米MS、Windows Phone最新版「Mango」公開


 米マイクロソフト(MS)は、スマートフォン向けのソフトウェアプラットフォーム「Windows Phone」の次期メジャーリリースとなるコードネーム「Mango」を公開した。

 Windows Phone 7は、スマートフォンやパソコン、ゲーム機などの各Windows対応デバイスがクラウドを介してシームレスに連携することを目指したスマートフォン向けのソフトウェアプラットフォーム。タイル上のインターフェイスを採用し、機能毎に複数のハブを用意、メトロデザインと呼ばれるシンプルでわかりやすい操作遷移が特徴の1つとなっている。

 また、ソーシャルサービスとの連携機能がOSレベルから組み込まれている点も大きな特徴だろう。2010年2月に発表され、海外市場において2010年末よりWindows Phone 7端末が登場している。残念ながら現時点では、国内市場向けのアナウンスはない。

 「Windows Phone」の次期メジャーリリースとなる「Mango」では、パソコン版Internet Explorer 9と同じレンダリングエンジンがサポートされ、ブラウジング機能が強化される。また、アドレス帳やFacebook、Windows Liveなどの各機能がまとめられているPeople hubでTwitterがサポートされ、マルチタスク機能のサポートなど500以上の新機能が提供される。People hubにグループ分けできる機能も追加され、グループ毎にタイムラインを管理閲覧できるようになる。

 ソーシャルサービスとの連携は非常に強力で、たとえば、スマートフォンの電話番号を変更した場合、Facebookに記載された電話番号を変更すれば、アドレス帳の同期のタイミングで、他ユーザーのWindows Phone 7端末のアドレス帳も自動的に電話番号が変更される。

 また、アプリ配信市場である「Marketplace」では、ゲーム用のMarketplaceが提供されるほか、Marketplaceでは、キャリア課金の仕組みも用意される。

 現行のWindows Phone 7ユーザーは、Mangoへアップグレードすることで無償で利用できるようになる。Mango搭載のスマートフォンは今秋以降に登場する予定。

 さらにMnagoでは、35カ国の追加言語がサポートされる。この追加言語には日本語も含まれており、「Mango」から、Acerや富士通、ZTEといったメーカーが提携先に加わる。日本マイクロソフトでは、国内市場向けの仕様については検討中としている。

 このほか、「Mango」アプリをを開発するためのSDKとなる「Windows Phone Developerツール」(β版)も無償で提供される。

 日本マイクロソフトのコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部 モバイルコミュニケーション本部 シニアエグゼクティブプロダクトマネージャーの石川大路氏は、Windows Phoneについて、「ハードウェアを超えて統一された操作感を提供していきたい」とする。今回の「Mango」ではさまざまな機能が追加されるが、同氏は、IE9と同じレンダリングエンジンを採用することで、HTML5のWebサイトもスムーズに表示できるとし、「現時点ではフレームレートも含めて最も早いブラウザになるのではないか」と語っている。



 



(津田 啓夢)

2011/5/25 00:28