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Androidアプリ開発者に「Ink API」を提供開始、「かこって検索」にも活用

 Googleは、Androidのペン入力向けに新たなAPI「Ink API」のアルファ版を提供開始した。同APIはJetpackライブラリに組み込みされる。「Ink API」は、低いレイテンシ(遅延)と予測に基づくAndroidフレームワークによって構成され、直感的に取り扱えるという。

 Androidでは、過去にスタイラスやタッチペンなどの入力待ち時間を4ミリ秒まで短縮するAPIを追加した。既に、実質的にスタイラスやペン入力の遅延を感知できないレベルまで短縮しているという。

「Ink API」でできること

 「Ink API」は、ストロークモジュール、ジオメトリモジュール、ブラシモジュールなど複数のモジュールによって構成される。

 ストロークモジュールは、インク入力とその視覚的表現を表す。ジオメトリモジュールは、ストロークの操作と分析をサポートし、消去やストロークの選択などの機能を簡単に実装できる。ブラシモジュールは、色、サイズ、描画に使用するツールの種類など、ストロークの見た目を決める方法を提供する。

 レンダリングモジュールは、インクストロークを効率的に表示した上で、「Jetpack Compose」または「Android Views」と組み合わせできる。ライブオーサリングモジュールは、デバイスができる限り最小のレイテンシでスムーズなストロークを作成する。

 「Ink API」は、Android 5.0(APIレベル21)以降を搭載するデバイスと互換性がある。また、Android 10(APIレベル29)におけるレイテンシ改善や、Android 14(APIレベル34)におけるレンダリング効果と、パフォーマンス改善も活用できる。

「Ink API」を選ぶ理由、かこって検索でも活用

 「Ink API」は、アプリ上で基本的な描画タスクがすぐに利用できるようになるため、アプリ独自のユニークな描画が可能になる。これは、フルカスタマイズした上で実装するのと比べて、使いやすさ、柔軟性などの面で優れるという。

 実際に、ドキュメントのマークアップやかこって検索などに使われているほかに、Google フォト、Googleドライブ、Google Meet、Google Keep、Google Classroomのマークアップにも、このAPIが活用されている。かこって検索では、「Ink API」のモジュール設計により、開発チームは必要なコンポーネントのみ利用することができた。