ニュース

ソフトバンクが生徒の“こころのケア”を支援する「メンタリ」を提供開始、「先生に相談しづらい」を解消する仕掛けが

 ソフトバンクは27日、教師による児童/生徒のこころのケアを支援するサービス「メンタリ」の提供を開始した。

 小学校~高校までが対象で、一定期間は効果検証を目的に無償で提供する。トライアル期間(約1年間)後の料金は、1アカウントあたり月額150円(生徒、先生ともに)。

 メンタリでは、いじめなどの学校生活における問題や要望をアンケートで回収、分析する。回答内容をAIで分析し、支援が必要な児童や生徒を迅速に把握できる。また、AIチャットを通じて児童や生徒の相談を整理し、相談内容や対応方法を教師にアドバイスする。

 AIチャットは、生徒側にも用意される。サービスのキャラクター「モフ」が登場し、気軽に悩みを相談できる。「モフ」は、生徒に直接アドバイスをせず、聞くことに特化し、悩みの言語化や相談内容の整理に努める。

チャット画面
キャラクター「モフ」

最後は人が対応するかたち

 アプリは、「生徒用」と「教師用」の2つが用意される。

 教師用には「アンケートの作成」と「チャットへの招待」機能がある。それぞれ、回答できる時間帯を設定できる。

アンケートを入口に

 「アンケート」では、チェックボックスや自由記述形式で設問を用意できる。生徒からの回答が集まると、教師用アプリでそれぞれの回答を確認できる。回答は、AIで分析されており、注意が必要な回答には、一覧ページでアラートが出る。

アンケート結果で、支援が必要な回答にはアラートが発出されるしくみ

 なお、生徒用アプリには、「周りの生徒がのぞき込んだりする可能性があるため」、回答結果の履歴が残らないようになっている。

必要な生徒にはチャットへ招待

 アンケート結果におけるアラートに関わらず、先生が必要だと思う生徒には、AIチャットへ招待する。生徒側の端末には、アイコンでチャットへの招待が通知される。画面には、どの先生から招待されたかがわかる。

 チャット画面ではキャラクター「モフ」が、最近の困りごとなどをヒアリングする。AI自体がアドバイスすることはなく、“聞き手に徹する”かたちで、チャットの内容や文脈に合わせて質問し、ある程度情報がまとまると「先生に提出するか」を生徒に尋ねて、提出するかたちになる。途中で回答をやめてしまっていても、指定の期日に内容が送信される。

 チャット結果は、先生側アプリで確認できる。画面には、チャットの会話内容とそれを分析して要点をまとめた内容、専門家から共有された類似事例と対応方法が表示される。類似事例はAIの解析で選定されており、類似事例に当てはまらない場合など、専門家に直接アドバイスを求めることもできる。

チャット結果画面、左に要約、右にチャット履歴、その下には具体的な類似事例が紹介されている

 同様のサービスは他社からも提供されているが、「メンタリ」では、先生の支援を助けることに重点を置いており、最後は人の手で対応するよう設計されている。

 チャットの文面は、サービス開始時点で「漢字モード」と「ひらがなモード」を選択できるのみだが、今後は生徒の年齢など属性に合わせた文面へアップデートが検討されている。

監修した専門家
相談しづらい生徒に向けてDXで支援する

先生の働き方にも配慮

法人事業統括AI・クラウドプラットフォーム本部サービス企画第1部担当部長の小川光洋氏

 なお、アラートの発出条件は、あえてしきい値を下げて発出されやすいようにしている。法人事業統括AI・クラウドプラットフォーム本部サービス企画第1部担当部長の小川光洋氏は「“空振り”はいいが、“見逃し”は絶対NG」と指摘。生徒の変化を見逃さず、すぐにキャッチアップできる仕組みを取り入れたとした。

 また、チャットが利用できる期間のほか、時間帯も設定できるようにしている。小川氏は「技術的には24時間365日受け付けられるが、先生の労働時間内に受け付けられるようにしている」とコメント。生徒がせっかくチャットで悩みを打ち明けてくれたのに、回答が土曜日や連休前だと、次の学校がある日までその“悩み”が寝かされてしまうことになる。「鉄は熱いうちに打て」のことわざ通り、生徒の悩みが整理されたタイミングで先生が適切に対応することで、より適切な対処ができるという。