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ソフトバンク宮川社長、Cristalに「大チャンス。期待してほしい」

 ソフトバンクの宮川潤社長が10日、決算発表でOpenAIとともに国内でAIを提供する意義などを話した。

 ソフトバンクは、法人向けにマイクロソフトやグーグルのAIサービスも提供している。OpenAIとともに「Cristal Intelligence」(Cristal)を提供する意義を問われた宮川氏は「マイクロソフトのAzureやグーグルのGeminiにも特徴があり、それらを活かしいく」と話す。対して、Cristalは既存のAIとは異なる自律型を目指すものであり「こうしたものを日本企業が先駆けて導入して日本企業が強くなれれば、日本の未来は明るいんじゃないか」と語る。OpenAIとの提携も、積極的な取り組みの一環だと説明した。

 ソフトバンクグループは、4500億円をCristalの利用料として支払い、ソフトバンクとしては従量制で使用する。ソフトバンクは営業利益8000億円ほど。宮川氏は「純利益5000億円ほどで、うち4000億円くらいが配当に消える」と説明。Cristalに対する支払いで、会社の体制に影響するのではという疑問に対して「それだけの利益が上がる構造のものが紐づいての支払いになる。得るものはあっても失うものはない取引を目指す」と話した。

 さらに、宮川氏はソフトバンクグループ会長の孫正義氏との交渉のなかで「親のスネかじりじゃないか」と罵倒されたと話しながら「社長としてこの会社を守る必要がある。来年の予想にもSB OpenAI Japanとの取引はプラスはあってもマイナスはない交渉をした。大チャンスだと見ているので今後について期待してほしい」とした。

 現時点では、ソフトバンクとソフトバンクグループ間の支払いは、SB OpenAI Japanが全額を引き受け、グループ会社のための開発を行い、その差分がOpenAIに開発費として支払われる契約という。そのほかに利用を希望する企業に対する料金としては「ソフトバンクが導入し、企業がどう変革できるのかという結果を出したうえで見極める」とした。