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アイルランド当局による550億円の支払い命令、Metaは「強く反対」の方針

 米Meta(メタ)は、アイルランドデータ保護委員会(Irish Data Protection Commission)がMeta Ireland(旧Facebook Ireland Limited)に科すと発表した約550億円の制裁金などについて、当局の決定に強く反対する方針で、不服を申し立てると発表した。

 制裁の内容は、FacebookとInstagramが欧州のGDPRに違反しているとして、アイルランドデータ保護委員会が発表したもの。

 当局は、Facebbokに2億1000万ユーロ、Instagramに1億8000万ユーロ、あわせて3億9000万ユーロ(約550億円)の制裁金支払いを求めたほか、3カ月以内に法令を遵守したデータ処理を行うことをMetaに命じた。

 EUでは、2018年5月にGDPRが施行された。Metaでは、同日以降もFacebookやInstagramを利用するには、新しいサービス利用規約に同意することをユーザーに求め、新しい利用規約への同意をもって、Meta Irelandとユーザー間での契約が締結されたと考えていた。

 しかし、アイルランドデータ保護委員会は、利用規約へ同意しない場合はサービスが継続利用できないため、同意を強制しているとしたほか、両サービスはGDPRが求めている透明性に関する義務に違反していると判断した。また、ユーザーの個人情報は合法的で公正かつ透明な方法で処理しなければならないという条項にも違反していると認め、制裁金やデータ処理における法令遵守を求めた。

 Metaは、同社がGDPRを遵守していると信じており、アイルランドデータ保護委員会の決定には「強く反対する」と表明し、裁判を起こす方針を示した。

 また、Metaはユーザーが広告やプライバシーを設定するためのツールの開発に継続的に投資していると説明した。この取り組みには、利用規約やプライバシーポリシーの明確化、プライバシーに関する新しいショートカットメニューの追加、自分のデータを管理したり一括削除したりするツールの提供、表示される広告に関する説明などが含まれる。