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ソフトバンクとNetflixが提携、ショップ店頭で申込可能に
(2015/8/24 10:48)
ソフトバンクは、映像配信サービスを手がけるNetflix(ネットフリックス)と提携すると発表した。店頭において、Netflixのサービスをソフトバンクが独占提供する。
9月2日よりNetflixのサービスが日本でも利用できるようになる。あわせて同日より、ソフトバンク販売店でNetflixに加入申し込みできるようになる。10月以降に発売されるソフトバンクのAndroid端末には、Netflixのアプリがプリインストールされる。さらに日本向けオリジナルコンテンツの制作にソフトバンクが参画する。
ユーザー自身が直接、オンラインで手続きする場合はNetflixと直接契約する形。ソフトバンクショップや家電量販店での取り扱いがソフトバンクの独占になる。量販店では、ソフトバンクの携帯電話、光回線と一緒に売ることになる。ソフトバンク以外のユーザーは申し込めない。
ソフトバンク社長の宮内謙氏は、「Netflixは、クリエイティビティとテクノロジーをハイエンドにまとめたものだと思っている。テクノロジーは映像の世界にもやってきている」と語り、期待感を示す。また、Netflix日本法人代表のグレッグ・ピーターズ氏は「Netflix体験の始まりに過ぎない」と語った。
オリジナルコンテンツも用意
9月2日にサービスを開始すること自体は発表していたものの、その料金などは明らかにしてこなかった「Netflix」の正式な料金体系が今回、示された。ソフトバンク経由で申し込む場合、ネットで直接、Netflixを契約する場合、どちらも同じ料金でベーシックプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランが用意される。ソフトバンク宮内氏は、まず月額950円のスタンダードプランが中心となるものの、今後、4Kサイズの視聴環境が家庭に拡がれば、プレミアムプランが人気になる、と予想する。なお、ソフトバンク経由で申し込めるのはスタンダードプランのみ。
内容 | 月額料金(税抜) | |
ベーシックプラン | 画質:標準画質(SD) 同時視聴:1ストリーミング | 650円 |
スタンダードプラン | 画質:高画質(HD) 同時視聴:2ストリーミング | 950円 |
プレミアムプラン | 画質:超高画質(UHD 4K) 同時視聴:4ストリーミング | 1450円 |
ファイルサイズは、SD画質で1時間あたり0.7GB、HD画質で最大30GB。ULTRA HD 4K画質はスマートフォンでは利用できない。
これまで海外では、Netflix独自制作の映像コンテンツも配信されており、宮内氏は日本向けコンテンツの制作にソフトバンクも参画する意向を表明。具体的な内容は今後詰めるとのことだが、利用可能であればソフトバンクの持つビッグデータなどを活用していきたいとした。
配信されるコンテンツの数は明らかにされていない。
新たな体験もたらす、とアピール
説明会に登壇した、ソフトバンク代表取締役社長の宮内謙氏は、iPhoneなどこれまでソフトバンクは新しいテクノロジー、ソフトウェアを日本に持ち込んできており、直近ではロボットの「Pepper」、IBMとの「Watson」などに取り組んでいるとアピール。ただ、新しいビジネスモデルは、新たなテクノロジーの台頭により、いつ破壊されるかわからない、として、次々と新たな事業に参入する姿勢を示し、「Netflixと業務提携する」と高らかに宣言した。
続いて登場したNetflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏は、Netflixにとってソフトバンクは今後をともにするに、ふさわしいパートナーだと語る。
ピーターズ氏
「Netflixは、新たな体験をもたらす、という旅の途上にある。“未知なる何かを発見する”“あらたな世界に踏み入れる素晴らしい物語を我を忘れる”……こういう体験を共有してほしい。これを道しるべにしている。でもこれだけ野心的で大胆な目標をかかげるとなると、その道は驚きに満ちつつも、やはり不確実なものになる。そんな道を行く際には、パートナーが必要になる。そのパートナーには、革新的であくなく追求を見せる存在であって欲しい。不確実性をいとわず、チャレンジを乗り越えられない壁ではなくチャンス、たとえばコラボ、創造の機会ととらえてくれるパートナーがいい。ソフトバンクはまさにそういうパートナーだ」
そう述べたピーターズ氏は、日本でパートナーとともに事業を展開することになった背景として、「日本市場では無料のテレビが中心」ということが影響したのではなく、無料のサービスとはかなり異なるものであり、シンプルで加入しやすいこと、視聴しやすいことを紹介したいと思ったから、とした。
ソフトバンクのネットワークであれば、電車に乗っている間、スマートフォンで観賞しつつ、帰宅するとテレビで続きを観る、ということも簡単だと宮内氏は同社のネットワーク品質を紹介。また店頭での契約では、iPadで操作できるシステム(ジニー、GENIE)があり、簡単に手続きできるとする。またNetflixは視聴者行動の分析など、科学的なアプローチで映像配信を行っていると評価し、ソフトバンクにとって、iPhoneなどと同じく「新たなテクノロジーを日本へ導入する」という流れに続くもの、と位置付けた。
ソフトバンクが提供する、既存の映像配信サービス「UULA」については「音楽とのハイブリッドサービス。Netflixとは似て非なるもの」と宮内氏は語り、今後もUULAを継続して提供するとした。またUULAとのセット割は現在考えていないという。
ソフトバンクが得るメリットについて、細かな部分はノーコメント、としつつ、宮内氏は「両社の関係はWin-Winになることを目指した。僕らがたくさん売れば当然、僕らがWinになる(メリットを得る)。量販店との店頭では、光とスマホのセット割で、当社は相当のシェアを占めつつある。スマホだけではなく、テレビを購入するとき、Netflixに加入したいとなった場合、手続きが面倒なところ、ソフトバンク経由であればとても簡単に行える。ソフトバンク光の契約数も向上するだろうが、そうなると新しいビジネスモデルも生まれてくる。今後に期待している」と説明する。
会見後半には、タレント・評論家のデーブ・スペクター、芸人の品川庄司(品川祐、庄司智春)、モデルのダコタ・ローズが登場し、場を盛り上げた。