レビュー

「moto g PRO」クイックレビュー

スタイラスペン搭載、トリプルカメラの使い心地は

 10月30日、モトローラの新機種「moto g PRO」が発売された。価格は3万5800円(税抜)で、販路やキャンペーンによってはもう少し手頃な価格で提供されることもある。

 最大の特徴は本体右下に格納できるスタイラスペンだ。ビジネス用途に向けて、メモ書きなどをするケースに適したペンという形だが、本誌記事への反響も非常に高い注目される要素だ。

 今回はその外観や、スタイラスペンを使った動画、写真の作例などをご紹介しよう。

外観

 カラーバリエーションはミスティックインディゴの1種類のみ。見る角度によってグラデーションが明るい青~深い紺といった色に変化する美しい仕上がりだ。

 ディスプレイ上部の中央に1600万画素のインカメラを備える。ビジネス向けに高画素な自撮り? と思われるかもしれないが、ニューノーマル時代の今、ビデオ会議などに役立ちそうなスペックだ。

スタイラスペン

 最大の特徴となるスタイラスペンを、わずかな時間だが実際に使ってみた。

 ペンを抜くと画面右中央付近に専用メニューが現れる。いわゆるランチャーで、モトローラのメモアプリや、Google Keepへアクセスできる。この機能は設定でオフにすることもできる。

スタイラスの設定

 ペンの方式は開示されていない。ハイエンドな機種で採用されるようなペンには及ばないが、追随する速度はなかなか良く、ひっかかるような感覚はない。ただ、ほんの少しだが、遅れて描画される印象で、精緻な感覚を求める人は、もしかしたら、物足りなく思われるかもしれない。また細かな点だが、ペンの長さも人によって「短すぎる」「細すぎる」などしっくりこないことがあるかもしれない。

 しかし本来の用途である「ビジネスパーソン」の利用シーンを想像してみると、ちょっとしたメモや、資料への書き込みといった用途には過不足のない仕上がりと言ってよさそうだ。

トリプルカメラ

 g PROは、12MP(クアッドピクセルテクノロジー、48MP相当)、2MP(マクロ)、16MP(超広角)というトリプルカメラを搭載する。

 カメラ機能では、ポートレート、ナイトビジョン、マクロなどさまざまな機能が用意されている。それはメニューから呼び出すという流れ。

昼の高層ビルを切り取る
ガラス越しで撮影した夜景

 やや曇り空でも、花の色鮮やかな様子を記録できた。マクロを試してみると、確かにとても近い被写体には大きな違いがある。

 夜景は、明るく映し出され、満足できる一枚になる。もちろん等倍で見てみると、精細さに欠ける印象もあるが、SNSへの投稿などでは十分な実力と言える。

 ホームアプリ、操作メニューは一般的なAndroidスマホのもの。独自色は極めて薄いが、たとえば設定メニューのような縦長な場面でスクリーンショットを撮ると、表示されている範囲を超えて、縦長のメニュー全てを1枚に収める機能があるなど、「おっ?」と思わせる工夫もある。

 2020年秋の国内で販売されるスマートフォンのなかでは、かなりお手頃な価格のほうになる一台だが、さらにスタイラスペンという特徴を持ち、普通のスマホよりも楽しめる場面が多そう。

 逆にペンに興味がなく、割安なスマホを探している人は、同時発売の「g9 play」がいいかもしれない。

 モトローラのスマホとして今春の「g8」に続いて登場した今回、ペンという特徴にちょっと興味があるなら、まずは店頭でぜひチェックしてみて欲しい。