バイドゥ、携帯向け検索サービス「Baidu モバイル」β版


Baidu モバイル
バイドゥの井上氏

 バイドゥは、携帯電話向けの検索サービス「Baidu モバイル」β版の提供を開始した。利用料は無料。

 「Baidu モバイル」β版は、Baidu独自の検索技術をベースに、携帯サイト検索や画像検索、動画検索、パソコン向けのWebサイト検索といった4つの機能が用意された携帯電話向け検索サービス。絵文字を検索結果に表示する「絵文字対応検索機能」が搭載され、携帯電話の絵文字は「電話番号」、ビールの絵文字は「ビール」といったように絵文字の意味を判定して検索結果を表示する。

 また、画像やパソコン向けWebサイトの表示は、携帯電話向けに最適化される。動画検索についても、携帯電話で閲覧できるものが検索結果にあがる。iモード・EZweb・Yahoo!ケータイに対応し、無料で利用できる。

 バイドゥは、中国のBaiduの日本法人として2008年1月に設立。これまでに、パソコン版の「Baidu.jp」を提供しており、今回さらにモバイル版の検索サービスが始まった。

 バイドゥの代表取締役社長の井上俊一氏は、日本のモバイル市場について「非常にポテンシャルがある」と語り、パケット通信料の単価が下がりつつある中、携帯向けの一般サイトがより重要なものになってきていると話した。一般サイトに注目が集まれば、その分だけ携帯電話を使った検索のニーズが高まるというわけだ。

 ただし、携帯電話向けの検索サービスはGoogleやYahoo!などがすでに参入しており、バイドゥは後発となる。井上氏は、「現状の携帯向け検索サービスのクオリティはそれほど高くない。最後発だが十分間に合うと考えている」と話す。今後さらに、モバイルの分野でも検索広告市場が拡大していくと予測を示した。

 バイドゥでは、自社で検索サービスを運営する傍ら、検索サービスのOEM提供も積極的に展開していく方針。井上氏は、携帯電話向けの検索サービスがいくつも存在する現状について、「昔のパソコンの状態に近い。しかし、コンテンツが増えて、オープン化が進み、ユーザーも増えてくると、大規模に検索エンジンを開発できるのは、パソコンと同様、資金と技術力のあるところになるのではないか」とした。


検索結果1回の検索で、携帯サイト、パソコン向けWebサイト、動画の検索結果が表示される絵文字「ビール」で検索。カタカナ「ビール」で検索した場合、絵文字の「ビール」も判定される
トップから検索タイプが選べる画像検索動画検索

 

(津田 啓夢)

2009/9/28 14:01