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iPhoneのデータ移行はどうする? iOS 12.4以降なら簡単なワイヤレス移行方法も

 「新しいiPhoneを買ったんだけど、データ移行ってどうやればベストなの?」とiPhoneを買い替えると多くの方が抱くであろう疑問。実は、iPhoneでは簡単な操作でデータの移行ができるのだが、いくつか注意するべきポイントがあるので、ここではそのあたりを中心に解説していきたい。

最初のポイント

 まず注意いただきたいのは、データ移行するには移行先のiPhoneが「新品」もしくは「データリセット直後」である必要があることだ。まっさらなiPhoneが最初に起動するときに表示される初期設定手順でのみ、データ移行が行える。

 もしデータ移行せずに初期設定手順を終えてしまった場合は、再度、データリセットして初期設定手順に戻る必要がある。店頭でキャリア版iPhoneを買うと、接続確認などのために初期設定手順を終えられてしまうことがあるが、その場合、面倒でもデータリセットしてからデータ移行しよう。データリセットをすると当然データは消えてしまうので注意しよう。

3つの方法

 データ移行の方法は、大ざっぱに言うと「(1)パソコンのiTunes上のバックアップを使う」「(2)iCloudバックアップを使う」「(3)iPhoneからiPhoneへ直接」の3種類の方法がある。

 今回はもっとも簡単な(3)の方法を解説するが、こちらは2019年7月公開のiOS 12.4以降の機能となっている。たとえばホントにいま(2019年8月)iPhoneを買うと、そのiPhoneはiOS 12.4になってない可能性があるわけで、その場合はiCloudバックアップ経由でデータ移行するか、いったん初期設定手順をスキップし、OSをアップデートしてからデータリセットをかけてデータ移行しよう。

データ移行の手順は説明不要の簡単さ

 実際のデータ移行手順はいたって簡単だ。

データリセット直後のiPhone(右)の近くで移行元のiPhone(左)の画面を点灯させると、「新しいiPhoneを設定」という画面が表示される。ちなみにiPadからも移行可能だ

 新品のiPhoneあるいはデータリセット直後のiPhoneは、初回起動時のみ、初期設定手順の画面が表示される。この初期設定手順(クイックスタートまで手順を進めてもOK)が表示されているiPhoneに、移行元のiPhoneを置くと、写真のように「新しいiPhoneを設定」というウィンドウが表示されるので、そこで「続ける」をタップする。

 その後の手順としては、「移行先iPhoneに表示される三次元コードを移行元iPhoneで読み取る」「移行先のiPhoneで移行元iPhoneのパスコードを入力する」「データ転送の方法を選ぶ」「移行先iPhoneでApple IDのパスワードを入力する」「Face IDなどの初期設定」などが続く。多くが認証のための操作で、基本的に画面の指示に従えば難しいところはない。

移行先iPhoneに表示される3次元コードを移行元iPhoneで読み取る。このコードの正式名称は知らないけど、2次元のパターンがアニメーションしてるので3次元の情報量を持つナゾコードである
移行元iPhoneのパスコードを移行先iPhoneに入力して認証する。移行先iPhoneも同じパスコードが設定される。iPhoneのパスコードを忘れた場合はFBIでも復旧できないという噂なのでイロイロ諦めよう
データ転送方法の選択。直接転送の方が時間がかかるのは、iCloudバックアップに含まれない楽曲データなどを転送するためと思われる。移行元iPhoneもしばらく使えないので注意
Apple IDのパスワード入力も必要。こちらもパスワードを忘れると面倒なので管理には気をつけよう

 移行元・移行先のiPhoneがともにiOS 12.4以降だと、データ転送の方法として「iPhoneから転送」を選べる。後述するが、iCloudバックアップ経由よりも転送できるデータが若干多かったりするので、基本的にはこの方法がオススメだ。所要時間はデータ量によるが30分かからないくらいだが、転送中は両方のiPhoneが使えない状態になるので注意しよう

 また、データ移行が終わってもアプリがインストールされていない状態になるので、そこからアプリのインストールにさらに時間がかかる。大量のデータ通信をすることになるので、できればWi-Fiと電源のある環境で行うようにしよう。

移行できるデータ・できないデータ

 iPhoneにはさまざまなアプリにデータが保存されているわけだが、これらのデータ、データ移行をどのようにやるかによって、移行できたりできなかったりする。

 たとえばパソコンのiTunesでCDから取り込み、iPhoneに転送した音楽データは、iCloudバックアップ経由だと移行できないが、今回解説している「iPhoneから転送」だと、パソコンからの音楽データも移行できてしまう。実はここ、iOS 12.3以前と大きく変わったポイントだったりする。

 各アプリのデータは、移行できるものできないものがあり、ぶっちゃけ言うと「やってみないとわからない」という状態だ。移行できないアプリがけっこう多いので、とくにクラウド同期していないアプリについてはデータが移行できたか、できていないなら移行方法について確認しておこう。

 メジャーどころでとくに注意するべきはLINEだ。LINEは移行元の機種でバックアップや手続きを踏まないと、まっさらな状態に戻ってしまうこともある。あとはゲームアプリにはアカウント登録しないとセーブデータを移行できないものも多いので注意が必要だ。

 実はiPhoneからiPhoneにデータ移行する際、もっとも失敗しやすいのは、こうした各サードパーティ製アプリの設定やデータの移行だったりする。移行元のiPhoneでデータ移行の操作をしないとダメなアプリも多いので、iPhoneを機種変更する際には、移行元のiPhoneをすぐに処分したりデータリセットするのではなく、いったん手元に置いておいて、各アプリのデータ移行ができているかどうかをゆっくりとでも良いので確認するのがオススメだ。

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