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シャープがスマホ冬モデルを解説、IGZOを軸に進化を継続
(2013/11/7 18:32)
シャープは、2013年度の下期に投入するスマートフォンの説明会を開催した。今後のビジョンや、下期に投入するスマートフォンで重点的に取り組んだ点などが解説された。
登壇したシャープ 通信システム事業統轄 兼 通信システム事業本部長 常務執行役員の長谷川祥典氏は、同社の事業ビジョンを、現在のスマート・プロダクトだけでなく、スマート・サービス、スマート・デバイスにまで拡大していくと説明。ボーダーレスなモバイルライフを提供するとしたほか、こうした事業領域の拡大の流れは、日本の携帯電話事業者と「目指す方向は同じであると考えている」と、協調できるものであるとした。冒頭にはスマートデバイスやサービスを活用する未来のイメージも映像で紹介された。また、Windows 8.1搭載のタブレット「Mebius Pad」などの製品を通じ、ビジネスや教育現場向けの展開も拡大していく。
2013年度の下期に投入するスマートフォンは、NTTドコモが4機種、ソフトバンクモバイルが2機種、auが1機種の合計7機種。これらの端末で重点的に取り組まれたのは、IGZO液晶の採用による長時間駆動。
ドコモから発売された「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」は、ドコモが想定する実使用時間で98.9時間となり、ドコモのスマートフォン史上最高クラスの駆動時間になっている。新しいIGZO液晶パネルは、透過率や新開発の駆動IC、液晶アイドリングストップの向上などにより、従来型の液晶と比較して通常時で20%、動画再生時で38%、静止画再生時で56%と、それぞれ省電力化を実現している。
IGZO液晶ではまた、330ppi以上でグラビア写真と同程度といわれていた密度をさらに高め、4.5インチ液晶の「AQUOS PHONE EX SH-02F」「AQUOS PHONE Xx mini 303SH」では487ppiを実現している。
液晶の進化による狭額縁化も重点的に取り組まれ、ソフトバンク向けの「AQUOS PHONE Xx 302SH」では、ディスプレイ占有率が80.5%という狭額縁の設計が特徴。302SHはIGZO液晶ではなくS-CGシリコン液晶となっているが、これは長谷川氏によると、三辺の狭額縁化のデザインを実現するための選択という。
この302SHで実現した狭額縁化のデザインを、シャープでは「EDGEST」(エッジスト)と名付け、その外観についてもアピールしていく方針で、「新しい価値を創造していく」と意気込んでいる。
このほか重点的に取り組んでいる領域として、暗い場面にも強いカメラ機能、センサーで手に持った状態を把握し、バックライトや画面の回転、スリープ解除などを制御できる「グリップマジック」、いちはやく新しい通信サービスや通信速度をサポートしている点を挙げた。
シャープではまた、メーカーサイトの「SH SHOW」をリニューアルしており、動画を含めて初心者向けの解説コーナーを拡充したり、アプリを紹介したりしている。シャープ製端末に対応するカバーや周辺機器の紹介も行うほか、今後は会員制のプレミアムサービスやアクセサリーのカスタマイズなども検討されている。
長谷川氏は、こうした取り組みを総合し、2014年度で国内市場のAndroidメーカーとしてナンバー1を目指す、という目標が示された。
質疑応答の時間には、ナンバー1の内容について聞かれ、長谷川氏は「シェアについてもナンバー1、お客様総合満足度でもナンバー1を目指す」と、総合的に評価を高めていく姿勢を示した。
ドコモがiPhoneの取り扱いを開始したことについては、長谷川氏は「市場状況は大きく変わっている」との認識を示す一方で、通期の販売には影響がないとした。
冒頭に触れられた、スマートデバイス(周辺機器)への事業拡大については、シャープ 通信システム事業本部 副本部長 兼 マーケティングセンター所長の新井優司氏が回答、「(腕時計型などが)話題になっていると認識している。サービスと連携して、新しいスマホの使い方になっていくことの表れで、検討していきたい」と前向きな姿勢を示している。
下期投入モデルが一堂に、「フレームレスIGZO」も参考展示
発表会ではこのほか、展示コーナーにて下期に投入する端末が披露された。またこの中では、参考展示として、三辺の額縁を完全に無くした液晶パネル「フレームレスIGZOコンセプトモデル」も紹介されており、8.8V型、4.9V型が展示されていた。どちらも下側以外の三辺は端まで液晶という状態で、実際に駆動し写真などが表示されていた。