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トーンモバイル、佐賀県唐津市のサポート拠点を公開

佐賀県唐津市にあるサポート拠点「フリービットスマートワークス」(SiLK Hotlines)

 トーンモバイルは、佐賀県唐津市にあるサポート拠点「フリービットスマートワークス」(SiLK Hotlines)を報道関係者向けに公開した。同社の代表取締役社長 CEOで、フリービットの代表取締役会長でもある石田宏樹氏が、同施設を設置した目的などを説明した。

サポート拠点をイチから“発明”

トーンモバイル代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏

 同施設から車で15分ほどの場所で生まれたという石田氏。2007年にDTIを買収し、当時、赤坂にあったコールセンター機能を移設したことが発祥となる。「毎日発明する会社」をスローガンとするフリービットだが、同氏は「コールセンター自体、全て我々の発明によってできている」と語る。外部の業者に委託するのではなく、さまざまなシステムを一つずつ作り上げてきたという。

 同氏は、スマートワークスでの発明の一つとして、独自の採用システムを挙げる。スキルではなく、価値観の行動特性で採用の可否を判断。どういうものに興味を示すのか、どういうものに喜びを示すのか、といったコンピテンシーテストを軸に採用を決めることで、優秀なスタッフを確保できるとしている。また、唐津市、佐賀県との間で、このエリアでは競合を誘致しないという取り決めがあり、スタッフを引き抜かれる心配が無いという。

 同氏によれば、唐津でSIMカードを発行できるキャパシティ(枚数)は、月間17万枚とのこと。その能力を示すように、ロジスティックスセンターにはSIMカードが入った大量のダンボールが山のように積まれていた。

 また、店舗が混んできた時には、店頭と唐津のコンタクトセンターをテレビ電話で結び、手書きの申込書類を備え付けのスキャナーで読み取るなどして、遠隔で入会手続きが行える「Remote Crew」という仕組みも用意されている。同システムでは、入会手続きのみならず、端末到着直後や使い方が分からないという場合に、電話で話しながら遠隔操作で初期設定や設定変更するといったサポートサービスも提供している。

 石田氏は「これだけのインフラがあることで、CCCとの連携でできたTONEの事業をスムーズにスタートできた」と振り返る。TONEの前身となるフリービットモバイルを立ち上げてから、同施設が戦略的拠点となってきたという。TONEが掲げる「安全・安心」といったサービスの世界観を実現する上で欠かせない施設とも言える。以前は社外向けのOEMも行ってきたが、現在はほぼDTIとトーンモバイル専用のセンターとして稼働している。

 スーパーマーケット跡地を利用したという同施設。コールセンター機能に加え、ロジスティックスの役割も担っている。元スーパーマーケットということで、施設内にトラックの乗り入れが可能で、端末の搬入搬出が容易に行える。また、買い物客用の広い駐車場は、107名の従業員の駐車場としてそのまま活用できた。ちなみに、唐津市としては大規模な雇用となるため、近くのコンビニが特需ですぐに改装されたという。

内部の様子
検品作業
Remote Crewによるサポートの様子。ユーザーの端末の画面が左のPCに映し出され、遠隔操作で設定を変更できる
元スーパーマーケットということで、トラックがそのまま搬入口に乗り入れられる
左奥には大量のSIMカードのダンボール。月間17万枚のSIMカードの開通作業が行える
オリジナルデザインの交換カバーの作成過程も公開

フランチャイズ展開の本格化に備え、さらなる満足度向上を狙う

TONEが目指すポジション

 TONEの店頭販売は、CCC直営のTSUTAYA 13店舗で先行して行われているが、そこでフランチャイズ・パッケージが作り出され、その後、本格的にフランチャイズ展開されることになる。石田氏によれば、全国展開の本格化に備え、東京にもロジスティックスセンターを立ち上げる準備をしているとのこと。

 「組んでみてリアルの部分のTSUTAYAの展開力はすごい」と語る石田氏。同氏は「(フランチャイズの)パッケージ化はほぼ終了しており、ここから先の展開は早い。我々はサービスの開発や端末の開発に集中できる」と、CCCとの協業のメリットを説明した。

 石田氏は、端末については75%のユーザーが「満足している」と回答するなど、TONEの顧客満足度を高い水準に保てているとする調査結果を披露。中でも3Gで500~600kbpsに通信速度の制御をかけていることに対し、96%のユーザーが「満足している」と回答したとして、今後もアプリごとに細かく速度を制御するといった独自の技術開発に取り組んでいく考えを示した。

 同氏はまた、今後の課題として、満足度が79%で80%を切っている3G上でのIP電話の通話品質の改善を挙げており、こうした課題の解決を目指して準備を進めているとしている。

TSUTAYA福岡ビル店内に設けられたTONEの販売コーナー
中古端末も販売されている
受付カウンター
カウンターが埋まってしまった場合には遠隔申込が行える
手書きの申込書類をスキャンして手続きを進める

湯野 康隆