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楽天SPUにファミマが初の外部参加、両社が狙う来店動機と「最強のポイ活」 ネットとリアルをつなぐハブ戦略

 楽天グループと楽天ペイメント、ファミリーマートは22日、パートナーシップ推進発表会を開催し、楽天市場の「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」にファミリーマートが参加すると発表した。楽天グループ外企業のSPU参加は初。

左からファミリーマート 足立光氏、小谷建夫氏、楽天 三木谷浩史氏、河野奈保氏

 楽天とファミリーマートは、2007年の楽天ブックス店頭受取から連携を開始し、楽天Edyや楽天ペイ、楽天ポイントカードを導入してきた。今回の取り組みは、その関係をさらに推進するというもの。

 楽天の三木谷浩史会長は「ファミリーマートでお買い物すると、自然と楽天市場でのポイントがアップする。楽天ユーザーは自然とファミリーマートでのお買い物が増える」と語り、オフラインとオンラインのシームレスな繋がりが実現されると述べた。

楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏

 また、ファミリーマートの小谷建夫社長は、コンビニエンスストア業界が転換期にあると説明。「今やポイントはお客様にとって価値ある資産」とし、楽天のオンラインにおける利便性とファミリーマートの巨大なリアル店舗網が高度に融合することで、ユーザーの利便性を最大化させるとする。

ファミリーマート 代表取締役社長 小谷建夫氏

 SPUは、対象サービスを使えば使うほど楽天市場でのポイント還元率が上がるプログラム。これまでは楽天グループ内の16サービスが対象で最大18倍が提供されていたが、ファミリーマートの参加により対象が17サービス、最大18.5倍に拡大される。

 ファミリーマートの店舗で楽天ポイントカード(物理カード、アプリ、楽天ペイ内、ファミペイアプリ連携など)を提示し、月額合計3000円以上の買い物をすることが条件となる。条件を達成すると、その月の楽天市場での買い物時に付与されるポイントが+0.5倍となる。

 取り組みの背景には、両社が持つ巨大な顧客基盤と経済圏の相乗効果がある。楽天は国内で70以上のサービスを展開し、月間アクティブユーザー数は4588万人、複数サービスを利用するクロスユース率は77.1%に達する。

 また、楽天ポイントの累計発行数は5兆ポイントを超える規模。SPUは、サービス開始からの10年間で、楽天市場ユーザーの利用サービス数は2.8倍に増加しており、プログラムによる強力な送客効果が示されている。

 楽天の河野奈保氏は、楽天モバイルの「楽天最強プラン」をはじめ、グループ全体で「最強」と名のつくサービスの向上に取り組んでいることに触れ、一人ひとりのユーザーのポイント体験を最大化する「最強のポイ活」を推進していくと説明した。

楽天 取締役副社長執行役員グループCMO 河野奈保氏

 ファミリーマートの足立光氏は、今回のSPU参加に至った最大の理由として「楽天のデジタル経済圏との融合による、強力かつ継続的な来店動機の創出」を挙げる。オンラインで1億以上のIDを持つ楽天と、全国1万6000店舗を展開するファミリーマートの接点を拡大することができる。

ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO 兼 マーケティング本部長 足立光氏

 足立氏は「デジタルとリアルの融合、オフラインとオンラインの融合は昔から言われているが、この規模での取り組みはあまりなかった」と語る。

 今年で創立45周年を迎えたファミリーマートは、「ちょっとおトクでワクワクするコンビニ」をテーマに掲げている。今回の楽天との連携もその一環であり、リアル店舗での日々の購買行動がデジタル経済圏の特典に直結するという、ユーザーにとっての「おトクで楽しい体験」に繋がるとしている。

 ファミリーマートは今後の展望として、施策の効果が「おむすび」キャンペーンのような大型キャンペーンに匹敵する効果があると想定する。これまで「物販の場」であった店舗を様々な経済圏の「ハブ」にしていきたいと語った。

主な質疑応答

――外部企業のSPUへの参加は今後も進めるのか、参加条件はあるのか。

河野氏
 楽天グループ外のファミリーマートと組むことが重要な一歩です。今後の戦略として多くの企業との連携は想定しているというよりは、まずはファミリーマートと強固なタッグを組み、ユーザーがどのような反応をするかに注力していきたいと思います。

――楽天市場の商品をファミリーマートでポップアップストアにするなど、ポイント以外の連携も考えているか。

河野氏
 今回はSPUプログラムとしての発表ですが、楽天グループの様々な連携の歴史があって本日に至っています。今後もそれ以外の取り組みを強化したく、協議していきたいと思います。

――テクノロジー面においてもお互い連携できると思う。こういったシステム面においても連携を考えているのか。

足立氏
 これから考えるかもしれません。今回の取り組みも今までの延長線上にあります。そのため、今後の様々な取り組みのひとつとして、おそらく検討していくことになると思います。

――現在の楽天経済圏の立ち位置と課題感は。

河野氏
 様々な企業が経済圏を作っていることは承知していますが、それはユーザーが求めているからこそ市場が拡大しています。楽天エコシステムを使った人の定着率はどんどん進んでいるため、既存ユーザーにしっかり貢献していくことが重要だと思います。

――今回の来店機会で想定しているターゲット層は。

足立氏
 楽天を利用している方のプロファイルを見ると特定の層に偏っていないため、全国くまなく老若男女のポイントユーザーがターゲットであり、このキャンペーンが響くと考えています。

――最強のポイ活を考えたとき、他社もある中でなぜファミリーマートなのか。

河野氏
 今までも様々な取り組みをしてきた中で、相性の良さを理解しています。直近のキャンペーンで、ファミリーマートのシュークリームを利用した際に、とてつもない反響がありました。相性の良さに加え、企業間の連携のしやすさや、お互いチャレンジを続ける企業風土の相性が良いと考えています。

――楽天から見てリアル小売との連携は、今後他社とも等距離に進めるのか。

河野氏
 楽天ポイントカードで様々なパートナーとオープンに取引しているのは事実です。しかし今回は、まずファミリーマートと良いサービスを提供することを考えており、7月1日からの反応に注力します。その先のことは成功した暁に考えたいと思います。