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「予約数は昨年から2割増」――ドコモ加藤社長が新iPhoneを強力アピール

 NTTドコモは9月25日、ドコモショップ丸の内店に併設のドコモラウンジで、iPhone 6s/6s Plusの発売記念セレモニーを開催した。イベントには、同社代表取締役社長、加藤薫氏のほか、CMキャラクターを務める女優の高畑充希が出席し、販売開始の8時に向け、カウントダウンを行った。

 カウントダウン後には、アップル製品発売時の恒例行事となっているハイタッチを実施。20名強が集まったユーザー1人1人と、加藤氏、高畑さんが手のひらを合わせ、喜びを分かち合った。発売日となる9月25日はあいにくの雨模様。例年は、ドコモショップ丸の内店の外で開催されていたイベントだったが、今年はドコモラウンジ内で行われた。

昨年と同様の“無造作ヘア”で登場した加藤氏
CMキャラクターを務める、女優の高畑充希も駆けつけた
集まったユーザーと一緒に並び、まずはカウントダウンの練習を行った
カウントダウンは10秒前から開始
発売の瞬間。掛け声とともに、紙テープが舞い散った
加藤氏、高畑充希がハイタッチでユーザーを出迎えた

 イベントは名古屋でも同時に実施され、ドコモショップ丸の内店とは中継がつながれた。名古屋会場にはSKE48のメンバーである須田亜香里、磯原杏華がゲストとして登壇。ドコモの東海支社長を務める、入江恵氏も出席した。

名古屋会場とも中継が結ばれた
名古屋会場のゲストは、SKE48の須田亜香里さん(左)、磯原杏華さん(右)

 この名古屋会場と、ドコモショップ丸の内店をつなぐために導入されたのが、「ハイタッチマシーン」。iPhoneをモチーフにしたという、巨大なディスプレイで東京会場のユーザーがSKE48のメンバーと中継を通じてハイタッチを行うという、少々不思議な光景も見られた。

iPhoneをモチーフにした、「ハイタッチマシーン」が導入された
ハイタッチマシーンのデモを行う加藤氏
東京会場のユーザーが、SKE48のメンバーと次々とハイタッチしていった

 このカウントダウンに先駆け、加藤氏はドコモの強みを改めて解説。LTEの2GHz帯(Band 1)と1.7GHz帯(Band 3)を組み合わせて、下り最大262.5Mbpsを実現するキャリアアグリゲーションを紹介しながら、「最高のiPhone 6sを、最高のネットワークでお楽しみいただきたい」と熱を込めて語った。

国内最速の262.5Mbpsをアピール
YouTubeから4K動画を読み込むデモも行われた

 現状の対応エリアは「東京、大阪、名古屋」(同)だが、これも「急ピッチで広げていきたい」(同)。ドコモによると、2015年度末までに1万8000基地局をキャリアアグリゲーションに対応させるという。

 また、加藤氏は、「ドコモにチェンジ割」や「ゼロから機種変キャンペーン」などの、キャンペーンも充実させたといい、自信を窺わせた。

 イベントの感想を求められた高畑充希は、「カウントダウンのようなイベントは初めてなので、ドキドキします」と率直な印象を語った。iPhone 6s/6s Plusの気に入った点は、「色」だといい、「ローズゴールドがあると聞いているので、女性は気になるのでは」と同モデルから追加された新色をアピールした。

集まったユーザーから1人が選ばれ、加藤氏から直接iPhoneを手渡された

加藤社長への囲み取材

 イベント終了後、加藤氏が報道陣の質問に答えた。主な一問一答は、次の通り。

報道陣からの質問に答える加藤氏

――予約状況はどうか。
 去年より多い。言ってしまうと、2割ぐらい多い状況。

――他社に流れたユーザーを引き戻せるか。
 前回も戻せたが、どんどん戻していきたい。

――カケホーダイ ライトプランは、組み合わせられるデータパックに制限がある。
 音声はあまり使わないが、データをたくさん使う方を対象にしていきたいと思っている。

――総理大臣から携帯電話料金が高すぎるという指摘があった。どうとらえているのか。
 なかなか難しい。10年間でいろいろな変化があったが、その中で一番大きなものがスマートフォン。できることが増えた。一方でドコモは新しい料金体系を作り、長く使っている方や若い方を応援している。それを理解していただきながら、お客さんの声にもう一度耳を傾けながら検討したい。我々も意見を申し上げながら、検討していくことになると思う。

――SIMロック解除の影響は。
 前々から(Androidなどで)やっていた。累計で大体30万ぐらいで、そこまでの影響はない。ただ、(iPhoneは)一番人気のある機種なので、これからを注視していきたい。

――1700円のプランに追従するのに、少し時間がかかった。何か悩みはあったのか。
 悩みがあったというより、(KDDIの料金プランが)突然出てきた。iPhoneの発表イベントのためにアメリカにいるときで、そのあと土日が挟まって、発表は水曜日にした。それほど遅くはないと思っている。

――今回のiPhoneは(本体価格が)高い。
 キャンペーンなどを入れながら、できるだけ安くなるような工夫は入れている。

――262.5MbpsのLTE Advancedは、iPhoneに向けて仕込んできたものか。
 LTEを充実させながら、広さとスピードを上げていくことはずっと続けてきた。キャリアアグリゲーションで300Mbpsは今年中に実現する。ネットワーク側の対応は進めており、それに対応した端末が出てくればスピードを体感できるようになる。長い時間をかけてここまできたが、一定の通過点を超えた。周波数を国から貸していただき、全体の工夫をしているところに、グローバルな端末であるiPhoneの対応周波数と偶然一致して、262.5Mbpsを実現できた。

――報道陣の注目は高いイベントだったが、肝心のお客さんが少ないのではないか。
 2年前はずいぶん並んでいただいた。前の日の寒い夜や暑い明け方などにご迷惑をおかけしないよう、予約を重視したい。今回は例年より発売までの期間が長かったので、その間、予約をたくさん取ろうとしてこういう結果になっていると思う。

――ツートップ戦略から2年経ち、Androidから乗り換えるという見方もあるが。
 すでにツートップからは2年が経っているので、一定の方々は乗り換えている。(iPhoneとAndroidには)それぞれいいところがあるので、お客さんも、よくお考えになって選んでいるのだと思う。数は言えないが、一定の定着状態にある。今回のiPhoneも、ユーザー目線の機能が充実して、ユーザーインターフェイスがとてもよくなっているので、(ユーザーは)悩まれるかもしれない。

――加藤社長は、何色にするのか。
 私はローズゴールドにする。女房も、これにすると言っていた。

石野 純也