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ソフトバンクの新株式「社債型種類株式」が東証プライムに上場、宮川社長らが鐘を打つ

 ソフトバンクの「社債型種類株式」が2日、東証プライム市場に上場した。1株当たりの発行価格は4000円で発行価格総額として1200億円を調達する。

 「社債型種類株式」は、「社債」の側面を有する会社法上の「株式」で、普通株式への転換権利や議決権は持たないものの、発行からおおむね5年間の固定配当、その後は変動配当を受け取ることができ、同社では「普通社債の利率以上、普通株式の配当利回り以下を想定」としている。

 「社債型種類株式」は、今回が国内初の取り組みであるといい、東京証券取引所(東京都中央区)でセレモニーが開催された。セレモニーには、ソフトバンク 代表取締役社長の宮川 潤一氏と取締役CFOの藤原 和彦氏に加え、同社の役員や財務担当者らが出席した。

東京証券取引所

 まず、東京証券取引所担当者から宮川氏に「上場通知書」が手渡された。

「上場通知書」を受け取る宮川氏(左)

 宮川氏は、社債型種類株式の上場について「日本ではじめてだということで、大変名誉なことだと感じている。今回の発行の目的は、同社の中長期的な発展のために使わせていただこうと思っており、この先の日本の持続的な発展のために挑戦していく」とコメント。

ソフトバンク 代表取締役社長の宮川 潤一氏

 また、今回の発行が“良い例”となるように事業に取り組んでいきたいと、今後への意気込みも示した。

上場通知書を手にする宮川氏

 セレモニー後半には、記念の打鐘を、宮川氏のほか藤原氏などが行い、会場内に鐘の音が響き渡った。

鐘を打つ宮川氏
鐘を打つ藤原氏

 今回の発行について、あらためて宮川氏は「中期ビジョン計画の中でやりたいことをしっかりとやり遂げ、業績を証明できれば、堂々と第2回、第3回とチャレンジできる」とコメント。

 また、NTTの生成AIに関して「大小で性能がすべて決まるのではないと思うが、世界中の動きを見ると、GPT4.0から5.0への議論やグーグル(Google)のBard(バード)の次のものも相当な能力を持っていると聞いている。世界にあって日本にないのだけは困るので、日本の中で(NTTのような)戦う会社もあっていいと思う。我々はまずはパラメーター数をしっかり作り上げていこうと思う」とコメント。

宮川氏

 加えて「実運用では、たとえばコールセンターでは使用しているが、使い方がわかってきたので、そういう意味ではいくつかの組み合わせで使っていくものではないか」との考えを示した。

 なお、今回の株式では、一部報道で「申し込み比率の92%が個人投資家」とあった。この受け止めについて宮川氏は「正直驚いている。我々としては強い誇り」とコメント。株価についても「いきなりアンダー(初値を下回る)はつらいと思っていたので、非常に満足のいくもの。想定の範囲内」とした。

セレモニー後、手持ちの端末で撮影する宮川氏