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ソフトバンクG第3四半期決算、-4600億円と赤字幅を縮小

ソフトバンクグループ取締役 専務執行役員CFO兼CISOの後藤 芳光氏

 ソフトバンクグループは8日、2024年3月期第3四半期決算を発表した。第1~3四半期の売上高は、前年同期比+2.6%の5兆19億100万円、税引前利益は2640億7500万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は-4587億2300万円(前年度同期間は-9125億1300万円)となった。

 完全子会社だった英Arm(アーム)が2023年9月にナスダックに上場したほか、米T-Mobile(Tモバイル)と米Sprint(スプリント)の合併取引時の対価として、ソフトバンクグループが12月28日にTモバイルの株式4880万株(77.4億米ドル、1.1兆円相当)を無償で取得したことなどが今回の決済に影響を与えたとしている。

 ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資損益は、当期単独で40億8700万米ドル(約6007億円)としている。

 10月~12月の損益は、SVF1が約19億米ドル(約2852億円)、SVF2が約17億米ドル(約2503億円)。

 4月~12月までの投資損益は、7818億6800万円と、2022年の同期間比で+5兆8245億6700万円となった。

 決算説明会では、そのほか通信子会社のソフトバンクの実績やアームの投資実績などが披露された。

 ソフトバンクの株価は、2018年12月の株式公開時と比べて33%上場しており、上場からこれまで受け取った配当は9663億円になると貢献をアピール。

 アームの株式価値も、2023年12月末から24年2月7日までの数カ月で0.7兆円上昇しており、投資からのリターンが大きいとした。

孫氏は元気にしているか?

 同社代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義氏は、2022年11月の2023年3月期第2四半期決算説明会を最後に決算説明会には顔を出していない。法人向けイベントや株主総会などには顔を出しているが、ソフトバンクグループ=孫氏というイメージを持つユーザーも少なくない。

 取締役 専務執行役員CFO兼CISOの後藤 芳光氏は、孫氏について「皆さんに心配されるまでもなく、毎日とんでもなく忙しく過ごしている」とコメント。また、会社には顔を出しているといい「私も必要があれば、毎日会い、彼らの考えの進化を都度、目耳にしながら驚くことばかり」と近況をコメント。「Armの成長をより大きなものにしていきたい」という想いもあるという。

 一方で後藤氏は「私もそろそろ出てきてくれると良いなと思うときもある」とし、時期は言えないが楽しみにしてほしいとした。後藤氏は、孫氏について今後も「ソフトバンクグループの企業価値に大きな貢献をしていくだろう」としたうえで「暖かく見守ってくれれば……」とした。

楽天グループの「2年で社債8000億円返済」

 また、楽天グループが2024年間からの2年間で社債の償還額が8000億円にのぼる旨についてコメントを求められた後藤氏。「他社さんへのコメントは控えたい」としながらも、自社の立場としての考えとして「我々は社債の発行体としてはかなり大きな会社、リテール債、個人向けも発行しているが、リスクは決して感じてほしくない。投資をエンジョイしてもらいたい。ソフトバンクグループの社債は、返済原資がはっきりしていて毎年償還が来る、それ以上のキャッシュがあることは明らか」と自社の安全性をアピール。

 その上で、既存投資家が償還されたものも使い道がなければ新たに投資してくれ、新しい需要を呼び込むスパイラルになっているとコメント。逆のスパイラルになってしまうと「本当にしんどい、そういう時期もあった」とし、投資会社としては「余裕がありすぎるように見える運用スタイル」を大事にしていきたいと考えを示した。