レビュー
「AQUOS zero6」「AQUOS sense6」、実機に触れて気づいた細かな違い
2021年10月1日 00:00
シャープは9月28日に、Androidスマートフォンの新機種として「AQUOS zero6」「AQUOS sense6」を発表した。
約146gの驚異的な軽さが特徴のAQUOS zero6と、人気の「sense」シリーズの最新モデルとなるAQUOS sense6。本誌で過去にご紹介したとおり、共通化された部分も多い兄弟モデルだ。
「AQUOS zero6」と「AQUOS sense6」は、カメラで同じハードウェアを用いつつ、画質エンジンといったソフトウェアも共通化されている。
異なる位置づけのモデルを、ここまで共通化したのはシャープとしては初めて。
ただ、カメラ以外では、構造面などでは「AQUOS zero6」は軽量化に注力しており、「AQUOS sense6」とは異なる設計となる。共通化できる部分と差別化すべき部分が意識された兄弟モデルと言えそうだ。
すでにそれぞれの機種のクイックフォトレビューもお届けしたが、両モデルに触れてみて、細かな違いがいくつかあることに気づいた。本記事では、それらの違いにフォーカスを当ててご紹介する。
外観の違い
まず外観に注目すると、AQUOS zero6は背面・側面ともに光沢のあるメタリック調の仕上がりになっている。それに対して、AQUOS sense6はサラサラとした質感だ。
手にしてみると、約146gのAQUOS zero6はもちろんだが、約156gのAQUOS sense6の軽さにも驚いた。毎日持ち歩くことを考えると、この軽さは大きなアドバンテージになると言えるだろう。
端末の側面に目を移すと、イヤホンジャックの位置が異なることに気づく。AQUOS zero6は端末の上部にイヤホンジャックがあるのに対し、AQUOS sense6では下部に位置する。
ちなみに、AQUOS zero6はステレオスピーカーを搭載しているが、AQUOS sense6はモノラルスピーカーという違いがある。
両機種とも、端末の左側面にSIMトレーを搭載している。トレーの横に小さなくぼみがあり、爪などを引っかけてトレーを取り出せるしくみだ。
そして、端末の右側面に搭載されたボタン類の位置が、最もわかりやすい違いと言えるかもしれない。
AQUOS sense6との比較で、AQUOS zero6のボタン類は中央に寄ったかたちで配置されている。
この理由が気になったためシャープの担当者に確認したところ、「AQUOS zero6では5Gのミリ波のモジュールを搭載しており、そこにボタン類を配置できなかったため、やや中央寄りになっている。ただ、どちらの機種も(シャープが)最適と判断した位置にボタンを配置した」とのこと。
AQUOS zero6はAQUOS sense6と異なり、AQUOSシリーズとして初めて5Gのミリ波に対応している。このモジュールの位置が、ボタン類の配置に影響したようだ。
カメラ
本記事冒頭の引用でお伝えしたとおり、AQUOS zero6とAQUOS sense6のカメラは、ハードウェアとして同じものを用いている。
また、「AQUOS R6」のカメラ画質技術を応用したという新画質エンジン「ProPix3」を搭載している点も共通だ。
ただし、両機種には異なるポイントもある。それが、AQUOS zero6にのみ搭載されている暗所専用のToFセンサー(レーザーAF)だ。実際にアウトカメラを見比べてみると、たしかにAQUOS zero6のアウトカメラの下部にだけ、ToFセンサーが位置しているのがわかる。
また、細かな違いではあるが、FeliCa(おサイフケータイ)の位置も微妙に異なる。AQUOS zero6ではアウトカメラのななめ下に位置しており、AQUOS sense6ではアウトカメラのちょうど中央に位置するようなかたちとなっている。
シャープの担当者によれば「チップセットは、AQUOS zero6が『Snapdragon 750G 5G』で、AQUOS sense6が『Snapdragon 690 5G』。この違いが、カメラアプリのレスポンスなどの差として感じられるかもしれない」とのことだ。
ディスプレイ
最後にディスプレイを見てみよう。AQUOS zero6のディスプレイサイズは約6.4インチで、AQUOS sense6は約6.1インチ。
ディスプレイ自体のサイズは違うが、ベゼルの厚さなどはほぼ変わらないような印象を受けた。
大きな違いは、それぞれのディスプレイのセールスポイントだろう。240Hz駆動でゲームはもちろん、ゲーム以外のアプリでもなめらかな表示を実現するAQUOS zero6のOLEDディスプレイ。
一方でAQUOS sense6は、「AQUOS sense」シリーズとして初めてIGZO OLEDディスプレイを搭載した。省電力性に優れており、バッテリー持ちはAQUOS sense6に一日の長があると言える。
AQUOS zero6はauとソフトバンクから10月上旬以降に発売され、AQUOS sense6はNTTドコモとauから11月上旬以降に発売される。
共通化された部分が数多くありながら、それぞれ異なったセールスポイントを持っている機種だけに、どちらを購入するかじっくり迷ってみるのも良さそうだ。
項目 | 内容 |
OS | Android 11 |
サイズ/質量 | 約73×158×7.9mm/約146g |
CPU | Qualcomm Snapdragon 750G 5G |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 約6.4インチ フルHD+(2,340×1,080)有機EL |
アウトカメラ | 標準(約4,800万画素、F値1.8、画角79度) 広角(約800万画素、F値2.4、画角120度) 望遠(約800万画素、F値2.4、光学2倍) |
インカメラ | 約1,260万画素、F値2.3 |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Ver.5.1 |
バッテリー容量 | 4,010mAh |
防水/防塵 | IPX5・IPX8/IP6X |
生体認証 | 顔認証、指紋認証 |
その他の機能 | おサイフケータイ/NFC |
カラー | ブラック、ホワイト、パープル |
項目 | 内容 |
OS | Android 11 |
サイズ/質量 | 約70×152×7.9mm/約156g |
CPU | Qualcomm Snapdragon 690 5G |
メモリー | 4GB/6GB |
ストレージ | 64GB/128GB |
ディスプレイ | 約6.1インチフルHD+(2,432×1,080)IGZO OLED |
アウトカメラ | 標準(約4,800万画素、F値1.8、画角79度) 広角(約800万画素、F値2.4、画角120度) 望遠(約800万画素、F値2.4) |
インカメラ | 約800万画素、F値2.0 |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Ver.5.1 |
バッテリー容量 | 4,570mAh |
防水/防塵 | IPX5・IPX8/IP6X |
生体認証 | 顔認証、指紋認証 |
その他の機能 | おサイフケータイ/NFC |
カラー | ライトカッパー、シルバー、ブラック |