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グーグル、Android XRにGemini搭載 メガネ型デバイスで道案内やリアルタイム翻訳などのデモも
2025年5月21日 04:59
グーグルは、開発者向けイベント「Google I/O」にて、拡張現実(XR)向けのプラットフォーム「Android XR」の最新情報を発表した。注目は、AIモデル「Gemini」を搭載したメガネ型デバイスやヘッドセットへの展開。
Android XRとGeminiの統合
Android XRは、Gemini時代に構築された初のAndroidプラットフォームであり、ヘッドセット、メガネ、その中間に位置するさまざまなデバイスのエコシステムを強化することを目的としている。
これらのプラットフォーム上でGeminiを活用することで、ユーザーの視点から世界を見るAIアシスタントが実現。ハンズフリーでのサポートが可能となり、ユーザーは現実や仮想の世界に集中したまま必要なサポートを得られるようになる。
グーグルは、サムスンやクアルコムとともにAndroid XRを発表しており、今年後半に登場予定の「Project Moohan」のようなヘッドセットが、没入感の高い体験を提供するとしている。
Android XRグラスの進化
グーグルは10年以上にわたりスマートグラスのコンセプトに取り組んでおり、Android XRで大きな飛躍を遂げていると強調した。
カメラ、マイク、スピーカーを搭載したこれらのメガネ型デバイスは、スマートフォンと連携し、ポケットから取り出すことなくアプリへアクセス可能。さらに、オプションのレンズ内ディスプレイを使えば、必要な情報のみをプライベートに表示できる。
これらのメガネ型デバイスをGeminiとペアリングすることで、ユーザーが見たり聞いたりするものを認識し、そのコンテキストを理解。重要なことを記憶しながら、一日を通してサポートを提供するという。
実世界での利用シナリオ
デモンストレーションでは、Android XRグラスが実際のシーンでどのように機能するかが紹介された。例えば、友人へのメッセージ送信、アポイントの予約、会話形式の道案内、写真撮影などに加え、2人によるリアルタイム翻訳のデモも披露された。
パートナーシップと今後の展望
グーグルは、Geminiを融合したAndroid XR搭載のメガネ型デバイスの実用化に向けて、さまざまなブランドやパートナーと協力中。すでに信頼できるテスターに試作品が利用されているという。
特に、一日中着けたくなるようなスタイリッシュなメガネ型デバイスの開発を目指し、Gentle MonsterやWarby Parkerといったアイウェアブランドとの提携を発表した。さらに今後は、Kering Eyewearのようなパートナーとも協力を進める予定。
また、サムスンとのパートナーシップも、ヘッドセットだけでなくメガネ型デバイスにも拡張。エコシステム対応の優れたメガネ型デバイスを製造できるよう、ソフトウェアおよびリファレンスハードウェアプラットフォームの共同開発も進めている。
開発者は、今年後半からメガネ型デバイス向けに開発を開始できる予定となっている。