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スマホと一体化した百貨店「枚方T-SITE」、5月16日にオープン
(2016/5/15 12:22)
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、大阪府枚方市の枚方市駅前に「枚方T-SITE」を5月16日にオープンする。14日には同社 代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏とトーンモバイル 代表取締役社長の石田宏樹氏が同施設内で開催されたプレスカンファレンスに登壇し、同施設のコンセプトやスマートフォン関連の取り組みなどを紹介した。
蔦屋書店創業の地のオープンしたT-SITE
枚方T-SITEは、蔦屋書店を軸に、雑貨やコスメ、飲食店など、43のライフスタイルショップが集合した大型商業施設。MVNOサービスの「トーンモバイル」のショップも設置されている。
同施設は、代官山、湘南に次ぐ3店舗目のT-SITEとなるが、枚方市駅前というスポットは1983年に蔦屋書店1号店をオープンした地とあって、増田氏の思い入れも強い。枚方市駅は、京阪本線沿線の駅としては京橋駅、淀屋橋駅に次いで乗降者数が多く、ベッドタウンとしての存在感が大きい。しかし、近くを流れる淀川が商圏を分断しており、デパート経営が難しいという。
増田氏は、「自分で作って自分で売るSPAモデル」「物を売るのではなくライフスタイルを提案すること」「個々の店舗への権限移譲」「データベースマーケティング」の4つの方向性で枚方T-SITEを成功に導きたいと語る。さらに、枚方T-SITEでは、半径2kmのお年寄り(プレミアエイジ)、親子、働いている人にターゲットを絞り、「食」を中心に日常生活を提案していく。今夏には生鮮食料品店もオープンする。
また、6階と7階には銀行が入居。増田氏によれば、資産を保有するお年寄りをターゲットに金融資産を増やすコンサルティング業務こそが生活提案になるとして、こうしたフロア構成にしたという。このほか、お年寄りのためのペットショップや電動自転車の専門店を近隣にオープンするという。
同氏は、プレミアエイジはあまりスマートフォンを持っていないとして、そこに対してスマートフォンを売っていきたいと語る。その役割を担うのがトーンモバイル(TONE)ということになる。
そのスマートフォン向けには枚方T-SITEの利便性を高めるアプリ「T-SITE Passport」が配信される。同アプリでは、周辺の駐車場の満空状況が調べられるほか、商品のバーコードを読み取ってネット上のクチコミ情報を参照したり、レストランを予約したりできる。増田氏はこれを「スマホと一体化した百貨店」と表現する。
「T-SITE Passport」アプリが目指す世界
続いて登壇した石田氏は、今後、「T-SITE Passport」の仕組みを枚方からスタートし、他のT-SITEに導入、さらに全国のTSUTAYAにパッケージとして提供していく方針を示した。
同氏によれば、在庫や商品レビューなどのデータベースを用いて店舗とネットを融合させるのがT-SITE Passportの狙いだという。クーポン配信などのデータベースによるオススメを通じて来店を促し、店内では商品との出会いを演出、さらに決済までをスマートフォンで実現する。決済については、当初は蔦屋書店でのみの利用となるが、夏には各テナントでも利用可能となる予定。
続いて石田氏はトーンモバイルの直近の動向を説明。契約者の55%がガラケー(フィーチャーフォン)からの乗り換えで最大となっており、iPhone(14%)、Android(13%)と続く。顧客満足度も高いとして、自社のサービスに対して自信を持っているとアピールした。
高い満足度の背景には充実したサポート体制の存在があるとされる。箱に置くだけで不具合を自動修復する「置くだけサポート」や店頭サポート、電話サポート、遠隔サポート、家族サポートと、さまざまな方法でユーザーを支える。端末を取り扱うフランチャイズ店舗の数は年内200店舗を目指すという。
また、石田氏はトーンモバイルが販売するAndroidスマートフォンの最新モデル「TONE(m15)」の新ファームウェアを近日公開する予定であることを明らかにした。
石田氏にインタビュー
本誌では、プレスカンファレンスの終了後、石田氏に気になるところをインタビューした。以下、その模様となる。
――他のトーンモバイルのお店と変えた部分はありますか?
石田氏
関西最初のT-SITEということで、やはりデザインということと、カメラのキタムラさんの隣の位置で、スマホと写真プリントはものすごく近い分野になりますので、そういったようなところの連携というのはあります。
これからのT-SITEの標準サービスになってきます「T-SITE Passport」というアプリが、ここではトーンモバイルの入会と同時にアプリのインストールが行われるという唯一の店舗となっていますので、実際のT-SITEをもっとTONEで楽しんでいただくということのサポートも行っている形になります。
――将来的にはカウンターの混み具合などもアプリで分かるようになったりするのでしょうか?
石田氏
鋭いですね(笑)。その辺は順次やっていく予定で、全てのお店の満空情報みたいなものを出していきたいと思います。サポートの予約サービスも1カ月後ぐらいから始める予定です。ここに来たらサポートを受けられるというのは、お客様にとってはものすごく安心感に繋がっていますので、自分が買ったクルーからサポートしてもらえるというのは大きいと思います。
――新ファームウェアを近日リリースするとのことですが。
石田氏
まだ詳細はお話しできませんが、結構大規模なアップデートを行います。主要なファンクションの部分が機能アップするような形になります。鋭意開発中でして、今月か来月にはリリースします。
――端末としては、1モデル1カラーという状況ですが、新色の追加などはありそうですか?
石田氏
それは今のところありません。そこはUNiCASEさんと一緒に作っています。UNiCASEさんにニーズに合わせたケースを作っていただいていますので、カスタマイズはそちらでどうぞ、ということになります。
――UNiCASEのCCCフロンティアやイオシスなど、スマートフォン周辺のCCCの関連会社が御社がいる代官山に集まってきましたね。何が始まるのでしょう?
石田氏
よくご存じで(笑)。みんな引っ越してきましたね。全部アートビレッジに集まってきました。歳も近いですし、よく飲みにも行っていろいろ話しています。フリービットとの融合も進んでいきます。今回のアプリもCCC、フリービット、トーンモバイルで開発したので、ここまでのクオリティに持って来られました。CCCが持っているデータベースやリアルの能力とフリービットが持っている技術がかなり融合してきています。
――ありがとうございました。