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ジョウボーン、心拍測定対応の「UP3」とエントリー向け「UP MOVE」を国内発売
(2014/11/26 21:13)
ジョウボーンは都内で発表会を開催し、アクティビティトラッカー「UP」シリーズの新製品2モデルを日本で発売すると発表した。上位モデルの「UP3」は2015年1月発売予定で、店頭予価は2万1800円、エントリーモデルの「UP MOVE」は2014年12月中旬発売予定で店頭予価は6480円。
心拍数測定に対応した上位モデル「UP3」
「UP3」はUPシリーズの最上位モデル。従来のUPシリーズの後継モデルというより、上位のカテゴリに位置づけられる。新たに心拍数センサーと温度センサーを搭載する。従来モデル同様の細いリストバンド型で、常時装着し、歩数などの運動量と睡眠について記録を取り、データをスマートフォンのアプリに転送して管理できる。
デザインは従来のUPシリーズと同様の、液晶ディスプレイなどがない細いリストバンド型。従来のUPシリーズは3つのサイズが用意されていたが、今回のモデルは1サイズ展開となり、着用者は自分にあわせてバンドの長さを調整できるようになっている。これにより、内面の心拍数センサーと温度センサーをより肌に密着させることが可能となる。本体カラーはブラックがまず発売され、その後、グレイやルビーとカラーバリエーションモデルが追加される予定。
心拍数センサーは電気式(バイオインピーダンス)となっており、バンドの内側に2対の電極がある。リストバンド型の活動量計の多くは、光学式センサーを採用するが、UP3では電気式センサーを採用することで、製品の小型化と省電力化を実現しているという。心拍数を計測できることで、運動状態や睡眠状態、健康状態をより正確に分析することが可能になる。
また、従来モデルの「UP」と「UP24」は生活防水だったが、「UP3」では水深10mまでの防水に対応し、水泳中のトラッキングも可能となる。モデルは機械式のボタンを備えていたが、UP3はタッチ式のボタンで操作する。一方、バッテリーの持ちについては、従来モデルは14日間の連続動作が可能だったのに対し、UP3では7日間の連続動作となっている。
ソフトウェア的にも進化し、独自のアルゴリズムにより、スポーツ時にもスポーツの種類を学習・認識することが可能。ただし、従来モデル同様に、睡眠時にはあらかじめモードを切り替える必要がある。
本体の大きさは長220×幅12.2×厚3.0~9.3mmで重さは29g。USB接続を兼ねた専用の充電器を利用する。iPhone 4s以降、第5世代iPod touch以降、iPad 3以降、iPad mini、Android 4.3以降のスマートフォンに対応する。
ジョウボーンではUP3を「マルチセンサープラットフォーム」と位置づけており、今後もセンサーを活かした新しい機能を、アプリとファームウェアのアップデートで追加し続けるとしている。たとえばストレスや疲労を測定したり、心拍センサーに使っているバイオインピーダンスセンサーを応用し、体の水分を推定する、といったことが想定されているという。
クリップ式のエントリーモデル「UP MOVE」
「UP MOVE」はUPシリーズのエントリーモデル。他のUPシリーズとは異なり、リストバンド型ではなく、クリップ型となっている。予定価格も6480円と、従来モデルに比べて安く設定されている。
製品には衣類などに付けるためのクリップ(TPUラバー製)が同梱されるが、別売りのリストバンドで腕に装着することもできる。リストバンドは3色セットが3980円で、2種類のパッケージが2015年1月に発売される予定。
UP MOVEは加速度センサーを内蔵しており、ほかのUPシリーズ同様に、歩数などの運動量と睡眠を記録することが可能。スマートフォンとはBluetoothで通信する。アプリは従来と同じものを利用する。ただしほかのUPシリーズとは異なり、バイブレーターは搭載していないので、目覚まし機能はない。
デザインは丸いコイン型で、前面がボタン兼表示部になっている。一見すると見えないが、LEDが内蔵されており、目標歩数への達成度合いや睡眠状況、時刻を表示することができる。時刻は短針が点灯、長針が点滅のアナログ時計のような表示となっている。
UP MOVEはボタン電池(CR2032)を使用して駆動。最大6カ月間、電池交換なしで動作する。ボディカラーは5色がラインナップされている。
本体の大きさは直径27.64×厚9.75mmで重さは6.8g(本体のみ)。生活防水仕様となっている。製品にはボタン電池が1つ付属する。
プラットフォームを継続的に強化
発表会ではジョウボーンの国際パートナー・製品開発部門 責任者のヨーゲン・ノルディン氏がプレゼンテーションを行なった。
まずノルディン氏は現在のウェアラブル市場について、スマートウォッチとフィットネスデバイス、さらにUPシリーズのような24時間装着することを前提としたトラッキングデバイスの3つがあると指摘する。
スマートウォッチとフィットネスデバイスはバッテリー消費も大きいため、夜は充電しておかなければならず、寝ながら付けるには快適とは言いがたい大きさのものが多い。これらのデバイスは仕事中や外出中、スポーツ中にのみ装着することを前提としている。
一方のUPのようなトラッキングデバイスは、小さくて目立たず、毎日付けていたくなる、生活に溶け込むようなデバイスである必要がある。この点において、UPシリーズは腕に巻くタイプのデバイスとしては比較的コンパクトなサイズ・重さとなっている。
さらにノルディン氏は、同社がUPシリーズをプラットフォームとして積極的に強化しているとアピールする。UPのアプリには、単に歩数や睡眠時間を表示するだけでなく、各種データを元にインサイト(助言のようなテキスト)を提供する「スマートコーチ」という機能があり、他社にはないUPシリーズの特徴となっている。
ノルディン氏は第三者による調査結果として、同社の製品のユーザーが他社に比べ、運動や睡眠の習慣改善につながったと答える比率が高かったというデータを紹介し、同社のプラットフォーム強化の取り組みの効果だとしてアピールした。
さらに同社は、UPのプラットフォームを「UP OPEN」としてオープン化も進めている。Android Wearやリストデバイス「Pebble」向けにもUPのアプリを提供しており、そうしたスマートウォッチからもUPの機能やサービスを利用できるようになっている。また、iOSではアップルが提供する共通フレームワークの「ヘルスキット」にも対応し、iPhone自身や他社のトラッキングデバイスが測定したデータを元に、UPのサービスを利用できる。
アプリは無料で提供されているので、UPの製品を購入しなくてもUPのサービスを利用できてしまうことになるが、ノルディン氏はアプリを入り口に「みなさんをトラッキングジャーニーに導きたい」と語る。UP MOVEは、アプリでは物足りなくなり、一歩進んだトラッキングを求めるユーザーに対するエントリーデバイスとしても位置づけられているという。