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日本通信×VAIOから「VAIO Phone」、5万1000円で

 日本通信とVAIOは、Android 5.0スマートフォン「VAIO Phone」を発表した。発売日は明らかにされていないが、近日とみられ、3月20日から出荷が開始される。日本通信の通販サイトでの一括価格は5万1000円(税抜、以下同)。12日に開催された発表会で取扱店は明らかにされなかったが、その後、イオンがVAIO Phoneを取り扱うとしている。

 当初、“VAIOスマホ”として案内された「VAIO Phone」は、Android 5.0搭載のスマートフォン。製造元は日本通信で、デザインを中心にVAIOが監修。今後はハードと通信を組み合わせた付加価値の提供を目指す。

 約5インチ、720×1280ピクセルのHDディスプレイや13メガCMOSカメラ(インカメラは5メガCMOS)を搭載。1.2GHz駆動のクアッドコアCPU、16GBのストレージに2GBのメモリを内蔵。バッテリーは2500mAhで、SIMカードはmicroサイズ。テザリングに対応する。約141.5×71×7.9mm、重さは約130g。

 一括購入のほか、24回払いの割賦が用意される。24回払いの場合、1GBの通信量と音声通話対応のSIMカードとセットで月額2980円(料金プランは980円)、上限なしの通信量と音声通話で月額3980円(同1980円)とされており、割賦で購入する場合、端末代は1回2000円になる。SIMカードはVAIO Phone専用になるとのこと。日本通信の直販サイトでの一括価格は5万1000円となっており、割賦と比べると3000円割増になっているように見えるが、この3000円は専用SIMカードのパッケージ代金となる。たとえばイオンでは端末単体を4万8000円と案内しつつ、SIMパッケージが別途3000円かかる、としている。

 SIMロックは施されておらず他社のSIMカードでも利用できるとのこと。またVAIO Phone専用とうたうSIMカードについて、日本通信広報によれば、他機種での動作を確認していないと説明。また他の端末でVAIO Phone専用SIMは利用できない。

プレミアムなスマホとして

 日本通信の三田聖二社長は「今回は格安ではなくプレミアムのスマートフォン。現在、iPhoneが市場のトップだが、もう1つのグローバルブランドで、アップルと対抗できるのはVAIO。そのVAIOと協力して本日、日本通信は大手キャリアができないことに踏み込みながら、わずか半年ほどで発表のはこびにこぎつけた」と胸を張る。

日本通信の三田社長(左)とVAIOの関取社長(右)

 同じく日本通信の福田尚久副社長は、国内のスマートフォンは、MVNOによるブランド力の弱い安価な端末と、キャリアが提供する高価なものに二極化されており、「ストライクゾーンに焦点を当てて投げていくのがVAIO Phone」と位置付ける。具体的な施策は明らかにされなかったが、今後は、自宅の電話番号をモバイルでも利用できるFMC(固定・モバイルの融合サービス)や、ヘルスケア、業務用途など、さまざまな企業と協力して拡充を図る、とした。5万1000円という価格は高額ではないか、という問いに福田氏は「トータルコストで見て欲しい」と述べ、月額利用料では割安とアピールする。

 VAIO代表取締役社長の関取高行氏は、「日本通信からデバイスと通信の組み合わせをもっとやろうじゃないかと提案、議論があった」と協業の背景を説明。ソニーから独立して創業間もない中でリソースも限られ、通信の技術も限定的、としつつ、「VAIOとしてはデザイン、一部のエンジニアリングの提供をしている」と説明。VAIO執行役員の花里隆志氏は、背面にガラス素材を採用しつつ、側面はマットな仕上げで質感を高めつつ、持ちやすさや触り心地にこだわった、とデザインのポイントを説明。短期間で開発したため、ゼロから開発したのではなく、OEM企業によるベースモデルがある状態でデザインを構築していったという。

 囲み取材での応答は、別記事でお伝えする。

関口 聖