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KDDI、トヨタ自動車から自己株式2500億円分を取得へ

 KDDIは28日、トヨタ自動車からKDDI株2500億円分を自己株式として取得することを発表した。

 KDDIは、持続的な利益成長と株主還元強化を目指し、継続的に自己株式を取得。2023年6月1日~24年5月31日までの間に、総額3000億円を上限とする自己株式の取得を取締役会で決議していた。

 一方、トヨタ自動車は、KDDIの前身企業の一つである「日本移動通信(IDO)」への出資などからKDDIの株式を保有している。トヨタ自動車では、現在モビリティカンパニーへの変革に取り組んでいるといい、今後多額の投資が必要となる見込みから、資産の有効活用や政策保有株式の縮減にも注力しているという。

 今回、トヨタ自動車からKDDI株式の一部売却の申し入れがあったとし、協議の結果、保有分のおよそ2割に当たる6410万2500株を今回の公開買い付けで取得する方針となったとしている。取得に際しては、一定期間の普通株式の終値の平均から10%ディスカウントした1株あたり3900円で取得し、総額およそ2500億円分となる。

 今回の買い付けにより、トヨタ自動車が今回応募した株式すべてをKDDIが取得した場合、トヨタ自動車の所有割合が14.69%→11.71%(3億1679万4400株→2億5269万1900株)となる。

公開買い付けの概要

 今回の公開買い付けでは、資産の社外流出を可能な限り抑えるべく、KDDI普通株式の市場価格に、一定のディスカウントを行った価格で買い付けることが望ましいと判断したとしている。

 ディスカウント率は、直近の類似案件におけるディスカウント率を調査のうえ、10%と設定された。

 公開買い付けの価格は、取締役会決議日の前営業日(7月27日)の過去1カ月間の東京証券取引所プライム市場における普通株式の終値の単純平均値を基準とし、この基準に基づき、単純平均値4333円(円以下を四捨五入)し、10%ディスカウントした3900円と設定した。

 今回の買付期間は、7月31日~8月28日までの20営業日。

 なお、トヨタ自動車応募分を含み、今回の公開買い付けに応募された株券の合計が、買付予定数を上回った場合、あん分比例の方式による買付け(応募株数に「買付予定数÷応募総数」を掛けた株数を買い付ける)となるため、KDDIは応募分の一部を買い付けることとなる。