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Jawbone、スマホ連携で健康増進を図るリストバンドを日本に投入
Jawbone、スマホ連携で健康増進を図るリストバンドを日本に投入
(2013/4/1 16:04)
Jawboneは、歩数計や睡眠管理といった機能を搭載し、スマートフォンとイヤホンジャックで接続しデータを同期できるリストバンド型ツール「UP」を日本市場に投入する。2012年12月に米国など海外で発売されており、日本では4月に発売される。価格はオープン価格で、販売予想価格は1万3800円。
今回発売される「UP」は、リストバンド型で肌身離さず身につけられ、歩数計や睡眠計測機能、バイブレーションによるアラーム機能などで日常の健康増進に役立つというツール。リストバンド本体には、状態を示すステータスランプとボタン以外、ディスプレイは搭載されておらず、iOS、Android向けに提供されるスマートフォンアプリで情報を管理する。iOS版はすでに日本語版が、Android版も準備でき次第日本語版が配信される予定。
スマートフォンとの接続は、Bluetoothなどの無線規格による接続ではなく、3.5mmのミニプラグを経由して行う仕組みで、幅広い機種に対応するとともに、省電力化を実現。USBで充電できるバッテリーは80分の充電で最大10日間利用できる。また、リストバンド本体には最長で6~9カ月間分のデータを保存できる。睡眠計測機能は「パワーナップ」(昼寝)でも利用でき、眠り始めを計測できることで、仮眠時間を適切に計測できるとする。
外装は医療用の低刺激性TPUラバーを採用。24時間付けられることを念頭に、シャワーの水圧、シャンプーの混ざった水、温水、ねじれ耐性など、既存の防水規格の枠に収まらない、さまざまな独自のテストが実施され開発されている。内部にはリチウムイオンポリマー充電池やバイブレーターのほか、三軸加速度センサーなどを搭載している。
スマートフォンアプリ「UP」では、睡眠、運動、食事の記録を管理・閲覧が可能で、専門家が分析したデータに基づくアドバイスも受けられる。ホーム画面には登録した友人の情報の状態が表示され、コメントなどが可能。自分の記録はTwitterやFacebookにも投稿できる。運動は歩数計であればスマートフォンへのデータ転送時に自動的に入力されるほか、本体のボタンを押してモードを切り替えることで、エクササイズなど明確な運動時間を手動で記録することもできる。
食事は、基本的なメニューを選んで登録でき、カロリー管理が可能。データベースにある商品についてはバーコードを読み取ってカロリーを取得することもできる。カロリーが分からなくても、料理の写真を投稿し登録するだけの使い方も可能。
アプリではまた、ムードアイコンで現在の感情を記録でき、運動や食事の習慣が感情にどう影響していくかを分析できるようになっている。
なお、管理する情報はすべてクラウド上に保存される。利用はスマートフォンアプリのみからで、Webサイトから利用できないが、データのダウンロードはWebサイトから行える。
リストバンドのサイズはS、M、Lの3つのサイズが用意される。重さはSが19g、Mが22g、Lが23g。カラーはOnyx、Mint Green、Blue、Light Greyの4色が第1弾として用意され、Navy BlueやRed、Hunter Greenなどのカラーも投入が検討されている。
開発に4年、フィットネスではなく日常用
来日したJawbone 国際パートナー・製品開発部門 責任者のJorgen Nordin(ヨーゲン・ノルディン)氏は、「まったく新しいカテゴリーの製品」と「UP」を紹介する。同社では、「UP」を自分の基本状態を知るための製品と位置付け、ユーザーが自然に利用できることに注力したという。このため、エクササイズや医療機器と連携するといった高度な機能よりも、歩数計と睡眠計測、食事という日常的な行動の記録に焦点が当てられているのが特徴。身につけたままにするという利用シーンから、「何かの機能が無くても、つけてもいいと思われるようなデザインを目指した。我々は機能を持ったジュエリー、ファンクショナル・ジュエリーと呼んでいる」と、デザインにこだわった様子も明かした。
一方で、24時間身につけたままでも大丈夫なように、防水性や耐久性に関する開発には非常に多くの時間やコストがかけられた。本体の開発には4年がかけられており、既存の製品にはない部分も多かったことから、製造行程だけで100件以上の特許を取得したという。また、防水性能については、既存の規格に合格したものであっても実用テストで壊れてしまったため、独自の検査を考案。シャワーや温水のほか、シャンプーが混ざった水や紫外線、アルコール(飲料)なども含めてさまざまな耐久テストが行われ、壊れるたびに原因を究明し改善していったという。
こうしたことから試作のハードウェアは200種類を超え、またユーザーによるテスト期間も一般的な製品の6~8倍にもなる46週間がかけられ、合計300万時間を超えるテストにより、まったく製品の内容を知らないユーザーでも使い始められるような製品に仕上がったとしている。
同氏は、「計測するだけで、ユーザーには前向きな変化が起こる」とし、歩数計などで目標値を設定するとより歩くようになるといった例を紹介。ユーザーから集まった情報を分析しアドバイスを提供する機能も、「データを理解することで、よりよい選択ができる」とするほか、「フィットネス用ではなく健康・ウェルネスの製品として考えた」と言うように、日常生活で得られるデータを分析でき、前向きに活用できるツールであるとしている。