アップル、iOS 4.1を来週より提供


 アップルは9月1日(日本時間9月2日未明)、北米で発表会を開催し、iOSの新バージョンやiPodシリーズなどの新製品を発表した。

 「iOS」はiPhoneやiPod touch、iPadが搭載するOS。イベントでは次期バージョンのiOS 4.1が紹介された。iOS 4.1は来週より対応機器に対して無償提供される。

 「iOS 4.1」では、BluetoothやiPhone 3G上での改善などのバグフィックスに加え、「HDRフォト(High Dynamic Range photos)と「HDビデオのアップロード機能」、「TV番組のレンタル機能」、ネットワークゲームのロビー機能である「Game Center」の4つの機能が追加される。

 HDRフォトは、3つの異なる露出(明るさ)で写真を連続撮影し、それらを合成することで、ダイナミックレンジを向上させるという機能。たとえば空を背景に人物の写真を撮ると、明るさが大きく違うことから、通常は空か人物のどちらかが黒や白でつぶれてしまう。しかしHDRフォト機能を使うことで、白や黒でつぶれない写真が撮影できる。同様の機能は一部のデジタルカメラでも搭載されている。HDRフォト機能は、iPhone/iPod touchの標準のカメラアプリに追加される形式となる。HDRフォトモードではHDRで作られた画像と元の写真の両方が保存される。イベントのデモストレーションでは、カメラの画面にHDR機能のON/OFFボタンが追加されている様子も紹介された。

 「Game Center」は、iOS向けのネットワーク対応ゲームを支援するロビー的なアプリで、iOS 4.1から標準搭載される。Game Centerは、今年4月のiOS 4発表時に「今年後半より提供」としてアナウンスされていた。Game Centerでは、マルチプレーヤー(多人数参加型)のゲームにおける友人との対戦の仲介をしたり、あるいは友人以外の人との自動マッチング(相手探し)機能が提供される。さらに、ほかのプレーヤーとのスコア比較やゲームの紹介機能も用意される。イベントのデモンストレーションでは、開発中の「PROJECT SWORD」というアクションRPGで、ほかのiPhoneと対戦する模様が紹介された。ネットワーク経由でほかのプレーヤーに挑戦をすると、挑戦された側のiPhoneにはポップアップウィンドウで告知され、そこで受諾すると対戦が開始されていた。

 また、同時に発表されたパソコン向けソフトiTunesの新バージョン「iTunes 10」の新機能である「iTunes Ping」も、iOS 4.1で対応することが紹介された。iTunes Pingは音楽を使ったSNSサービスで、アーティストや友人を「フォロー」することで、フォローした相手のお気に入りの曲をチェックしたりできるという機能になっている。

 iOS 4.1は、現行のiOS 4と同様に、第2世代以降のiPod touchとiPhone 3G以降に提供される。iPad向けには提供されない。ただし利用できる機能については、機種ごとに異なる。

新型iPod touchiPodシリーズの新製品

 イベントでは、さらに次のバージョンであるiOS 4.2についても、その機能の一部が先行紹介された。iOS 4.2ではワイヤレス印刷機能や無線LAN経由のストリーミングメディア再生機能「AirPlay」が追加される。iOS 4.2は11月に無償で提供される予定。iOS 4.2はiPadにも提供される予定となっている。

 このほかにもイベントでは、iPodの新ラインナップやテレビに繋ぐネットワークプレーヤーの「Apple TV」、iTunesの新バージョンのiTunes 10などの新製品が発表された。iPodシリーズとしては、「もっともポピュラーなiPod」とされるiPod touchの新モデルが発表され、RetinaディスプレイやA4チップ、HD動画撮影、インカメラによるテレビ電話(FaceTime)など、iPhone 4と同等のスペック・機能が導入されている。

(白根 雅彦)

2010/9/2 12:08