【Mobile Asia Expo 2013】

ドコモはNFC、M2M、dマーケットなどをアピール

ドコモブースは、どちらかと言うとソリューション寄りの展示が多かった

 「Mobile Asia Expo」にブースを構えるNTTドコモは、NFCやdマーケットに加え、子会社のドコモチャイナが手がけるソリューションなどを展示していた。

 NFCのコーナーでは、昨年冬モデルと同時に発表されたマスターカードの「Paypass」を利用できるiDアプリのデモを行っていた。FeliCaとNFCの両方に対応した端末に対応する予定で、日本ではFeliCaのiD、海外ではNFCのPaypassを利用する仕組みになる。このデモアプリは2月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress」にも出展されていたが、Mobile Asia Expoでは同アプリのリリースが本年12月になることが明らかになった。当初は上半期とアナウンスされていたが、開発に遅れが生じているようだ。

Paypassに対応したiDのデモ。提供開始予定は、12月に延びてしまった

 NFC関連では、ほかにも韓国の電子マネー「Cashbee」のデモが行われていた。こちらは、当初の予定通り2013年度上期(9月まで)に提供が開始される予定だ。アプリは日本語にも対応する。このほか、ドコモ、中国移動(チャイナモバイル)、KTが2月に策定した、NFCの国際ローミングに関する仕様書をスマートフォンにダウンロードできる端末がブースに置かれていた。

韓国の電子マネー「Cashbee」。iDなどと同様、カードエミュレーションモード(NFCをクレジットカードのように扱うモード)で作られており、決済時にアプリを起動する必要がない
NFC端末で誘導したサイトから、NFCの国際ローミングに関するホワイトペーパーをダウンロードさせるといった仕掛けもあった

 dマーケットのコーナーには、中国・上海という土地柄を反映させ、ドコモが中国移動のアプリマーケットに提供している中国版「dゲーム」が展示されていた。Google Playにアクセスできない中国では、基本的にキャリアや端末メーカーなどが独自のアプリストアを開設している。中国移動にも「モバイルマーケット」というサービスがあり、ここに日本からのゲームを提供するのが中国版のdゲームというわけだ。日本のdゲームは、ブラウザからアクセスするソーシャルゲームだが、こちらはアプリが中心で、アイテム課金だけでなく、有料販売しているものもあるという。

中国版「dゲーム」は、中国移動の「モバイルマーケット」に提供されている。コナミ、カプコン、スクウェア・エニックスなど、日本のゲームメーカーが開発したアプリが並ぶ

 また、M2M(マシン・トゥー・マシン)の領域に対する取り組みとして、オムロンから発売されているドコモの通信モジュール内蔵血圧計が展示されていた。説明員によると、約1500の病院が利用しており、デジタルで血圧などのデータを管理できるため、紙で記録するのに比べ作業の効率化や誤記入の削減といった効果があるという。

 ドコモチャイナのコーナーには、インフォテリア社が開発した「Handbook」というソリューションが紹介されていた。Handbookは営業用カタログなどを効率的に管理できるツールで、中国ではドコモチャイナが日系企業などに営業を行っている。

通信モジュールを内蔵した血圧計。東日本大震災でも、仮設住宅に住む被災者の支援に使用したという
インフォテリアの「Handbook」を、中国で展開するドコモチャイナ

石野 純也