ニールセン、アジア地域のスマートフォンや広告の動向を調査


 ニールセン・カンパニーは、アジア太平洋地域を中心にしたスマートフォンの動向や、モバイル広告のポイントについて調査を行い、結果を明らかにした。

 調査では、アジア太平洋地域の13の市場を含む、世界の39の市場で行われた。アジア太平洋地域において、携帯電話ユーザーにおけるスマートフォンの普及率は、シンガポールが72%でトップとなり、韓国は67%、香港は56%、台湾は51%と過半数を超える市場が多くみられた。

 モバイル端末からのインターネットの利用は、SNSなどの普及で急速に拡大しており、過去1カ月でスマートフォンを使ってインターネットにアクセスする割合は、日本が86%、韓国は80%、香港は76%、中国とマレーシが75%、台湾が72%など、積極的に利用されている姿が明らかになっている。

 調査では、スマートフォンユーザーがタブレットにも親近感を高めている国や地域も明らかになった。スマートフォンユーザーのうち、中国では39%、タイでは32%、マレーシアでは30%が、タブレットも所有している。この2つの端末のコンテンツ消費の違いや、相互作用を理解することが重要になるという。

 スマートフォンが人気の市場では、位置情報サービスの利用も高まっており、韓国では59%、日本で56%、香港と台湾では53%がスマートフォンで位置情報サービスを利用している。現在は比較的成熟した市場で利用率が高いものの、今後インドネシアやマレーシアなどの、SNSや検索に利用が集中している市場でも、サービスの利便性などが高まれば急速に発展するとしている。

 モバイル広告については、スマートフォンが広告主にとって理想に近いプラットフォームとする一方で、「スマートフォンユーザーのモバイル広告に対する高い抵抗感が明るみに出ている」と指摘。広告主は、モバイルプラットフォームにあわせてアイデアやデザインを向上させること、大量広告より的を絞った手法でさまざまな画面サイズに合わせた形態を提供すること、位置情報に基づいた上での文脈型の広告や無料でアクセスできるコンテンツを活用するといった要因を理解することが重要としている。


16歳から64歳の携帯電話ユーザーの機種(主に使用している携帯電話について) 出典:ニールセン
スマートフォンユーザーにおけるOSシェア 出典:ニールセン

 




(太田 亮三)

2012/6/27 16:58