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Geminiの「Deep Research」が一部無料開放、ユーザーの趣味趣向に沿った回答生成も

 Googleは、生成AI「Gemini」で検索履歴にもとづいたパーソナライズ機能の提供や、詳細を検索してレポート形式で出力する「Deep Research」を無料ユーザーでも利用可能にするなど、機能の拡充・サービス拡大を行った。

検索履歴にもとづいたパーソナライズ機能

 Googleは、生成AIモデル「Gemini」をGoogleアプリで使用すると、個々のユーザーの興味関心に最適化(パーソナライズ)して結果を出力する。その第一弾として、Googleの検索履歴にもとづき、ユーザーの興味関心にあわせて関連性の高い応答が可能になった。

 今後数カ月以内に、GoogleフォトやYouTubeを含めた他のGoogleアプリやサービスと接続することで、Geminiはユーザーをより深く理解できるようになるという。Googleフォトとの連携により、運転免許証の有効期限などの情報をGeminiに尋ねることが可能になる。

 使い方は、モデルのドロップダウンメニューから、「Personalization(experimental)」を選択すると、GeminiアプリとGoogle検索履歴を接続するための確認ダイアログが表示され、「今すぐ接続」を選ぶと、GeminiがユーザーのGoogle検索履歴にアクセスできるようになる。プロンプトを入力すると、Geminiが内容を分析して検索履歴から適切な回答に近づけるかを判断する。検索履歴へのアクセスは、有効にした後でも任意のタイミングで遮断できるという。

 たとえば、Geminiにオススメのレストランを尋ねると、最近の食べ物関連の検索履歴が参照される。旅行のアドバイスを尋ねると、以前に検索した目的地に基づいて応答する。

 ユーザーの検索履歴は、Geminiが実際に役に立つと判断された場合にのみ利用され、初期のテスターを対象にしたテストでは、パーソナライズ機能を備えたGeminiが、ブレインストーミングやパーソナライズされたオススメ情報を得るのに役立つことが確認されたという。

 検索履歴にもとづいたパーソナライズは、GeminiとGemini Advancedのユーザー向けに本日から利用可能となり、45以上の言語と世界の大半の国で利用でき、既に日本ユーザー向けにも提供されている。なお、現在のところ18歳未満のユーザーはこの機能を利用できないほか、EU、英国、スイスでは利用できない。

 その他のアプリでは、英語版でカレンダー、メモ、タスク、写真などが「2.0 Flash Thinking Experimental」で利用可能になる。これらのGoogleサービスとの連携により、Geminiに1つのプロンプトで「YouTubeで簡単なクッキーのレシピを検索して、材料を買い物リストに登録して、近くでまだ営業中の食料品店を探して。」と頼めるようになる。

「Deep Research」が無料でもお試し可能に

 「2.0 Flash Thinking Experimental」に新機能が追加され、扱えるコンテキストウィンドウがより長くなった。また、同モデルのアップグレード版が提供開始され、モデルの推進能力を強化しより良い回答を提供するために、プロンプトを一連のステップに分解するように訓練され、効率とスピードがアップしたという。

 このほか、Gemini Advancedのユーザーは同モデルで扱えるコンテクストウィンドウが100万トークンに拡大した。これにより、大量の情報を探索・分析することで、これまで以上に複雑な問題が解決できる。

 詳細を調査・分析してレポート出力する「Deep Research」が無料ユーザーでも試せるようになる。対応する言語は45以上で、新しいプロンプトバーまたはドロップダウンから「Deep Research」を選択するだけで、無料ユーザーも月に数回「Deep Research」を試せる。

 また、有料ユーザーのGemini Advancedは、「Deep Research」へのアクセスが拡張され、最も複雑なプロジェクトにかかる時間を短縮できる。

 目的にあわせて、Geminiにどう振る舞ってもらうかを予め指定できる「Gems」が誰でも利用可能となった。たとえば、翻訳者、ミールプランナー、数学コーチなど、ユーザー独自の「Gem」を簡単に作成できる。

 日本のユーザー向けにGoogleがあらかじめ登録している「Gem」は、パーティやプレゼント、仕事などの場面に役立つ「アイデア出しのプロ」、「キャリアアドバイザー」、「学習コーチ」、「編集者と校正役」など。

Google Workspace向けの変更点

 企業向けのGoogle Workspaceのユーザーでは、Business Starter 、Enterprise Starter 、Education Fundamentals/Standard/Plus 、Frontline Starter/Standard 、Enterprise Essentials/Enterprise Essentials Plus、Nonprofitsで、「Deep Research」と「Gems」が利用できる。

 これらのGoogle Workspaceユーザーが無料で使える「Deep Research」の件数は30日間ごとに5件まで。アップデートは3月13日に配信が開始され、1〜3日程度で全てのユーザーに適用される。

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