ニュース

「XREAL One Pro」日本で7月24日発売、新光学モジュールの開発で最大級の視野角57°を実現

 日本XREALは2日、ARグラス「XREAL One Pro」を7月24日に発売すると発表した。同時に予約受付を開始した。価格は8万4980円。

 独自の光学エンジンのほか、先代モデル(XREAL One)から引き続き独自のチップセット「XREAL X1」を搭載、視野角が拡大され、より没入感と迫力のあるAR体験ができる。

新型モジュール搭載のXREAL One Pro

プロダクトマネージャーの高天夫氏、右は高氏のAIアバター

 プロダクトマネージャーの高天夫氏は、まず、日本国内で展開し始めて5年が立ったことに言及。一番重要な“信頼”を得るために、高氏をはじめとしたプロダクトチームや、ローカライズするチームのおかげで日本での成長に繋がったとアピールした。このほか、開発会社など関係する会社を含め、国内でユーザーの声を拾ったりコミュニティを作ったりすることで、フィードバックを得てXREALの成長に繋げていっていると説明する。

 この流れはグローバルでも実施しており、先代モデル「XREAL One」は、Google検索のトレンドやAmazonのキーワード検索などを見ても高い関心を得ているとアピール。好評を得た「XREAL One」からさらに一歩進んだデバイスとして、新製品「XREAL One Pro」を紹介する。

 「XREAL One Pro」では、視野角57°という、同社だけでなく他メーカーのARグラスまでも凌ぐ広い視野角を実現。その秘密は、光学モジュール自体の設計を変更し、形状から大胆に変更したことにある。これにより、光学モジュールの大きさは前モデル(XREAL One)比で約44%減少、見える面積が30.8%増加した。モジュールの改良により、下や横からの写り込みが低減され、特に横や下からの光の反射は「ほぼ99%反射がなくなった」(高氏)という。

 また、この光学モジュールの内部はより複雑なものになったが、これを量産化できるようになったと同社の先進性をアピールする。

体積が減った新しい光学モジュール。薄くなっている

 チップセットは、前モデルと同じX1チップを採用し、機能拡充を進めている。たとえば、サイドスクリーンの大きさが変えられ、地図アプリの画面を見ながら街を散策できるようになったり、自動調光機能がアップデートされたり、音質が改善したりしている。

 スクリーンの輝度は最大700ニト、バックスクリーンとなる調光機能は、3段階の電子調光機能を搭載。本体のボタンを押すだけで、3段階で調整できる。リフレッシュレートは最大120Hz。10m先に最大428インチ(32:9)のウルトラワイドスクリーンで投影できる。

 接続端子は、USB Type-C端子。Type-C端子を備えたDisplayPort対応AndroidスマートフォンやiPhoneなら、アダプターなしで直接接続して使用できる。

 価格は8万4980円。7月23日までにXREAL公式サイトや取扱店で予約すると、本体に給電しながら利用できる「XREAL Hub」(5980円)が無料で提供される。

眼鏡を掛けているような感覚、追従もよりなめらかに

展示会内のXREALブース

 説明会は東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されたビジネス向け展示会「XR・メタバース総合展」内で実施され、説明会後そのまま体験できる機会を得た。

 実際のかけ心地は、少し大きめの眼鏡という感じで、ケーブルの煩わしさはあるものの、直接スマートフォンと接続できるので、そのまま歩き回れる。光学モジュールの小型化もあり、重心もあまり気にならない。

新しい光学モジュール、小型化された
左が前モデル「XREAL One」、右が今回の「XREAL One Pro」。中央のモジュール部が大きく変わっているのがわかる

 広い視野角によって、スポーツ中継などでより迫力ある映像が体験できる。解像度自体は前モデルから変わらないが、視野角の拡大はより多くのメリットを享受できる重要なポイントだ。スマートフォンゲームなどでも、よりキャラクターが身近に感じられる。

 調光機能を使えば、より没入感のある映像体験ができる。透過率を最小にすると、周囲が見えなくなる。周囲の光がグラス内に反射する現象も、ほとんど感じられず、映画などもよりしっかりした描写が体験できる。

Project Auraの最新情報を創業者自身が語る

 日本で開催された今回の説明会には、XREAL創業者兼CEOの徐馳氏が駆けつけ、日本ユーザーに向けてあらためてAndroid XR搭載スマートグラス「Project Aura」の最新情報を説明した。

XREAL創業者兼CEOの徐馳氏

 「Project Aura」は、これまでの同社製ARグラス同様のグラス型のデバイスになり、グラス部分のチップセットには、同社開発のチップセット「X1S」が搭載される。「X1」よりも処理速度が25%向上し、特にマルチタスクの処理性能が向上する。これと手元のクアルコム(Qualcomm)製チップセットを載せたデバイスが連携することで、より快適なXR体験が提供できるという。

 また、視野角は最大70°。これは、先述の「XREAL One Pro」の視野角(57°)よりも大きく、ARグラスとしてはかなり大きいものとなる。

 「Project Aura」は、2026年内に登場するといい、具体的な時期は明かさなかったものの、「日本初の『Android XR』を体験できるデバイスとして、できるだけ早い時期に展開したい」と徐氏は意気込んでいた。

Amazonで購入