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KDDIがAI前提の自律型ネットワーク「AcceWaves」構想を発表、2028年の本格始動に向けてまずはクラウドセキュリティを統合

 KDDIは29日、企業のネットワークと運用、セキュリティを統合し一体的に提供するネットワーク基盤「AcceWaves」構想を発表した。2028年度の提供開始に向けて、機能が段階的に提供、統合される。

 AI時代の企業ネットワークとして、自律型のネットワークサービスを基盤に、セキュリティ機能などの機能を統合し、企業ネットワーク全体の高度化を目指す。

自律型ネットワーク「KDDI AccelWaves Network」

 構想の基盤となる自律型ネットワーク「KDDI AccelWaves Network」では、「オートフィット」「オートレスポンス」「オートオペレーション」と3つの特徴がある。

 「オートフィット」は、通信需要の変化に応じてリアルタイムで帯域を柔軟に最適化するもの。急激に通信量が変動した場合も、安定して通信できるよう、オプション領域を自動で割り当て、トラフィックを吸収する。また、拠点間の回線では、帯域を全体でシェアリングすることで、回線全体でトラフィックの変動に対応する。

 「オートレスポンス」は、問題が発生した際に、自動で疑いがある箇所を特定し、拠点単位でネットワークから隔離するもの。初動の遅れは、さまざまな事象が発生するリスクがある。正常な拠点への影響を極力抑えながら、被害の拡大を防げるという。

 「オートオペレーション」は、自律型の肝となる機能。サービスの申し込みや問い合わせ、セキュリティ情報、稼働状況を直感的に1つの統合されたポータルページで確認できる。

企業のAI活用で発生するリスク

KDDIビジネスコア事業本部プロダクト企画開発本部長の堀純二氏

 企業でのAI利用率は、1年前の55%から86%まで拡大してきており、AIの存在は「ビジネスの前提」になっているとKDDIビジネスコア事業本部プロダクト企画開発本部長の堀純二氏は語る。

 一方、企業のAI活用においては、「期待とリスク」がつきまとっている。AIとロボットの活用で約189万人の労働力を補える一方で、AIを活用したサイバー攻撃の被害拡大が見込まれている。最先端のAIを使えば、攻撃までのスピードが前年比で65%高速化し、わずか29分で攻撃を完了してしまうという。

 セキュリティリスクだけでなく、通信量の予測も困難になってきている。AIエージェントによる自律通信が多くなると、通信の量や時間の予測が難しくなるといい、堀氏は「トラフィックは増加の一途をたどっている」と指摘。さまざまな調査があるが、いつ、どのくらいの通信量になるかを予測するのは難しく、「わかっていることは、『通信量が今より増えること』」だという。これまでの企業のネットワークでは、必要に応じてその部分だけ継ぎ足してネットワークを構築していたが、これらのセキュリティリスクや通信量の課題から、この「継ぎ足し、つぎはぎ運用」が限界を迎えつつあると指摘する。

 「KDDI AccelWaves Network」では、これらのリスクや課題を解消するため「自律型ネットワーク」として、ネットワーク側から必要に応じた対策や対応をするようになる。エンジニアが課題に応じて設計して組み立てるこれまでのネットワークから、ネットワーク自身が自律的に運営するようになることで、問題発生時も迅速に動くようになる。

第1弾「SASEゲートウェイ」

 「AcceWaves」構想の第1弾として、クラウド型セキュリティサービス「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」の提供を29日から開始した。

 ネットワークとセキュリティサービスを一体で提供する「Security as a Service」の1つとして提供されるもので、KDDIの広域イントラネットサービス「WVS/WVS2」とパロアルトネットワークスのセキュリティサービス「Prisma SASE」を閉域接続しており、高品質な通信とクラウド型セキュリティを両立させる。

 会社の事業拡大にあわせて拡大してきたイントラネットワークだが、つぎはぎで構築したが故に「拠点ごとにネットワークポリシーが異なる」問題が発生しているという。また、拠点間をつなぐ部分にセキュリティリスクが潜在している場合もある。

 パロアルトネットワークス代表取締役会長兼社長のアリイ・ヒロシ氏は、「(AI全盛の現代で)これまで個別で切り貼りしてきたセキュリティ対策では追いつかない」と指摘。一体的な運用とすることで、場所に関わらず統一されたセキュリティポリシーを適用でき、ネットワーク全体を一元管理できるようになる。

パロアルトネットワークス代表取締役会長兼社長のアリイ・ヒロシ氏

2028年度までに順次サービスを拡張

 「AcceWaves」構想は、今後さまざまなサービスを肉付けしていき、2028年度の本格始動を目指す。KDDIグループのサービスだけでなく、「SASEゲートウェイ」のようにパートナー企業のサービスも取り入れながら、企業の課題を解消するネットワーク基盤を構築していく。