レビュー

「AQUOS zero6」「AQUOS sense6」、実機に触れて気づいた細かな違い

左が「AQUOS zero6」、右が「AQUOS sense6」

 シャープは9月28日に、Androidスマートフォンの新機種として「AQUOS zero6」「AQUOS sense6」を発表した。

 約146gの驚異的な軽さが特徴のAQUOS zero6と、人気の「sense」シリーズの最新モデルとなるAQUOS sense6。本誌で過去にご紹介したとおり、共通化された部分も多い兄弟モデルだ。

 「AQUOS zero6」と「AQUOS sense6」は、カメラで同じハードウェアを用いつつ、画質エンジンといったソフトウェアも共通化されている。

 異なる位置づけのモデルを、ここまで共通化したのはシャープとしては初めて。

 ただ、カメラ以外では、構造面などでは「AQUOS zero6」は軽量化に注力しており、「AQUOS sense6」とは異なる設計となる。共通化できる部分と差別化すべき部分が意識された兄弟モデルと言えそうだ。

シャープ「AQUOS zero6」「AQUOS sense6」はどんな機種? 開発者に聞くその特徴

 すでにそれぞれの機種のクイックフォトレビューもお届けしたが、両モデルに触れてみて、細かな違いがいくつかあることに気づいた。本記事では、それらの違いにフォーカスを当ててご紹介する。

外観の違い

 まず外観に注目すると、AQUOS zero6は背面・側面ともに光沢のあるメタリック調の仕上がりになっている。それに対して、AQUOS sense6はサラサラとした質感だ。

 手にしてみると、約146gのAQUOS zero6はもちろんだが、約156gのAQUOS sense6の軽さにも驚いた。毎日持ち歩くことを考えると、この軽さは大きなアドバンテージになると言えるだろう。

AQUOS zero6
AQUOS sense6

 端末の側面に目を移すと、イヤホンジャックの位置が異なることに気づく。AQUOS zero6は端末の上部にイヤホンジャックがあるのに対し、AQUOS sense6では下部に位置する。

 ちなみに、AQUOS zero6はステレオスピーカーを搭載しているが、AQUOS sense6はモノラルスピーカーという違いがある。

端末上部(上がAQUOS zero6、下がAQUOS sense6)
端末下部(上がAQUOS zero6、下がAQUOS sense6)

 両機種とも、端末の左側面にSIMトレーを搭載している。トレーの横に小さなくぼみがあり、爪などを引っかけてトレーを取り出せるしくみだ。

端末左側面(上がAQUOS zero6、下がAQUOS sense6)

 そして、端末の右側面に搭載されたボタン類の位置が、最もわかりやすい違いと言えるかもしれない。

 AQUOS sense6との比較で、AQUOS zero6のボタン類は中央に寄ったかたちで配置されている。

端末右側面(上がAQUOS zero6、下がAQUOS sense6)

 この理由が気になったためシャープの担当者に確認したところ、「AQUOS zero6では5Gのミリ波のモジュールを搭載しており、そこにボタン類を配置できなかったため、やや中央寄りになっている。ただ、どちらの機種も(シャープが)最適と判断した位置にボタンを配置した」とのこと。

 AQUOS zero6はAQUOS sense6と異なり、AQUOSシリーズとして初めて5Gのミリ波に対応している。このモジュールの位置が、ボタン類の配置に影響したようだ。

AQUOS zero6の内部。フックのような黒いパーツがミリ波のモジュールで、ミリ波が遮断されにくいよう角度をつけて格納されている

カメラ

 本記事冒頭の引用でお伝えしたとおり、AQUOS zero6とAQUOS sense6のカメラは、ハードウェアとして同じものを用いている。

 また、「AQUOS R6」のカメラ画質技術を応用したという新画質エンジン「ProPix3」を搭載している点も共通だ。

 ただし、両機種には異なるポイントもある。それが、AQUOS zero6にのみ搭載されている暗所専用のToFセンサー(レーザーAF)だ。実際にアウトカメラを見比べてみると、たしかにAQUOS zero6のアウトカメラの下部にだけ、ToFセンサーが位置しているのがわかる。

 また、細かな違いではあるが、FeliCa(おサイフケータイ)の位置も微妙に異なる。AQUOS zero6ではアウトカメラのななめ下に位置しており、AQUOS sense6ではアウトカメラのちょうど中央に位置するようなかたちとなっている。

左がAQUOS zero6、右がAQUOS sense6
AQUOS sense6のアウトカメラ

 シャープの担当者によれば「チップセットは、AQUOS zero6が『Snapdragon 750G 5G』で、AQUOS sense6が『Snapdragon 690 5G』。この違いが、カメラアプリのレスポンスなどの差として感じられるかもしれない」とのことだ。

ディスプレイ

 最後にディスプレイを見てみよう。AQUOS zero6のディスプレイサイズは約6.4インチで、AQUOS sense6は約6.1インチ。

 ディスプレイ自体のサイズは違うが、ベゼルの厚さなどはほぼ変わらないような印象を受けた。

左がAQUOS zero6、右がAQUOS sense6。どちらも、鮮やかなディスプレイの美しさを強く印象づける

 大きな違いは、それぞれのディスプレイのセールスポイントだろう。240Hz駆動でゲームはもちろん、ゲーム以外のアプリでもなめらかな表示を実現するAQUOS zero6のOLEDディスプレイ。

 一方でAQUOS sense6は、「AQUOS sense」シリーズとして初めてIGZO OLEDディスプレイを搭載した。省電力性に優れており、バッテリー持ちはAQUOS sense6に一日の長があると言える。

240Hz駆動をうたうAQUOS zero6
省電力性がセールスポイントのAQUOS sense6

 AQUOS zero6はauとソフトバンクから10月上旬以降に発売され、AQUOS sense6はNTTドコモとauから11月上旬以降に発売される。

 共通化された部分が数多くありながら、それぞれ異なったセールスポイントを持っている機種だけに、どちらを購入するかじっくり迷ってみるのも良さそうだ。

AQUOS zero6の主なスペック
項目内容
OSAndroid 11
サイズ/質量約73×158×7.9mm/約146g
CPUQualcomm Snapdragon 750G 5G
メモリー8GB
ストレージ128GB
ディスプレイ約6.4インチ フルHD+(2,340×1,080)有機EL
アウトカメラ標準(約4,800万画素、F値1.8、画角79度)
広角(約800万画素、F値2.4、画角120度)
望遠(約800万画素、F値2.4、光学2倍)
インカメラ約1,260万画素、F値2.3
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n/ac
BluetoothVer.5.1
バッテリー容量4,010mAh
防水/防塵IPX5・IPX8/IP6X
生体認証顔認証、指紋認証
その他の機能おサイフケータイ/NFC
カラーブラック、ホワイト、パープル
AQUOS sense6の主なスペック
項目内容
OSAndroid 11
サイズ/質量約70×152×7.9mm/約156g
CPUQualcomm Snapdragon 690 5G
メモリー4GB/6GB
ストレージ64GB/128GB
ディスプレイ約6.1インチフルHD+(2,432×1,080)IGZO OLED
アウトカメラ標準(約4,800万画素、F値1.8、画角79度)
広角(約800万画素、F値2.4、画角120度)
望遠(約800万画素、F値2.4)
インカメラ約800万画素、F値2.0
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n/ac
BluetoothVer.5.1
バッテリー容量4,570mAh
防水/防塵IPX5・IPX8/IP6X
生体認証顔認証、指紋認証
その他の機能おサイフケータイ/NFC
カラーライトカッパー、シルバー、ブラック

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