イー・モバイル、今後の機種はSIMロックフリーに
イー・モバイルは、今後発売する同社の新機種について、いわゆるSIMロックを施さず、ロックが解除された“SIMロックフリー”の状態で販売すると発表した。
SIMロックとは、携帯電話やモバイルデータ通信端末において、利用できる携帯電話会社を限定する機能のこと。携帯電話・データ通信端末の多くで、ユーザーを識別するための「SIMカード」を装着する形となっているが、利用できるSIMカードが限定されることからSIMロックと呼ばれ、その仕組みを解除した状態をSIMロックフリーと呼ぶ。SIMロックフリーの状態となった携帯電話であれば、もともとA社で販売されていた機種であったとしても、B社の回線が利用できるようになる。ただし、国内の携帯電話会社は、周波数や通信規格が異なることがあり、たとえばauは通信方式が異なるため、他社からSIMロックフリーの機種を持ち込もうとしても利用できない。総務省から昨年ガイドラインが示され、NTTドコモでは今年4月以降に発売する機種には原則、SIMロック解除機能を備えるようにしている。
一方、イー・モバイルでは、これまでもSIMロックが施されていない機種を手がけてきたが、今回あらためて「今後新規に発売する機種全てをSIMロックフリーで販売する」と発表した。現在の主力機種である、昨年12月発売の「HTC Aria」、今年1月発売の「Pocket WiFi S」は、どちらも販売時点でSIMロックフリーとなっており、SIMロック解除の手数料などは発生しない。
同社で発売した過去の機種では、海外ではどのキャリアでも利用できる形となっていたものもあったが、日本国内についてはイー・モバイル回線のみに限定してきた。また機種によっては、イー・モバイルが利用する周波数帯(1.7GHz帯)のみサポートするものもあり、SIMロックフリーとなっているHTC Ariaも1.7GHz帯のみ対応となっている。今回の発表は、2012年以降導入予定のLTE方式の端末を含め、基本的にSIMロックフリーにすることを宣言したが、周波数帯については1.7GHz帯のみになるかどうか、現時点では明確にされていない。海外メーカーから調達することも多く、ベースとなる機種次第となる可能性もある。また、今回の発表が端末価格へ影響するかどうか、現時点では未定とのこと。
2011/5/13 17:43