ニュース

「グノシー」、予約や購買が可能なプラットフォームを提供へ

行動起点で「スマホポータルを再定義したい」

 Gunosyは、現在提供している情報キュレーションアプリ「グノシー」上で、さまざまなサービスの予約や購買が行えるプラットフォーム「Gunosy Platform」を提供すると発表した。第1弾として11社の14のサービスが参画し、12月以降、アプリ「グノシー」上で順次提供される。

「グノシー」上で、さまざまなサービスの予約や購買が行えるプラットフォーム「Gunosy Platform」を提供
「Gunosy Platform」に参画する企業とサービス

グノシーは「毎日、アクティブに使われれている」

 11日には都内で発表会が開催された。Gunosy 代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏からはまず、これまでの実績が紹介された。ニュースキュレーションアプリとして提供してきた「グノシー」は、直近では月間100万ダウンロードのペースでダウンロードされており、累計ダウンロード数が700万ダウンロードを突破。ニュース提供元となる提携媒体数は200以上で、このうち半数以上の媒体に月間100万ページビュー(PV)の送客を行っている。また、初めて明らかにするというアクティブユーザー率(DAUをMAUで割ったもの)は46%で、「毎日、アクティブに使われれているサービス」とした。

 広告主は過去3カ月で400社以上と急速に増加しており、広告として掲載した商品・サービスについても、ユーザーが広告経由で直接予約したり購入したりしたケースは累計100万件に上るとし、「後から検索して購入したというケースも含めると、この数倍から10倍の経済活動が行われていてもおかしくない。新戦略もここが根幹になる」と解説した。

Gunosyについて
ダウンロード数
提携媒体数
メディアへのPV数
アクティブユーザー率
広告主数
累計コンバージョン数

都市のような行動起点のポータル「Gunosy Platform」

 福島氏は同社の新戦略について、多くのユーザーにスマートフォンのアプリをインストールしてもらうことが実際にはなかなか難しいという点や、頻繁に利用するアプリは限られていると指摘し、「スマートフォンのポータルの再定義を行いたい」と語る。

 そこで発表されたのが、新たな同社のコンセプトになる「Gunosy 5000万都市構想」と、具体的なサービスの「Gunosy Platform」となる。

「Gunosy 5000万都市構想」を発表するGunosy 代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏

 これは、ユーザー数5000万を大きな目標にしつつ、さまざまなサービスの利用や行動の起点になる「街」のようなポータルを目指すというもの。「生活に近いサービスを誘致し、グノシーを楽しい街にしていく。簡単に買えて、予約できる、都市のようなサービスにする。記事を見て、アクションができたらいいのではと考えた。グノシー内で予約・購買ができ、簡単にプランが比較できる。(多くのサービスが抱える)見つけてもらえないというディスカバリー問題を、グノシーのパワーで解決する」コンセプトや具体的なメリットを示された。

 福島氏からは新サービスや新構想を踏まえて、今後の具体的な目標も掲げられた。「グノシー」アプリのダウンロード数の目標は、2015年2月に1000万ダウンロード、2015年10月には2000万ダウンロードとしたほか、提携メディアへの送客(PV数)は月間500万PV、提携企業数は500社以上、新サービスによる決済などの取引件数は月間25万件以上を目指すとした。

パソコンを中心としたような、これまでのユーザーの行動分析
スマートフォンで目指すユーザーの行動
「Gunosy Platform」
「Gunosy Platform」で都市のような行動起点のポータルを目指す
2015年10月に2000万ダウンロードの目標
PVや提携企業数、取引は月間25万件という具体的な目標も

UIを変更、トップに「プラットフォーム」が常駐可能に

 「Gunosy Platform」の具体的な紹介は、Gunosy 取締役 最高執行責任者の竹谷祐哉氏から行われた。竹谷氏は「ユーザーが興味・関心を持った時点ですぐにアクションに繋げられるような場を提供したい」とプラットフォームの特徴と語り、これまでのようにユーザーの自主的な検索や能動的な行動に頼る設計では、途中での離脱や分断が起こりやすく課題が多いと指摘する。

Gunosy 取締役 最高執行責任者の竹谷祐哉氏。「Gunosy Platform」に参画する企業を「G Development」として拡大させていく

 「Gunosy Platform」が提供されることで、アプリ上の見た目は、「Gunosy Platform」にアクセスするための「チャンネルボタン」が画面上に常駐する形になる。チャネルボタンでアクセスした先には、ユーザーの興味・関心に最適化された内容が表示される。

 竹谷氏からは、すでにチャネルパートナーとしてこれまでも同様のコンテンツ追加に取り組んできたことが紹介されたが、タブを追加するという従来のユーザーインターフェイスでは、タブ間を何度も移動しなければならず、「媒体にトラフィックを返せなかった」と課題があったと認める。一方、新サービスでは「プラットフォーム化によって(UIが変更され)解決される。トップページに常駐し、700万のユーザーを、強烈に、ダイレクトに送客できる」と自信を見せる。

 また、ニュース以外のコンテンツを大々的に扱うのも大きな特徴で、「マンガを呼んだり、ラジオを聞いたり、フラッシュセールに参加したりできる」とする。旅行や宅配クリーニングの申し込みなどを含め、エンターテイメント、クーポン、生活系など、さまざまなサービスがグノシー上で簡単に利用できるようになるという。

 また、企業側にとっても、ユーザーにフォローされると関係を継続できるというメリットがあるとし、「あらゆる領域でパートナーを探している」と呼びかけた。

 竹谷氏は、「これまでニュースキュレーションアプリという顔だったが、プラットフォーム化を機に、情報キュレーションアプリに変わっていく」と方針を説明。「改めて、スマホポータルの再定義を行っていく」と意気込みを語った。

スマートフォンにおいても、これまではユーザーが検索する能動的なアクションが必要
情報に接触し、興味を惹かれたら、すぐに行動できるとする
アプリ「グノシー」のUIの変更。トップにチャンネルボタンが常駐する
コンテンツからの購買の遷移イメージ
企業側が通知を配信したり、チャット形式で具体的にプランを詰めていくことも可能
発表会ではトークセッションも開催され、現在の課題や新しいプラットフォームへの期待が語られた

太田 亮三