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ルネサス、無線モデム事業から撤退へ

 ルネサス エレクトロニクスと子会社のルネサス モバイルは、無線モデム事業から撤退する。今後は自動車向け、産業機械向けの事業に集中していく。

 ルネサス エレクトロニクスは、2010年11月にノキアからモデム技術開発部門を買収し、欧州、インド、北京にあったそれぞれの会社をまとめる親会社としてルネサス モバイルを設立し、LTEモデムを開発・製品化してきた。しかし、「想定を上回る厳しい市場環境」から、グループとして中核事業へ経営資源を集中させるため、モデム事業からの撤退を決定した。

 今回の決定により、LTEモデムの新規開発と拡販を停止する。3G世代の製品を含めて、すでに顧客に納入中の量産品の供給は継続されるが、拡販を停止するため、新規開発を行っていない3G世代を含めて、すべてのモデム事業から撤退することになる。

 ルネサス モバイルの子会社であるルネサス モバイル・ヨーロッパ、ルネサス モバイル・インド、ルネサス モバイル北京の3社は、2013年12月末に事業を停止する予定。ルネサス モバイルは今後、高性能プロセッサなど自動車向け情報システム事業や、産業機器向け事業を中核として、さらに運営に注力していくとしている。

太田 亮三