最新機能「アプリストリーミング機能」にも対応。スマートフォン側も対応している必要があるが、この機能を使えばスマートフォンの画面をCM30のディスプレイ上に表示して操作可能となる。LINEのよう1デバイスでしか使えないアプリなどをCM30で使え、しかもCM30のそばにあればカバンなどから取り出す必要もないので便利だ。

スマートフォンの画面をCM30のディスプレイに表示して操作できる「アプリストリーミング機能」

 PCやタブレットなど様々なシーンで活用でき、軽量コンパクトで、さらに単体でのモバイル通信が可能なCM30。機動性は抜群なので、移動が多く外出先で使う機会が多いユーザーにはオススメの製品だ。