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ソフトバンク、HAPSを想定した上空3000mからの5G通信の実証に成功

 ソフトバンクは18日、HAPS向けの大容量ペイロードを開発し、上空からの5G通信の実証実験に成功したと発表した。実証実験は、東京都八丈島で実施され、高度3000mに滞空する軽飛行機に搭載されたペイロードを使って実証された。

 ペイロードは、上空のHAPSとスマートフォンなどのデバイスを結ぶ「サービスリンク」装置と、HAPSと地上局(ゲートウェイ、基地局と接続した地上局)の間を結ぶ「フィーダリンク」装置を融合させたもの。同社では、HAPSによる直径最大200kmの通信エリア化と大容量通信の実現に向けて、複数セル対応のペイロードの研究開発を進めている。

 今回のペイロードは、6セルに対応したもので、実証実験では1.7GHz帯のサービスリンクと26GHz帯のフィーダリンクを中継させ、基地局とデバイス間のエンド・ツー・エンドの5G通信を実証した。あわせて、高度3000mから地上に向けて形成した6セルのエリアを安定化させる(フットプリント固定)実証も行った。

 軽飛行機の旋回の中心から15kmの時点で下り平均約33Mbpsを達成。HAPSのカバーエリアの端に相当する環境でも通信を維持でき見通しを得られたという。また、旋回中の軽飛行機から60°ごとに構成される円形状の通信セルについても、最も受信電力の高いセルが60°ごとに切り替わっていることが確認できた。

 同社では、今回の実証を踏まえ、ペイロードの改良を進め、さらなる大容量化とHAPSの商用サービスでの実証を目指すとしている。