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Meta、次世代AIグラス「Meta Ray-Ban Display」発表 神経入力リストバンドで直感操作

 米Metaは、年次カンファレンス「Meta Connect 2025」で、AIグラス「Meta Ray-Ban Display」を発表した。製品には、メガネを操作するリストバンド「Meta Neural Band」も付属する。価格は799ドル(約11万7500円)~で、日本での展開については明らかにされていない。

ディスプレイとデザイン

 Meta Ray-Ban Displayは、高解像度かつ鮮明な画質を実現するディスプレイを搭載。カスタムライトエンジンと導波路により、ファッション性を重視した小型のフレームに収められている。解像度は視野角1度あたり42ピクセルで、優れた視認性を提供し、現行の市販ヘッドセットを大きく上回る密度を実現している。

 調光レンズと自動調光アルゴリズムにより、屋内外を問わず鮮明でカラフルな映像を表示。光漏れも2%に抑え、人前でも違和感なく利用できるとしている。

 投影ディスプレイはサイドに配置され、視界を妨げない設計。常時表示ではなく、短時間のインタラクションに特化している。写真や動画の撮影時には、Ray-Ban Metaグラスと同様、録画中を示すLEDインジケーターが点灯し、周囲に知らせる。

視界の端に表示される

Meta AIと視覚的機能

 AIアシスタント「Meta AI」は、日常のタスク支援やメッセージ返信、共同作業、情報検索などを視覚的にサポートする。ユーザーが見ている対象を認識し、質問への回答や翻訳も行える。

 たとえば、視界に入った物について質問すると、その場で答えを提示。メッセージの送受信や通話、写真や動画の共有も可能で、WhatsAppやMessenger、Instagramなどと連携し、タップ操作だけで友人とやりとりできる。「プレビューとズーム」機能では、カメラプレビューの拡大・縮小や写真・動画の選択表示も行える。

写真や動画撮影もできる
撮影した写真も確認できる

 「歩行者ナビゲーション」機能では、スマートフォンの案内をグラスのディスプレイに表示し、経路を継続的に確認できる。さらに、リアルタイムでキャプションや翻訳を表示する「ライブキャプションと翻訳」、音楽の再生・音量調整・早送りなどの操作もメガネから直接行える。

話している人を認識してキャプションを表示する

Meta Neural Bandによるシームレスな操作

 Meta Ray-Ban Displayは、リストバンド型デバイス「Meta Neural Band」と連携し、直感的な操作を実現する。Meta Neural Bandは、深層学習アルゴリズムと表面筋電図の研究をもとに開発され、触覚フィードバックと同期することで、指先の「クリック」といった小さな動作だけでメッセージ送信やアプリ操作が可能になる。

返信を書いているマーク・ザッカーバーグ氏

 わずかな筋肉の動きを検出し、意図を理解する仕組みにより、見た目では分からない情報も伝達できる。バンドは耐久性に優れ、最大18時間のバッテリー寿命とIPX7の耐水性を備え、一日中快適に装着できるという。

ラインアップなど

 Meta Ray-Ban Displayはブラックとサンドの2色で、フレームサイズはレギュラーとラージの2種類。Meta Neural Bandは3サイズを展開する。グラス本体は軽量で長時間装着しやすく、バッテリーは最大4時間、充電ケース併用で最大30時間利用できる。

 価格は799ドルからで、Meta Ray-Ban DisplayとMeta Neural Bandがセットになっている。米国では9月30日から一部店舗で販売され、2026年初頭にはカナダ、フランス、イタリア、英国でも展開される予定。