レビュー

ケータイ Watchスタッフが見る「Galaxy Fold」

 「Galaxy Fold SCV44」は、国内初のフォルダブルスマートフォン。au独占で、10月25日に発売される。価格は24万円台になる見込み。

 一見すると細身のスマートフォンながら、開くと7.3インチという大画面になる。「ケータイ Watch」編集部スタッフが見た「Galaxy Fold SCV44」とは。

編集部・関口

 ついにフォルダブルがやってきた! さっそく実機を手にした筆者、ここまで興奮したのは、正直かなり久々。手にしてみると、大画面の見やすさにとても心ひかれる。だったらタブレット……とならないのは、「持ち運ぶのが面倒だな」と感じてしまうためで、折りたためるメリットがダイレクトに響く。

 Webサイトも地図もカメラも、いろんなアプリが大画面に切り替わっただけで楽しくなってしまう。大画面を手軽に持ち運べるフォルダブルという新しい形は、やっぱり未来を感じさせて、これからのスタンダードはこうなるのか……! という想いがわき上がる。広い画面を活かして、3つのアプリを表示させて使うというのも、なんだか仕事に使えそうな気がしてくる。

 これまでのスマートフォンのレベル感を一気に振り切った価格帯や「アップグレードプログラムDX」対象外ということを考えると、スッと冷静になれそうだが、そのあたりを顧みず突っ走れる人こそ「Galaxy Fold」のオーナーにふさわしいのだろう。なかなか手は出ないが、これは楽しいスマホだ。

編集部・細田

 最初の海外発表からおよそ8カ月、情報としては既によく知られている機種だが、コンセプトモデルのような遠い存在と思っていたものが実際に手のひらの上で動いている衝撃は大きく、「なるほど、こうなっていたのか」と興味をそそられる部分が多い。

 谷折りのフォルダブルディスプレイに合計6つのカメラなど、唯一無二の特徴を備えた独創的なハードウェアで、基本性能や価格を含めて度肝を抜かれる一方、どんな使い方ができるか、どんなメリットがあるのかという点は未知数だ。

 2週間後の10月25日には待望のGalaxy Foldを日本でも購入できるわけだが、「普通のハイエンドモデル2台分の価格でも、どうしてもコレがいい!」と購入を決意している人々がどんな使い方を思い描いているのか、そしてどのように活用するのか、想像もつかない発見がありそうで話を聞いてみたくなった。

編集部・北川

 折りたたみできるスマートフォンがついに登場です。個人的にはカメラとして活躍しそうな予感がします。

 閉じればコンパクトなカメラ、開けば大画面のファインダーというのは筆者が個人的に感じていたコンパクトデジタルカメラの特徴(小さくて軽い、けど画面が小さくて見づらい)に対して、メリットを消すことなくデメリットを見事に解消しています。

 しかし、携帯電話としてはちょっと重いかも……。何に価値を感じるかによって評価が分かれそうな気がします。

編集部・大泉

 ついに実機に触れる機会が得られた「Galaxy Fold」。画面を開閉するとヒンジ部からはカチッと音が鳴り、ガラケーを開閉しているような懐かしい気分に。画面を閉じた時の本体の隙間はそれほど気にならなかったのですが、開いたときの画面の凹凸は操作していたり斜めから見るとやはり気になってしまいます。

 メインディスプレイを開いた状態での画面表示は、従来のGalaxyシリーズの画面をそのまま広げたような印象。メインディスプレイのアスペクト比は4.2:3(QXGA+)で、アプリを1つだけ使用している状態では先述の通りスマートフォンUIの画面を引き伸ばしただけのような見た目ですが、Galaxy Foldの目玉機能とも言える分割表示を利用すると違和感をほぼ感じることなく快適に操作できました。

 見た目による補正なのか、端末本体を手に持っていてもそれほど重さを感じなかったのは意外。厚さも通常のスマートフォンのほぼ2台分のはずですがこれもあまり気にならず、余裕で持ち運べるように感じました。個人で購入するには値段が値段ですが、新しいモノ好きなら一度は試してみる価値もありそうです。

編集部・石井

 Galaxy Note9を利用している筆者が、「Galaxy Fold」を持って最初に感じたのは「思っていたより軽い」ということ。Note9の仕様上の重さは約201gなのに対し、Foldの重さは約276g。数値上でみると明らかにFoldの方が重く感じるはずなのだが、折りたたんだ時の握りこめる大きさと、開いた時の薄さも手伝って、筆者は“軽い”印象を受けた。

 たとえば歴代のNoteシリーズは大画面を特徴としてきた。確かにメモを取る時は、大画面の方が書きやすいし、Note9の6.4インチのディスプレイでも足りないなと感じるときはある。ただこれ以上大きくすると、普段の操作性に影響を与える可能性もあり、Noteシリーズはこうしたジレンマがある。

 Foldのような機種で、Sペンを使って書き取れるようになれば、メモを取る時、イラストを描くときはより書きやすい大画面で、電車の吊革につかまるときなど片手操作が必要な時は、コンパクトな画面で使うことができる。このような機種が登場すれば、Noteシリーズのジレンマが解決するかもしれない。Galaxyのラインアップのひとつとして今後に期待したいところだ。

 やはり気になるのはお値段だが、Sペンが装備されてもう少しお求めやすくなったら筆者も検討してみようと思う。