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Apple Payの提供開始から10周年、Apple幹部が語る道のり

 Apple Pay担当のバイスプレジデントJennifer Bailey氏は、Apple Payの提供開始から10周年にあたり、Appleのウェブサイトで声明を発表した。なお、日本国内では2016年10月に「Apple Pay」がスタートしている。

 Apple Payは現在、78の国や地域で何億人もの消費者に使われている。世界中の数千万の店舗、数百万のウェブサイトやアプリの決済に使われ、1万1000行を超える銀行やネットワークパートナーにサポートされている。

 同氏がApple Payが消費者に役立っていることを実感した最も古い記憶の一つは、Apple Pay導入初期に東京圏の交通機関で、乗客がiPhoneやApple Watchをかざして改札を通過する様子を目にし、Apple Payの利便性を強く実感したという。

 消費者がApple Payを気に入る3つの理由では、90%の利用者が「簡単で使いやすい」と答え、88%が「プライバシーの保護」、87%が「セキュリティ」を挙げた。また、米国の顧客満足度では、85%が非常に満足と回答した上で、98%が他の人にも薦めたいと回答した。

 Appleはユーザーが支払いする際に、その取引はプライベートなものとして扱われることが重要と考え、常に消費者保護に取り組んでいるという。Apple Payを使ってもカード番号のような機密性の高い個人情報や金融情報を保護するように設計し、これらの情報は加盟店に共有していない。

 決済以外にも、イベントチケットや交通カード、カギ、政府発行の身分証明書などを、Apple Walletから安全に追加したりアクセスできるようになっている。

iOS 18の追加機能

 iOS 18では、対象となるユーザーがiPhoneまたはiPadで「Apple Pay」を利用してオンラインまたはアプリ内決済を行う際に、米国ではAffirm、英国ではMonzoの分割支払が選べるようになった。また、本日より米国と英国の対象ユーザーは、iPhoneとiPadでオンラインまたはアプリ内決済の際にKlarnaの支払いオプションを選択できるようになる。

 今後、米国内ではCiti、Synchrony、Fiservが、オーストラリアではANZ、シンガポールはDBS、スペインではCaixaBank、英国ではHSBC、NewDay、Zilchが選べるようになる。また、カナダでも将来的にKlarnaの支払いオプションが利用できるという。

 また、iOS 18では米国のApple PayユーザーがオンラインまたはiPhoneとiPadのアプリ内決済でApple Payを使うと、対象のクレジットカードで特典が利用できるようになっている。将来的には、Synchrony、Fiserv、FISで、シンガポールではDBSの買い物で特典を利用できるようになる。

 Apple製ではないWebブラウザやコンピュータでも、Apple Payを通じた支払いが可能になった。会計時にiPhoneまたはiPadを使ってコードをスキャンし、iPhoneまたはiPadのApple Payを使って支払いできる。このほか、Tap to Provision機能では、対象のカードをiPhoneの背面に近づけてタップするだけで、Apple Walletにクレジットカードやデビットカードを追加できる。来年には、米国内でApple WalletでPayPalデビットカードを使う際に、残高が確認できるようになるという。