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Metaがファクトチェックを廃止へ、トランプ政権との協力を強調
2025年1月8日 22:45
米メタ(Meta)は、運営するSNS「フェイスブック」「インスタグラム」「スレッズ」について、米国で第三者による投稿のファクトチェックを廃止すると発表した。また、コンテンツポリシーやその運用を変更するとしている。
公式サイトでは、ザッカーバーグCEOによる動画が公開されている。
第三者ファクトチェックを廃止
ザッカーバーグCEOは、2016年の大統領選挙でトランプ氏が勝利してから、旧来のメディアが「誤情報は民主主義への脅威」だと常に述べてきたことに言及した。実際に、現メタのプラットフォームでは、2016年に独立したファクトチェックプログラムが開始されている。
しかし今回、ザッカーバーグ氏は、ファクトチェッカーが「政治的に偏りすぎており、とりわけアメリカでは信頼を築くよりも破壊してきた」と発言。そして、米国で第三者によるファクトチェックを廃止し、代わりにX(旧Twitter)で採用されている「コミュニティノート」プログラムを段階的に導入すると発表した。
コミュニティノートでは、誤解を招く可能性がある投稿や、より詳細な文脈が必要な投稿に対し、ユーザーがノートを作成し、評価する。
ファクトチェックの入った不適切な投稿の表示が減ることはなくなるという。また、これまでは全画面に表示されていた注意書きが廃止され、はるかに目立たないラベルが使われるようになり、追加情報は見たい人の目にのみ触れることとなる。
コンテンツポリシーの簡素化
さらに米国では、移民とジェンダーのトピックについて投稿するときのルールの多くが、今後数週間のうちに撤廃される。
そして、以前はすべてのポリシー違反を自動スキャンしていたが、今後は、「軽度な」違反についてはユーザーによる報告に頼るとしている。また、ポリシー違反の可能性がある投稿でも、削除されることが少なくなる。この理由は、違反認定の間違いを減らすためだとされている。
また、カリフォルニアを拠点としていたコンテンツのレビューチームはテキサスに移される。ザッカーバーグ氏はこのことについて「チームのバイアスに関して懸念の少ない土地に動かす」ためだとしている。
政治的な投稿をパーソナライズして表示
メタは2021年以降、政治的なコンテンツの表示をおすすめに表示しないようにしてきた。しかし今後はその方針を転換し、フィードに、よりパーソナライズされた政治コンテンツを表示するという。
今回の変更は「表現の自由を守るため」
ザッカーバーグ氏は動画で、「トランプ大統領とともに、アメリカの企業に検閲を迫る世界各国の政府を押し戻す」と強調。
ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中国の規制を例に挙げ、このような世界的なトレンドを押し戻すためには、アメリカ政府のサポートが必要だとしている。しかし、(バイデン氏が政権を担っている)ここ4年間は、米国が検閲を推進していたため、それが難しかったという。ザッカーバーグ氏は、米国がメタとそのほかのアメリカ企業を追及してきたことで、他の政府の追及までが厳しくなったと主張している。