BIGLOBE、データ通信専用スマホ「MEDIAS for BIGLOBE」発売
NECビッグローブ(BIGLOBE)は、ドコモ網を利用したMVNOとして提供する3Gのデータ通信サービスと、NECカシオ製のAndroidスマートフォンをセットにした「MEDIAS for BIGLOBE」を6月1日に発売する。Webサイトおよび電話の直販のみで販売し、1万台の限定販売。価格は、端末代金と通信サービス(デイタイムプラン)を含めて、月額2960円~。
「MEDIAS for BIGLOBE」の端末「MEDIAS NEC-102」 |
今回発売される「MEDIAS for BIGLOBE」は、BIGLOBEが2月に提供を開始した、下り最大14MbpsのドコモFOMA網を利用するMVNO「BIGLOBE 3G」と端末をセットにしたもの。データ通信サービス部分は、既存の「BIGLOBE 3G」と同じで、通話は利用できない。
価格は、利用可能時間が2時~20時の間に限定される「BIGLOBE 3G」のデイタイムプランの場合、月額2960円(2年契約)。これには、「アシストパック」で端末を24回の分割購入とした場合の月額980円と、ISP接続料「ベーシックコース」の月額210円が含まれている。25カ月目以降は端末代金分が不要となるため、利用料は合計で月額1980円となる。さらに、BIGLOBEをすでに契約しているユーザーは上記の「ベーシックコース」の月額210円が不要になる。
利用可能時間が24時間のスタンダードプランの場合は1000円高くなり、上記と同様の内容で利用料は月額3960円になる。25カ月目以降は月額2980円となる。
「MEDIAS for BIGLOBE」を契約時に、端末を特典価格で一括購入することも可能で、その場合の価格は2万3520円。データ通信の契約なしに端末のみを購入することも可能だが、その場合は特典価格ではなくなるため、一括で4万6800円となる。
いずれも初期費用として申込手数料3150円がかかる。
すでにBIGLOBEの会員なら月額で210円安くなる | 端末は一括購入も可能 |
■BIGLOBE向けに用意される端末「MEDIAS NEC-102」
「MEDIAS NEC-102」 |
端末はNECカシオモバイルコミュニケーションズ製のAndroidスマートフォン「MEDIAS NEC-102」で、これはドコモから発売された「MEDIAS WP N-06C」がベースになっている。ドコモの「N-06C」と異なる点は、搭載されるソフトウェアのほか、ハードウェア面ではボディカラーがBIGLOBE向けオリジナルとなり、おサイフケータイ、緊急地震速報に非対応という点も「N-06C」とは異なる。そのほかの防水やワンセグ、Google Play対応などの機能はN-06Cと同様。
端末はSIMロックフリー。端末自体は回線交換による音声通話も可能だが、他社のSIMカードを利用した回線交換による音声通話は動作保証の対象外となる。BIGLOBEはデータ通信専用サービスを提供しているため、「MEDIAS for BIGLOBE」で3Gの回線交換による通話は利用できない。「Skype」「LINE」「050plus」などのIP電話アプリは利用可能。
端末「MEDIAS NEC-102」のソフトウェアプラットフォームはAndroid 2.3。OSのバージョンアップは現時点では予定されていない。
テザリング機能を利用でき、最大5台のWi-Fi機器を接続できる。テザリングはウィジェットから簡単にオン・オフを切り替えられる。また、プリインストールアプリとして、Googleの標準アプリのほか、「ついっぷる」「andronavi」なども搭載される。
ディスプレイは約4インチ、854×480ドット、26万2144色表示のTFT液晶。カメラは約510万画素のCMOSカメラ。メモリーはROMが1GB、RAMが512MB。無線LANはIEEE802.11b/g/nがサポートされ、Bluetooth 2.1+EDR、赤外線通信、ワンセグに対応。文字入力にはATOK、T9が用意されている。
対応周波数帯は、W-CDMAでは800/850/2000MHz、GSM/GPRSでは850/900/1800/1900MHz。なお、これは端末の仕様で、「BIGLOBE 3G」は国際ローミングやGSMの利用には対応していない。
連続待受時間は約340時間、大きさは約128×64×7.9mm。重さは約113g。ボディカラーはSilver Blackの1色のみ。
■データ通信の利用に応える「ほぼスマホ」
NECビッグローブ 代表取締役執行役員社長の古関義幸氏 |
31日には都内で記者向けに発表会が開催された。NECビッグローブ 代表取締役執行役員社長の古関義幸氏は、2月に発表した「BIGLOBE 3G」が好評で、予定していた帯域が1カ月でいっぱいになり「営業を控えている状況」と明かした。同氏は、フィーチャーフォンとスマートフォンの「2台持ち」で、スマートフォンに完全に移行していない人が多くいるとし、そうしたケースでは合計の利用料が高くなることから、「ほぼスマホ」というコンセプトで今回の「MEDIAS for BIGLOBE」を紹介した。
通話ができないことから「ほぼスマホ」と紹介されたが、古関氏からは「Skype」や「LINE」「050plus」といったIP電話のアプリは問題なく利用できることが明らかにされ、Androidの標準アプリに加えて、オリジナルアプリをプリインストールすることも紹介された。
また、ISPを長く続けている同社として、サポート体制を充実させる点もアピールし、オンラインサポート、電話によるサポート体制を構築したことも紹介した。故障や修理などを比較的安価に利用できる月額315円のサービス「BIGLOBE端末あんしんサービス」も提供する。
1万台限定とした理由については、MVNOとして借りる回線に関係しているとのことで、「2月に開始したBIGLOBE 3Gでは迷惑をかけたので、今回は慎重にやっている」とした。通話非対応とした点は、「キャリアと同じものを、価格で勝負するのは難しい。パケット通信を使う通話サービスが揃ってきており、あえて音声通話を付けるよりはリーズナブルにして新しい使い方を提案した」と説明している。
同氏はほかの端末の展開について、「今後も出す予定」とし、「多面的に、デバイスを含めて展開したい」という方針を示している。
今回の発表とは関係ないものの、BIGLOBEの取り組みとして、アプリの情報を簡単にやり取りできる「Let's App!」が、正式発表前に披露された |
■会場の展示の様子
2012/5/31 15:03