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スマホの国内出荷シェア、グーグルが急減/シャオミ大幅増に

IDC 参考資料より

 IDC Japanは、国内の携帯電話およびスマートフォン端末の2024年第2四半期(4~6月)の出荷台数を発表した。前年同期比5.6%減の690万台となり、そのうちスマートフォンの出荷は685万台(前年同期比5.5%減)。

 合計で700万台を下回ったのは、新型コロナウイルスの影響を強く受けた2020年第3四半期以来のことになるという。IDC Japanでは、iPhoneは以前の出荷水準に戻りつつあるが、Android端末の需要回復が遅れていると分析している。

メーカー別の出荷台数とシェア

 メーカー別の出荷台数では、アップル(Apple)が1位、シャープが2位、グーグル(Google)が3位となった。シャオミ(Xiaomi)とサムスンがともに4位に入っている。

アップル

 アップル(Apple)の出荷台数は361万台(前年同期比8.6%増)で、シェアは52.4%。

 IDC Japanによれば、361万台という出荷水準は決して多くないが、2023年第2四半期の出荷水準が非常に低かったため、前年同期比で大幅に増える結果となった。Android端末の出荷が減っている中、国内ユーザーのiPhoneに対するロイヤリティの高さが表れたと分析する。

シャープ

 シャープの出荷台数は74万台(前年同期比58.6%増)で、シェアは10.8%。IDC Japanは、国内メーカーが勢いを失う中、シャープが以前と同水準の出荷量を保っていると分析する。

グーグル

 グーグルの出荷台数は58万台(前年同期比47.7%減)で、シェアは8.5%。IDC Japanでは、出荷を大幅に減らす結果になったが、60万台弱という数字は決して低くないとしている。

 キャリア各社が新規獲得キャンペーンの対象製品にPixelシリーズを積極的に採用している状況は変わらず、今後のシェア拡大が見込まれるが、iPhoneユーザーの取込みに苦戦している部分も見受けられるという。

シャオミ

 シャオミの出荷台数は49万台(前年同期比464.4%増)で、シェアは7.2%。中国系のグローバルメーカーが国内市場でトップ5にランクインするのは、2018年第2四半期のファーウェイ以来になる。

 IDC Japanは、シャオミのメディア露出が増えて認知度が高まる一方、NTTドコモによる端末の取扱いがないことから、出荷台数の数字が一時的である可能性が高いと分析している。

サムスン

 サムスンの出荷台数は49万台(前年同期比15.5%減)で、シェアは7.2%。

 IDC Japanでは、約50万台という出荷数は国内市場では決して少なくないと分析。販売価格の平均値が大きく上昇していることから、出荷数を維持しつつ収益性の確保に成功していると分析する。

マーケットアナリストの井辺氏のコメント

 IDC Japanでコンシューマー向けデバイスのマーケットアナリストを務める井辺 将史氏は、「国内市場が縮小すると、国内メーカーのさらなる苦戦が続くことが想定される」とコメント。

 今回はシャオミの台頭が目立ったが、モトローラなど国内で急速に出荷量を伸ばしているグローバルメーカーは多く、今後はトップ5の入れ替わりが頻繁に起こると分析している。