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「HIS Mobile」新料金プランは「ahamo対抗」、猪腰氏がその狙いを語った

「HIS Mobile」が新料金を発表(写真はアンバサダーに就任したコロッケ)

 H.I.S.Mobileは6日、MVNOサービス「HIS Mobile」で、海外旅行向け通信サービス「全世界TripSIM」を6月6日から、国内向けの新料金プランを7月に提供開始すると発表した。

 海外旅行向け通信サービス「全世界TripSIM」は、物理SIMのほかeSIMでもサービスが展開され、サービス開始時点ではeSIMからサービスをスタートする。

 eSIMから始める意義や、これまで実施していた海外向けの通信サービスとの違い、また国内向けの料金プランをリニューアルさせるねらいなど、記者向けの説明会でH.I.S.Mobile 代表取締役社長の猪腰 英知氏が語った。また、後半にはアンバサダーに就任したコロッケも登壇した。

全世界向け「Trip SIM」

 「Trip SIM」は、eSIMや物理SIMを利用した海外での通信サービス。国別または地域にあわせたさまざまなSIMを提供しており、eSIMであれば入れ替え不要で、現地での契約にも対応している。

 猪腰氏は「4月の訪日客数は2019年比で66.6%まで回復しており、出国数も回復基調にある」とし、HISグループである同社にとっても旅行面のサポートをするべく、今回の新サービス発表に至ったと説明する。

 eSIMの採用に至った経緯について、猪腰氏は「HISモバイルユーザーは、すでにSIMのことを勉強している。eSIMに対するハードルが非常に下がってきている」とし、eSIMをサポートする端末自体もコロナ前から増加してきていることから、現地でも契約できるeSIMをサポートするとしている。

 一方、同社では「HIS Wi-Fi」というモバイルルーター(Wi-Fi)サービスも提供している。複数人のデバイスで1つのWi-Fiを共有する形のサービスで、今回はユーザーにとって新たな選択肢の一つとなった。

旅行会社的にはモバイルルーターが勧めやすい

H.I.S.Mobile 代表取締役社長の猪腰 英知氏

 猪腰氏は、スマートフォンが普及した現在でもモバイルルーターが多く利用されているとして、旅行会社目線から「対応バンドが説明しづらい」点を挙げた。

 猪腰氏自身もHISのカウンターに立って案内していた経験があるとし「ユーザー保有の端末が海外で使えるか」という説明を、HISのカウンターではできないと指摘。その国で使えるバンドを調べ、その端末がバンドをサポートしているかということが旅行カウンターでは説明できないため、どの国でもつながるモバイルルーターを進めることになると指摘した。

 その上で、今回の「Trip SIM」と「モバイルルーター」、「MNO(大手携帯電話会社)の海外ローミング」では、価格や利用方法が異なるため、商品自体のポジショニングが違うのではないかと、認識を示した。

 また、MVNOでは、SIMの位置情報をつかむことができない点も取り上げ、今後MVNOでSIMカードを発行できるようになれば、海外でのローミングサービスができるようになるかもしれないと今後の展望を明らかにした。

国内向けの新料金プラン

中容量プランを再設計

 「『自由自在』290プラン」と「『自由自在』スーパープラン」は、国内向けの新料金プラン。

 消費者物価指数の上昇とともに同社の回線数伸長率も伸びていることから、「節約志向が強いユーザーとHIS Mobileのユーザー数がいっしょに動いている」(猪腰氏)としたほか、「節約のためにHIS Mobileを契約するユーザーが一定数存在する」というアンケート結果にも注目し、今回の新料金プランの設計を進めたという。

 プラン設計に当たっては、同社契約者を契約データ容量別に構成をまとめた。その結果、7GB以下の小容量ユーザーが全体の95%未満を占め、中容量ユーザーは全体の5%未満であることが確認できた。

 猪腰氏は、前回の料金プラン改定時に「20GB以上を利用するユーサーが今までよりも減ってしまった」と状況を明かし、既存の「『自由自在』プラン」は中容量ユーザーに受け入れられていない、プランに設計ミスがあったのではないかとし、中容量の料金プランに注目したとした。

 加えて、NTTドコモの中容量プラン「ahamo」が好調に推移しており、ほかのキャリアも同じようなスペックの料金プランやブランドで追随していると指摘。「中容量ユーザーは、かなり1つの巨大なマーケットとして存在している」ことを認識し、MNOのプランとも比較しやすい新料金プランの開発に至ったと説明した。

MNOに負けない「『自由自在』スーパープラン」

 新しい中容量プラン「『自由自在』スーパープラン」では、5G対応で5分までの国内通話が無料で利用できる料金プランとして再設計した。料金も20GB2190円と、MNOで提供されている同様の料金プランより安価に設定した。

 料金やスペック設定には、MNOと同じスペックにすることで、ユーザーが比較しやすく、ドコモ回線を使用しているHIS Mobileとして通信エリアの心配がないということをアピールする狙いがある。

アンバサダーに、タレント コロッケを起用

 今回のスーパープラン提供開始にあわせて、HIS Mobileのアンバサダーとしてタレントのコロッケを起用。あわせて、新料金開始にあわせてキャンペーンを展開する。

アンバサダーに就任したコロッケ

契約事務手数料キャッシュバック

 「『自由自在』スーパープラン」または「『自由自在』290プラン」の対象プランを新規契約(MNP転入含む)すると、契約事務手数料を1回線あたり最大3300円をキャッシュバックする。期間は7月31日まで。

コロッケあげちゃうキャンペーン

 期間中、HIS Mobileの国内向け通信プランを新規契約すると、SIMカードまたはeSIMの住所確認コード送付時に、ビーフコロッケ引換券が同封される。

 期間は9月30日まで。引換券は、コロッケの「ころっ家」各店舗で「特製ビーフコロッケ」と交換できる。

Twitterで最大10万円分のギフト券が当たる

 同社公式Twitterアカウントで、7月16日までの期間中最大10万円分のAmazonギフト券が当たるキャンペーンが開催される。

 期間中、キャンペーンツイートを、ツイートの内容に応じてリツイートまたはいいねで投票すると、抽選に参加できる。また、指定のハッシュタグをつけてシェアやコメントを付けると、当選率が上がるという。

 特典は、Amazonギフト券10万円分が1人、1000円分が10人、HIS Mobileのエントリーパッケージを270人に進呈される。

290円の料金プランに、コロッケ「怪しい……」

対談するコロッケと猪腰氏

 コロッケは、今回アンバサダーを務めるHIS Mobileの料金プランについて「290円はちょっと安すぎる、怪しい、安いけど大丈夫かな」とコメント。さらに「5000円以上は大体するのに、290円で通信できる、うちの一番高いコロッケよりも安い」と料金の安さに注目した。

 このコメントに猪腰氏は、「キャリアの設備を借りて運用しているので、黒字で運営できている。安心してほしい」と回答し、サービスの健全性をアピールする一幕も見られた。

 会見の後半では、コロッケが得意のモノマネで、HIS Mobileの新料金プランをアピールした。