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夏に気をつけたい製品事故、NITEが注意呼びかけ

 製品評価技術基盤機構(NITE)は、夏季に気をつけるべき製品事故を3件紹介し、注意を呼びかけている。

モバイルバッテリーが車内で発火

 自動車内に置いていたモバイルバッテリー付近から出火し周辺が焼損するという事故が報告されている。

 原因は特定されていないものの、リチウムイオン電池が劣化していたことや、車内が高温であったことから、電池セルが異常発熱して発火したと考えられる。

車内でのモバイルバッテリーの発火(再現)

 モバイルバッテリーなどリチウムイオン電池を使用している製品は熱に弱いため、暑くなりやすいところや直射日光が当たるところに放置すると、バッテリーが熱暴走して発火に至るおそれがある。

 なお、このような事故は真夏以外でも、天気の良い暑い日に発生している。リチウムイオン電池を使用している製品は、自動車内や、直射日光の当たる窓際などに放置しないようにすることが重要。

携帯用扇風機が破裂

 充電中の扇風機付近から異音がして出火し焼損するという事故が起こった。リチウムイオン電池が内部ショートして異常発熱し、焼損したものと考えられる。

 リチウムイオン電池内部の正極・負極を隔てる絶縁フィルム(セパレーター)が破れると、ショートして異常発熱と内圧の上昇が起こり、電池が破裂・発火する場合がある。

異常発熱のメカニズム
携帯用扇風機の破裂(再現)
破裂・一部焼損した扇風機

 落下などの強い衝撃を与えてしまい、「充電が行われない」「充電中にこれまでよりも熱くなった」「外装が膨張し変形した」「バッテリーパックが膨張した」「不意に電源が切れた」などの異常があった場合、直ちに使用を中止する。破裂・発火などの事故に備え、携帯用扇風機を金属製の缶などの保管容器に入れることが望ましい。

 その後、購入店又は製造・輸入事業者の修理窓口に相談する。事業者による必要な措置が取られるまでは、決してごみとして携帯用扇風機を廃棄しない。なお、事業者による適切な措置が取られた結果、ごみとして廃棄する場合には、各自治体の指示に従った分別等を行う。

 万が一、発煙・発火したときは、消火器や大量の水などで被害の拡大を防ぐ。対処が困難な場合は、直ちに避難し119番通報する。

着火剤で飛び火

 公園でのバーベキュー中、残り火にゼリー状の着火剤を使用したところ、「ボン」という音がして2~3メートル離れた場所にいた女性の衣服が燃え、他にも2人が軽いやけどを負う事故があった。

 着火剤の主成分が、揮発性のあるメチルアルコールであったことから、先に揮発成分に引火し、続いて着火剤が急激に燃焼したため、炎が飛散したと考えられる。

 すでに火が点いている炭に着火剤を継ぎ足すと、大きな炎が上がり、やけどや火災に至るおそれがある。特に炎天下では、着火剤の炎が見えにくいため、気づいたときには重傷になることがある。

危険な着火剤の継ぎ足し
やけどや火災の危険性

 そのため、着火剤を継ぎ足してはいけない。チューブ式やパウチ式の容器で販売される着火剤には、継ぎ足しを禁止する警告文が付けられているものが多いため、使用前によく読んで注意する。

 また、新聞紙などに消毒用のアルコールを染み込ませ着火剤として投入した場合や直接火元にアルコールをかけた場合、急激かつ爆発的に燃え上がるため非常に危険。昨年5月には死亡事故も起きている。

過去の事例を確認

 製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite」(ナイト セーフ・ライト)を使うと、検索した製品に関連する事故の情報やリコール情報、類似した事故などを知ることができる。