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NFC対応スマホで使える「Visa payWave」、9月開始

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、三井住友カードは、NFC対応のスマートフォン向けに、かざすだけで決済できるサービス「Visa payWave」を9月より開始すると発表した。

 「Visa payWave」は、かざすだけで通信できる近距離無線規格「NFC」に対応したクレジット型決済サービス。9月からはNFC対応スマートフォンでも利用できるようになる。発行対象は、満20歳以上で三井住友カード発行のVisaカードを所有するユーザー。申込は準備が整い次第、会員専用サイト「Vpass」で受付が開始される。アプリはGoogle Playからダウンロードできる。

 対応機種はドコモ、au、ソフトバンクモバイルのNFC対応スマートフォンで、なおかつNFCによる決済サービス対応機種、計31機種となる。三井住友カードによれば、3キャリア以外のNFC対応スマートフォンについては、現在は対応していないとのこと。圏外でも決済できる形で、バッテリーは電力が残っていれば端末の電源がオフでも決済は利用できる。ただしバッテリーを外したり、電力を使い果たしていたりした場合は動作しない。

 「Visa payWave」自体はこれまで、NFC搭載のプラスチックカードで利用できるサービスとして、主に海外41カ国で利用できるようになっていた。国内では最近になって導入が開始されているものの、ヨドバシカメラやビックカメラの一部店舗など、利用できる場所はまだ限られている。海外では、マクドナルド(米国、オーストラリア、英国)、スターバックス(シンガポール、香港など)で導入されているという。このため、当面は海外へ渡航するユーザーがメインターゲットになるとのこと。国内の加盟店開拓について、三井住友カードでは「現在、FeliCaとNFCに対応した端末を開発中。その準備が整えば日本での展開も本格化するのではないか」としている。

 日本では以前より「FeliCa」対応の決済サービスは利用できるようになっているが、9月より「Visa payWave」の発行が開始されることで、NFC対応スマートフォンで利用できる国内初の決済サービスとなる。サービス開始にあたっては、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社が設立した「モバイル非接触ICサービス普及協議会」を通じて、アプリダウンロード時の手順など、キャリア(通信会社)の垣根を超えて仕様が共通化されており、今回の「Visa payWave」もその仕様に則った形となる。

 同様のサービスとして、NTTドコモの「iD」とMasterCardの「PayPass」を連携させるサービスの開発が進められている。今春登場予定だったが、ドコモによれば開発の遅れにより12月頃に提供される予定とのこと。

関口 聖