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より多くの人に折りたたみスマホを、モトローラが約10万円で「razr 40」発表

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは、Androidスマートフォン「razr 40」を発表した。11月22日に発売される。発表にあたり、モトローラとソフトバンクが日本で発売する意義を説明した。

左=モトローラ 松原氏。右=ソフトバンク 郷司氏

多くの人に折りたたみスマホを

 モトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長の松原丈太氏はrazr 40を発売する意義を3つにわけて語る。「テクノロジーの民主化」「ユーザーの選択肢」「さらなるワクワク感」をrazr 40を発売するポイントという松原氏。

 一般に折りたたみスマホは20万円を超えるような高価な製品が多く、一般のユーザーには手を出しづらい。また、フィーチャーフォン時代には折りたたみやスライド、スレート型など多様性に富んだラインアップがあったが、スマートフォン以降は1枚板のスレート型が一般的。ガジェット好きには細かな違いがわかるものの、一般的にはわかりにくい。

 松原氏は「ガラケーのときにはいろいろなモデルがあってワクワク感があった。そういうところに近いようなものをこれからまた想像していけるのでは」と期待感を示した。

ならではの使い方を提案

 razr 40は、コンパクトなサイズ感や「しずく型ヒンジシステム」でディスプレイの折り目が極力目立たず、折りたたんだ際の隙間もできにくいといった特徴を持つ。「フリクションヒンジ」として、任意の角度で固定できることからカメラ撮影や動画視聴などでスレート型にはない使い方ができることもまたポイントのひとつ。

 動画視聴時には「ハーフオープン」というノートパソコンのように開くことで上部で映像を視聴、下で再生・一時停止やスキップなどを操作できる。また地図とブラウザを同時に開き、検索しつつ地図を確認することも可能。動画撮影時にはビデオカメラのようにして持つこともでき、長時間の動画撮影でも手が疲れにくいなど新たな体験を提供する。

 アウトディスプレイで音楽を操作できるため、本体をスタンド状にして立てるとリモートワーク中に来客などがあってもサッと音楽操作ができるとする。アウトディスプレイは、カメラ撮影時のファインダーとしても機能するほか、アニメーションを表示できる。子供の撮影時などに笑顔を作りやすいなど、日常使いの機能性が重要視されている。FeliCaやIP52相当の防水防塵機能にも対応することで、日本のユーザーの要望にも応えた。

 モトローラ・モビリティ・ジャパン キャリアプロダクト部 開発事業部長の伊藤正史氏は「電車の中で人々を観察すると、以前はいろいろな端末を使っていた。ここ数年は同じメーカーのものになっている。多様性の時代のなかでちょっとさみしい。今回のrazrが、スマホの新しい選択肢になりうる」と展望を示す。「昔、折りたたみケータイを使っていた人には『やっぱり折りたたみはいいな』と思ってもらい、若い人には新しい使い方を発見してもらえるのでは」と語った。

モトローラ 伊藤氏

「折りたたみ」に新たな市場価値

 razr 40は「razr 40s」として、ソフトバンクからも取り扱われる。ソフトバンク モバイル事業推進本部 本部長の郷司雅通氏は、同社とモトローラの協業の歴史を語り、近年ではその連携はより強いものになってきたと説明する。

 加えて、世界の折りたたみスマートフォンの出荷台数は、同社が示した資料によれば年を追うごとに伸びており、2023年の出荷予測台数は2022年比で1.5倍になるとの見通しが示されている。郷司氏は「新たな市場価値があるのでは、ということで今回この端末を投入する」と語った。

 そうしたなかで、折りたたみスマートフォンが持つ不安要素が「壊れやすそう」と「価格が高い」という2点。ソフトバンクの調査によれば、それぞれ28%、48%の回答者がそう答えた。

 可動部分が増えることで、スレート型よりは故障のリスクが高まる折りたたみスマートフォンだが、ソフトバンクでは、故障・破損時の修理対応としてモトローラの正規部品を取り扱うモバイル機器の修理事業者iCrackedと連携した修理サービスを提供する。さらにソフトバンクモデルの「razr 40s」は一括価格9万9680円と、折りたたみスマートフォンとしては、極めて安価で提供する。

 SIMフリーモデルは11月22日、ソフトバンクモデルは12月8日に発売される。